惨劇の始まり
『本当にやるんですかい? 隊長』
「ぶっつけ本番の楽しさは否定しないぜ? だがよ、これはいくらなんでもデタラメすぎる。解析結果は見ただろ?」
漆黒の空間――宇宙の海に浮かびながら目前の巨大な星を見つめる黒赤のコンバットスーツ。
手下の通信に応じるウィルゼムはテストを行うつもりでいた。
デイスから入手した武器のその評価試験を。
ケースには複数の武器が格納されていた。小さいケースの中から巨大な武器や装備が大量に出てくる。質量保存の法則を無視したデタラメな代物。
計測した数値は全て測定不能。
この世界の法則とは完全に独立した、未知の武装。
それをいきなり実戦で使うのは、流石のウィルゼムにも躊躇われた。
だからまず、試す。
自分たちの生まれ故郷――地球を標的に。
「敵国殲滅用ミサイルランチャーラグナロク……ねぇ。本当に一つの国を滅ぼせるのか、気になるじゃねえか」
『それほどの威力がそのミサイルにありますかね? 核だって、せいぜい街を滅ぼせるぐらいですよ』
「どうだかな。むしろ、それ以上かもしれないぜ」
ウィルゼムの予測が正しければ。
どうにも、あのデイスという男が賢いとは思えない。
ああいうタイプのバカは、威力のみを重視しがちだ。
優れた武器とはローリスクハイリターン。
最小の威力で最大の結果をもたらすもの。
しかし戦術的観点を度外視すれば……そういう武器ほど、使ってて見栄えがするものだ。
そういう意味では、理に適っている。
「あいつ、観光気分だったからな」
『隊長?』
「始めるぞ。用意しろ」
ウィルゼムはラグナロクを構える。
その姿は、歩兵がミサイルランチャーを構えているようにしか見えない。コンバットスーツと歩兵の違いはざっくり言えばパワーが違うだけだ。空も飛べるし地上を高速で移動できる。
しかし本質的には、生身で銃器を撃ち合っていた頃と変わりがない。
ゆえに、何の変哲もない武器を地球に向けて撃つ。ただそれだけのように見えた。
「さぁ見せてみろ、武器商人!」
引き金を引く。標的であるバクォジへミサイルが放たれた。
通常のミサイルはここまでの射程も、大気圏突破能力もない。
しかしこれにはあるらしい。
鋼鉄にコーティングされた惑星の中にミサイルが落ちていく。
恐らく、バクォジのレーダーには引っかかるが、大した騒ぎにはならないだろう。大型ならともかく、小型のミサイルの着弾などこの世界では日常だ。
そういう意味での偽装は完璧で、案の定、バクォジは通常対応としてミサイルを迎撃した。
『迎撃されているようです』
「これでバクォジが消えれば万々歳だが」
代表を殺した咎で指名手配されている身としては、実用試験と口封じの一石二鳥の計画だ。
そして、その時がやってくる。
ぴかっと光った。
そして、その光はとても巨大になっていく。
「おお」
まるで花火でも眺めるように呟く。
光が、星を覆う様を。
そしてもたらされた結末。
手下たちの通信はない。厳密には繋がっているが、誰一人言葉を発していない。
そこに笑い声が響き渡る。
その声の主は爆笑していた。そのばかばかしさのあまりに。
「クハハハハハッ! やっぱり予想通りだぜ、あのバカ野郎! 国一つ滅ぼせる謳い文句で、星を壊滅させる武器を売ってやがった! これほどおかしいことがあるか? おい?」
『よ、よかったんですかい……?』
「おう、心配するなよ。転移装置は入手してある。ここがダメでも行き先はあるぜ。それともお前ら、この地球のことそんなに大好きだったのか? だとしても諦めな。綺麗な花火になっちまったからよ」
ウィルゼムの言葉で、手下たちが活力を取り戻していく。元より、世界に、命に未練などない連中だ。
そんな人間になんでもできる自由と、とんでもない兵器を与えたらどうなるか?
