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14加入動画



Chapさんは空を見上げながら「そろそろ風が出てきたし、談話室に戻ろう」と言葉にした。


 

その言葉に頷きつつ、俺は心に浮かんだ考えを口にした。



「俺、やりたいこと見つけたかも」


___________________



 

談話室に戻ると、伊吹さんとスイさんがまだ残っていたのだ。これは良い機会だと思い、伊吹さんに自分の考えを伝えることにした。



 

「伊吹さん。俺、生産組合で話した配信活動をやってみたい」


 


伊吹さんは少し驚いた様子でこちらを見た。


 

 


「Chapと話していて気づいたんです。俺はあの世界を忘れたくないんだって。あの頃は上司に怒られたり、散々な思いばかりしていたんですけど、それだけじゃないんです」

 

 


俺は、一呼吸置いて続ける。


 


「伊吹さんやChapが美味しいって言ってくれたグリーンカレー。あれ、母が料理教室で覚えて作ってくれた思い出の味なんです」


 

 


(もうこの体では地球には帰れないかもしれないけど…)



 


「母は料理が得意で特にグリーンカレーは家族みんなの大好物でした。料理教室で習った本格的なレシピを家で再現してくれて、ココナッツミルクの甘さとスパイスの辛さが絶妙で、食卓がいつも笑顔で溢れていました」


 

 


母は週末になると、キッチンで鼻歌を歌いながらグリーンカレーを作っていた。スパイスの香りが家中に広がり、俺たち家族はその香りに誘われてキッチンに集まったものだ。

 


 

スイさんが微笑みながら頷く。


 


「伊吹さんたちに初めて食べてもらう料理にグリーンカレーを選んだのは、俺の好物を知ってほしかったのもあったんです」



 

伊吹さんは腕を組み、少し考え込むような表情を見せた後、ゆっくりと口を開いた。


 


「なるほど。モネがいた世界の文化や思い出を共有することで、俺たちも君のことをもっと理解できるかもしれないな」



 

スイさんも同意するように「配信でそのグリーンカレーの作り方や、君の世界の話をしてみるのは良いアイディアだね〜」と言った。


 


Chapが横から口を挟む。


「僕も手伝うから。あのカレー、また食べたいし」



 


俺は嬉しくなり、笑顔で答えた。


「ありがとうございます。ぜひ、お願いします」


こうして、俺は配信を通じて自分の世界の文化や思い出を伝える第一歩を踏み出すことになった。





 

=============

NEOクラン新人加入のお知らせ。

=============


 

NEO公式サイトに1分28秒の動画が投稿された。



 

(第三者視点)


 


動画は薄暗い研究所の内部から始まる。霧が立ち込める中、無数の配線が絡み合うカプセルが並んでいる。19秒後、突然の振動が建物全体を揺るがし、カプセルのガラスに亀裂が走った。画面が反転し、NEOクランのメンバーが次々と改造された機械兵を撃破していく様子が映し出されるのだ。


 

 

その後、クラマスとサブマスが研究所内を歩きながら会話し、ある部屋にたどり着く。自動ドアが開くと――


 


(サブマスター視点)


 


自動ドアが静かに開くと室内は薄暗く、壁際には複数のカプセルが並んでいる。中央のカプセル内には人影が見え、微かに霧が漂っていたのだ。サブマスが操作パネルに手を伸ばし、数回タッチすると、カプセルが音を立てて開き始めた。



 

内部から現れたのは、黒髪黒目の幼い少年だった。彼はゆっくりと外の世界に足を踏み出し、周囲を見回した後、自己紹介を始める。



 

「おはよう。そして、初めまして異世界人。」


彼は一瞬言葉を切り、少し困惑した表情を見せながら続ける。



 


「俺は博士に召喚された勇者…だと思われる。ん?勇者だと断言しないのかって?」


彼は自嘲気味に笑い、言葉を続ける。



 

「実は、勇者召喚で召喚されたのは俺の死体だったんだ。だから巻き込まれた一般人という可能性もあるわけ。それなのに、博士やマザー機は俺を勇者だと言うんだ」



 

彼は自身のセリフに少し視線を落として眉をひそめるのだが、


 

 

「ルギドではモネという名で活動させてもらうこととなったから」


 


彼は再び顔を上げて俺達をしっかり見ながら「これからよろしく」と次の瞬間、笑うのであった。


 


____新キャラ詳細______


モネ(28歳)

異世界人


短命な異世界では成人していている年齢らしい。そのため書類作成系の仕事に就職して働いていたが休日出勤、残業ありのブラック会社に働いていたため身も心もボロボロ。

_________________

 


所謂「苦労キャラ」





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