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マツリとの出逢い

『異世界で婚約破棄からのザマァ × 祭り』のコメディ連載。難しいことは考えず、心を無にして、お楽しみください!

※本物の祭りとは少し違うところもあります。異世界アレンジしてます。



デカい船から落ちた俺。

海面に叩きつけられる衝撃と、すぐに襲いかかる強い波。


『あぁ、死んじまう…』


脳裏によぎったのはアイツの怒った顔だった。


『お前の言うとおりだった…ごめんな…』



-----



気がつくと、目の前に大きな山があった。周りは暗くて見えないが、山のてっぺんまで続く細い光だけが見える。


俺はその光を頼りに歩いた。なんだか引き返したい気持ちになったが、後ろを振り返っても闇があるだけ。進むしかない。


何日歩いたか分からない。不思議と喉も渇かないし、お腹も空かない。なんだか飽きてきたので、途中でふと、道を逸れてみた。細い光がなくなり、ただ闇を歩いていく。


そうすると、また細い光を見つけた。初めの光と、少し色が違う気もするが、それを頼りに山を登っていく。

そうして頂上に辿り着くと、景色が変わって、目の前に大きな河が見えた。


靄がかかっていて、神秘的なところだ。目の前に小船がある。この船に乗って向こう岸へ行くようだ。船に乗っているのは見たことのない、羽織物のような服を着た人だった。異国の人間だろうか。


どうやら河を渡る前に、船の人と同じような服に着替えなければならないらしいが、俺の分は用意されていない。船頭は困った顔をしたが、取り敢えず乗せてくれた。


向こう岸に着くと、また人が立っていて、怪訝そうにこちらを見ている。手にしている紙と俺を見比べて、首をかしげている。とりあえずその人に付いていくと、何やら騒がしい一団がいた。



「「そーりゃ!!!」」


「「そーりゃ!!!」」



何やら頭に包帯だろうか、細い布を巻いた男たちが、大きな東屋のような建物を綱で曳いて走ってくる。


新手の人力車だろうか?建物には、男たちが乗っており、屋根の上で、跳び上がって体の向きを変えたり、両手を広げたりして、まるで戦う英雄のような動きをしている者もいる。落ちないのだろうか。心配になる。


男たちは徐々にスピードを上げる。声よりもシャンシャン!だとか、ドンドン!といった音が鳴り響き、いつの間にか周りにいた観客も熱心に何やら叫んでいる。


『このまま行けば轢かれる!』と思いながらも、男たちの迫力に圧倒され、動けずにいた。


すると、直前で男たちは大きく右折した。


ウォォォ!と低い雄叫びが聞こえ、観客も歓声をあげる。よく見ると、何人かは転けそうになって半ば引きずられていたり、観客とのクッションになるようにして、犠牲になっている人もいるような気がした。しかし、すぐに起き上がりウォォォ!と走り去って行った。



ありのままを話そう。

俺は、あの勢いのある奴らに轢かれると思っていたら、いつの間にか奴らに惹かれていた。

何を言っているのか分からないと思うが、俺も何があったのか分からなかった。


興奮で頭がどうにかなりそうだった。魔術暴走とか、駿馬の群れだとか、そんなもんじゃ断じてなかった。

もっと熱量があって、恐ろしいものの片鱗を味わった。


クレイジーな奴らが通り過ぎた後、俺をここまで案内してくれた男を見る。

あれは何だと問うと、呆れたように言った。


「ここは、現世でやり残したことがある人間たちが、やりたいようにやっている場所だ。

特にここは『祭りの間』と言ってな。生前、祭りに取り憑かれた奴らが好きにやってるのさ」


「マツリ?建物を担いで無茶な暴走をすることを、マツリと言うのか」


俺が男の説明を咀嚼していると、聞いていないのか男はぶつぶつ言いながら先へ進んでいく。


「はぁ。あいつら、全然満足せずに、長い間狂ったように祭りばかりして。何代前からやってるんだ」




百年単位でずっとやってそう。

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