その答えが、示された。
一つの惑星の終焉と共に。
※※※
――モニカ。来てください、モニカ。
綺麗な花畑の中に、武器商人が佇んでいる。しかし衣装はいつものような漆黒ではない。
純白のドレスを着ていた。呼ばれるまま、モニカは武器商人の元へ向かう。
花を踏まないよう気を付けながら辿り着くと、穏やかな笑みが出迎えてくれた。
「幸せに、生きていきましょう」
そう言われた時の返事は、わざわざ用意するまでもない。
即座に返答しようとして、武器商人の背後に黒い影が見えた。
あの男がいた。
ウィルゼム・オクトバー。
彼は笑いながらナイフを取り出し、純白のドレスを真っ赤に染めた。
絶叫して目を覚まし、慌てて自分の手を殴った。
痛みがある。さっきのは夢で、ここは現実だ。
「くっ……」
恐怖で身体が震えている。短時間いっしょに過ごしただけの間柄。
その僅かな時間に会っただけの男が、心のウェイトをかなり占めている。
それだけの衝撃をモニカに与えていた。
ウィルゼム。考えたくないのに、頭の中に居座って出て行こうとしない。
ため息を吐いて、ベッドから立ち上がる。水を飲むためにリビングへと向かった。
武器商人はいつもの安楽椅子で休んでいるだろう。
起こさないように気をつけなきゃ。
注意して歩を進めたモニカは、そこで声を漏らす。
「武器商人様……?」
「モニカ」
武器商人が顔を上げた。手には端末を持っている。
他愛ないやり取り。普段の会話。
なのに、一言一言が身体に突き刺さるような感覚。
「どうか、したんですか……?」
震える声で訊ねる。
武器商人は少し目を逸らした後、モニカをまっすぐと見据えた。
「あの男が――ウィルゼム・オクトバーが、武器を手に入れました」
まるで、みぞおちを刃物で刺されたようだった。
※※※
「たぶんあの時の会話を聞いてたんだろう。迂闊だった」
「いえ私も……他のことに気を取られていましたから」
武器商人は到着早々、血相を変えたデイコックに迎えられた。
最悪だ、と彼は漏らす。しかしその危機感は工房全体には共有されていないようだ。
焦燥感が漂う一画の隣のエリアでは通常通り武器が製造され、ライセンスを持った同業者が仕入れをしている。
「やはり、ですか……」
武器商人はその姿を見て驚かない。予想できたことだ。
対して、モニカは声を荒げた。
「なんでですか? ウィルゼムが武器を手に入れたのに!」
「武器を渡すこと自体、そうおかしいことじゃないんだ。だって、そうだろ? 俺たちは武器を様々な世界に流通させてるんだから」
たかが一人の人間が武器を強奪したところで、それほどおかしな話ではない。
そう認識されてしまっているのだ。
「だから放置するって言うんですか?」
「そんなことはない。言っただろ? こういう事態は想定されている。それに、管理局の連中だって黙っちゃいない」
「管理局……?」
「複数の世界を管理したい、という組織はたくさんあるのさ」
「しかしそのような組織は基本的に、多忙です」
世界がたくさんあるということは、その数だけ事案が存在する。
問題を起こすより、解決する方が困難だ。
滅びに直面している世界も数えきれない。
「問題がない世界より、問題がある世界の方が多いんです。今ある事態を放り出して、別の世界を救うほど余力のある人は滅多にいません」
「だ、だったら工房が解決するべきじゃ!」
「もちろん解決には動くさ。ただ、少し時間がかかる」
「なんでですか!」
モニカは焦燥している。その姿が、いたたまれなかった。
「俺たちの武器を買った相手が世界を滅ぼしたとしても、それは正常な取引として認識されている。そこについてはわかってるよな?」
