参蜘蛛語
参蜘蛛語
ホームルーム終了後
「蜘蛛って臭いしないよね、七世?」
「臭いなんかしてみろ。気持ち悪くて仕方ない」
「「蜘蛛の臭いがすることは蜘蛛の呪いに掛かったってことだよ。意味は分かるよね、轟?」」
「・・・・・・・・何が云いたい?」
「「つまり、轟は蜘蛛に呪われたって事さ」」
「証拠は?」
「「轟の腕」」
二人の少年は轟の腕を掴んで無理矢理包帯を外した。
そこには大きな蜘蛛と蜘蛛の巣が真っ赤な血で描かれていた。
「・・っ!!」
「あちゃぁ・・・」
「「腕全体が埋まるとこういう図柄になるのか」」
「ここまで大きな蜘蛛は初めて見たな」
「黙れ。好きで呪われたわけじゃない」
「まぁ、ただの逆恨みだからね」
「ただのじゃない!!俺様にとっては最大の屈辱だ!!!!」
教室の隅に座っていた少年が叫びだした。
「おーお。たかが、自分の思い込みで恥をかいただけだろ。七世は関係ない」
「クズのしたいことはわからんな」
「お前の存在自体がムカつく!佳代は俺様のだってのに佳代はお前告白した!!しかも、受け入れずに断りやがった!!!」
少年の好きだった佳代と言う子が轟に告白し、轟はその告白を断った。少年は佳代が告白に失敗した事を良いことに自分を好きになるように言った。しばらくは佳代も少年と付き合っていたが、やはり轟が好きだと言い、別れる。しかし、少年はただの冗談だと思い、その後も佳代を自分の恋人だと思っていた。
ところがある日、クラスメート全員が見ている前で佳代はもう一度轟に告白をした。
これが呪われる前の話。この話にはまだ続きがある。