弐蜘蛛語
弐蜘蛛語
大波乱の自己紹介から4ヶ月。8月のある日。一人の転校生が雅と七世の前に姿を現わせた。
「転校生を紹介する。まずは、本を読んでいる轟。本を机の中に入れやがれ。で、朝っぱらから寝てやがる馬鹿を叩き起こせ」
「まぁ、良いじゃんかぁぁぁぁぁ〜」
「良くねんだよ、九重」
「俺は気にしませんよ、先生」
「心が広い転校生に感謝しろ」
「改めまして。今日からこの学校に通う事になった、山埜 八雲です。よろしく」
「よし、分からない事があったら、そこの馬鹿共に聞け」
「馬鹿じゃないし」
「筋肉馬鹿はほっとけよ。雅が筋肉馬鹿になりたいのなら話は別だけどね」
先生の怒りに触れた。
「わぁ。真面目に勘弁」
先生が切れる。
余っていた机が宙を舞う様にふっ飛ぶ。
二人はあっさり避ける。
「何で本読みながら避けられるんだ!!?」
「七世だもん」
すると続けて教卓がふっ飛ぶ。
勢いがあり過ぎて辛うじて避けたが、バランスが取れず、七世が転けそうになる。
転校生が支えてくれる。
「っと。大丈夫?」
「・・・どうも」
お礼を言うと離れる。
が、腕を捕まれ引き止められる。
「何?」
「君から"チ"の臭いがする。しかも、かなり濃い臭いが」
意味不明な事を云われ、反射的に殴ってしまう。
「ったぁー・・・・・・」
「いきなり、変な事云うから」
「"チ"だよ。別に変な事は言ってないはず」
「"血"?」
「"蜘"」
「蜘蛛?」
「そう」
この会話から平和な日常は崩れた。