モニカは息を呑んだ。
「つまり、世界が滅ぼされる程度のことを、工房は危機として認識しないってことですか……?」
「世界と聞くから勘違いしそうになるが。これを、どこかの家だと考えたらどうだ? 一つの家で強盗殺人が起きた。その強盗は目撃者を始末するため放火して逃げた。確かに酷い話だ。胸糞も悪いだろう。だが、その強盗を倒すために世界中から軍隊を派遣して、どうにかしようとはしないだろ?」
「でもスケールが違います!」
「そうだな。それはそうだ。でも、ここにいる連中は、感覚がズレている奴が多い。慣れ過ぎてるんだ。そういうことにな。本質的に、武器商人はそういうものなんだ。人の殺害、組織の壊滅、国の滅亡、世界の崩壊……その方法を売るのが仕事だからな。自衛のため、抑止力のため、なんて言ったって、その本質からは逃れられん。それを勘違いした奴が過ちを起こしやすいが……今回手に入れた奴は、ある意味じゃ一番ろくでもない奴さ」
「ウィルゼムは、武器がなんであるか。戦いとは何か、全てを理解している男でした。その上で自由に振る舞っています。デイスが御せるような人間ではなかったのです。彼も安全策として小国を起点に武器を流通させるつもりだったようですが、その程度の安全策、彼にとっては何もしていないのと変わらなかったのでしょう」
デイスはウィルゼムを見誤った。そして、あっさり殺されて武器を奪われた。
その結果、一つの惑星が終わりを告げた。マキナの情報では、あの世界にあれほど高度な知能を持った生命体は確認されていない。
つまり、最後の人類が滅んだ。一つの世界が終わったのだ。
「あの男……! やっぱり、放置なんてするべきじゃなかったんです!」
モニカがデイコックに食って掛かる。それを彼は黙って受け止めている。
「あれほど危険な男は、すぐにでも殺すべきだったんです!」
「モニカ」
「考えてもみてください! 笑いながら人を殺す男ですよ! 自分の目的のためなら平気で人を騙すような男なんです! そんな男、何もしてないからって、こっちが接触したせいだからって、生かしておく理由には――」
「モニカ……それ以上、やめてください」
武器商人はモニカを抱きしめた。激昂していたモニカが気まずそうな面持ちで口を閉ざす。
この怒りは、モニカが自身で芽生えさせたもの。
だが、そのきっかけが誰のせいかはわかっている。
――自分だ。
彼女の中から、恐怖が見える。
何かが恐ろしくて、それを打ち消すために、強い言葉を使っている。
この子に、そういうことは似合わない。
先代も、もしかすると……こういう気持ちだったのかもしれない。
「落ち着きましたか……?」
「は、はい……」
「一度、戻りましょう」
モニカは素直に従ってくれた。
※※※
「食事にしましょう。私が用意しますから」
言われるがままモニカはリビングのテーブルの前で座っている。
普段は一人で食べることも多い食卓も、最近は二人で食べる回数が増えてきた。
武器商人は何らかの力によって、わざわざ食事を取る必要がなかったのだ。
けれど今はモニカに合わせてくれている。
そのことを申し訳なく思うし、嬉しいとも思っている。
矛盾した気持ちを抱えていると、武器商人は盆に食事を載せてやってきた。
「これって……」
「私の故郷の料理です。元々、料理は苦手でしたが、練習しましたので」
焼き魚に、みそ汁。漬物で、主食は白飯だ。
「いただきます」
両手を合わせて、箸を使う。様々な世界の中で、類似した文化と巡り合ってきた。
だからそつなく食べられる。
そして、感動を覚える。
「おいしい」
「良かった」
武器商人は笑顔を浮かべていた。まるで、子どもを愛おしく見つめる母親のようだ。
自分の母親が生きていればこのような感じだったのかもしれない。
「私は日本生まれ、日本育ちです。けれど、両親は違いました。なので、いわゆる一般的な日本人と比べて容姿に差異がありました。私の時代では、外国人がいるのは不思議なことではありませんでしたが、それでも純粋な日本人となるとまだまだ少なかったので、なかなか馴染めず、友達も少なかった」
――そんな私に声を掛けてくれたのが、不知火エレナでした。
武器商人の瞳は懐かしさと優しさで溢れていた。
「私は、彼女のおかげで戦えていました。でも、守れなかった。それどころか、とても酷い……あまりにも残酷な末路を彼女に与えることになってしまいました。私のせいで」
「そんな、ことは……」
「ありがとう。……私は本質的に、ウィルゼムと大差ないのかもしれません。いや、それ以上に悪質な存在でしょう」
「それは違います!」
テーブルを叩いて立ち上がる。
エレナの件ははっきりと言えなかったが、これについては断言できた。
ありがとう。再び武器商人は感謝する。
手で促され、席に着く。食事を再開した。
「ごちそうさま」
二人そろって感謝の言葉を口にして、モニカは片づけのため席を立とうとする。
「モニカ、お待ちを」
「どうかしましたか?」
問いながらモニカの心は早鐘のように鳴り響いていた。嫌な予感がする。
「大切な話があります」
「なん、ですか……?」
予想が外れてほしいと強く願いながら返答を待ち、
「私は、ウィルゼム・オクトバーと戦います」
「なんでですか!」
勢いよく立ったせいで、椅子が後ろに倒れた。
「あなたが戦う必要はありません!」
――しかし武器商人のことはよくわかっている。
「これは武器商人様の責任ではありません! デイスのせいです!」
――そのような人間なら、救世主にならなかった。
「デイコック様も言ってました! 対応するって!」
――そうやって待つ間にも、人は死んでいく。
「必要があるから戦うわけではないんですよ、モニカ。それにあの男が私たちを狙わない保証はありません。事実を知る私たちを口封じに来るかもしれない」
反論しようとして、詰まる。その可能性を否定できない。
むしろあれほどの男なら、最初の標的をこちらに設定していてもおかしくはない。
「彼もわかっているはずです。自分という脅威を、誰が一番理解しているのか」
「でも! ですけど……っ!」
あの悪夢が脳裏にこびりついて離れない。
どうにかしたい。
あの結末だけは絶対に避けたい。
必死に頭を回して、シンプルな結論を導き出した。
とても単純なことだったのだ。
「だったら……でしたら! 私が戦います!」
武器商人は武器商人なのだ。
敵を倒す武器を売るのが仕事だ。
だから、奴を倒せる武器を買って、戦えばいい。
「そうですか。……わかりました。いいでしょう」
「反対されても――え?」
「武器を用意します。少し時間が掛かりますから、食器の片づけと歯磨きをしておいてください」
「は、はい!」
これであの結末を回避できる。
モニカは喜びながら指示に従った。
「準備ができました」
階段を下りてきた武器商人は身軽な恰好だった。
手に持っているのは小さな箱だけ。
その箱には見覚えがあった。
武器商人の武器が入っている箱。
ただその小さな箱を持ってきただけなのに、結構な時間をかけていた。
「それだけ、ですか?」
「ええ」
疑問を覚える。この箱の中身が自分用の武器なのか?
それとも、目に見えないだけで何かがあるのだろうか。
「私の武器は? どれですか?」
「――私です」
箱を開き、クリスタルが露出する。
武器商人の身体が光に覆われて、一瞬の間に装甲が装着されていた。
青色の装甲が全身につき、ヘルメットから伸びた長髪の色も青く染まっている。
まるで、本来の色を取り戻したかのように。
「キレイ……」
思わず感想がこぼれる。しかし重要なのはそこではない。
「私の武器はどこですか!? 武器商人様!」
同じ質問を繰り返した。
目元を覆うバイザー越しに、武器商人はこちらをまっすぐと見つめている。
「スカラですよ」
「え……?」
「私はスカラ・アドミラです、モニカ。愛しています。全ての世界の、誰よりも」
スカラが手を翳す。モニカの意識はそこで途切れた。
※※※
『標的の座標データ取得。該当世界特定。転移開始します』
宇宙空間に人の形をした光が煌めく。転移を終えたスカラは、直線上にいるアーマーを装備した男を発見した。
ウィルゼムではない。しかし、彼に関係する人物であることに間違いはない。
彼が所持する剣は、デイスの商品として登録されている武器だ。
『あん? なんだ?』
こちらを捕捉した男が通信を送ってくる。スカラは警告した。
「あなたの所持する武器は盗品です。速やかに返却し、入手経路についての情報を提供してください」
『そうか、ボスが言ってた追手か』
真っ赤に染まったアーマーの、ヘルメット越しにこちらを見てくる。
装備詳細。アーマーはカスタムされたコンバットスーツ。
宇宙機動用バックパックに換装済み。
メイン兵装――対基地用ソードレーヴァテイン。
その性能が説明書通りではないことは既に証明されている。
『直近惑星より救助要請多数確認』
スカラはバイザー越しにその惨劇を目の当たりにした。
惑星の三分の一が燃えている。言葉通りに赤く染まっている。
それよりも酷い光景をかつて見たことがあった。
だからと言ってこれを許容することにはならない。
「協力すれば、生命の安全は保障します」
スカラは相手の反応を待つ。現状優先すべきはウィルゼムの居場所だ。
そして、それを探る方法は二つある。
一つ、敵から直接情報を得る。
もう一つは――。
「そりゃあ、もちろん――」
警告を受けウィルゼムの仲間は、
「従うわけねえよな!」
剣を振りかざす。刃状の赤い閃光がこちらに迸る。
スカラはそれを右方向への僅かなスラスター噴射のみで避け、腰から排出されたハンドガンを掴んだ。
スライドを引いて薬室に弾丸を滑り込ませる。引き金と連動して撃針が動き、フォトンエネルギーを内包した弾が敵へと放たれた。
「これは撃ち抜けねえよ!」
敵は大剣を盾にしてフォトンバレットを防いだ。その動きは予測している。
スカラは防御行動の間に接近。敵もそれは予想していただろう。
むしろ、近づいてくることを待ち望んでいたはずだ。大剣をもっとも有効に活用できるレンジへと。
「終わりッ!」
大剣が横から迫ってくる。スカラはフォトンブレードを抜き受け止めた。
「いつまで耐えられるかな!」
「出力調整……最大値に変更」
音声コマンドで光刃の出力を上昇させ敵のヘルメットへ視線を送る。
平常の眼差し。
死に際の必死さはなく。相手を蹂躙する不敵さもない。
「ど、どうなってやがるんだ……?」
敵が動揺した瞬間にブレードで大剣を弾き飛ばす。
喉元に刃を突きつけると敵は反射的に両手を挙げた。
「わ、わかった。降参するよ。あんたのそれがそこまでデタラメとは知らなくてな。魔が差したっていうか……元々、あんな奴に従うのも乗り気じゃなかった。生きるために仕方なく……ってことで、許してくれよ……」
「ウィルゼムの居場所は?」
「正直言うと、わからねえ。あの男は俺たちに武器を渡して、その後どっか行ったんだよ。好きに遊びなって言ってな」
「そうですか。武器を回収します」
スカラは装備をしまい、敵に背を向けてレーヴァテインに触れた。転移システムで工房へと転送する。
その隙に、背後で動きがあった。
「判断ミスだぜッ!」
敵が拳銃を抜き、狙いをスカラの頭部へと定める――それよりも速く。
拳銃を直接腰から引き抜き、身体を180度反転させ、ヘルメットを撃ち砕いた。
「……救いたいだけ……か……」
彼の仲間を始末することで、注意をこちらに引く。
それが、二つ目の方法だ。




