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猿猴が月をとる  作者: れっどしー
3/7

3話 「封印解放、そしてテイム?」

森の中、眩い光が消えた。

リク――封印から解き放たれた猿の魔人――は、全身に力をみなぎらせ、胸を張る。


「ふははは! これで俺は完全に自由だ!」

リクは地面を蹴り、腕を振り回して力を確かめる。森の木々が揺れ、枝が折れる音が響く。


紗季は必死で距離を取り、呼吸を整える。

「……あ、あの……私は……」


リクは獰猛な目で紗季を見下ろし、笑った。

「もう、お前なんて……必要ない……かな?」

そして全力で紗季を殴り飛ばした――


バキィッ!ズガァッ!


紗季は驚きで後ずさり、木にぶつかりそうになる。だが、リク自身に衝撃が返る。


「うおっ!? な、なんだこれは!」

痛みによろめき、転がり、尻尾をバタバタさせながら声をあげる。木に頭をぶつけ、床にひっくり返るたび、リアクションは大袈裟そのもの。


紗季は怯えて後退する。

「……あの……大丈夫……ですか……?」


リクは何度も力を試す。殴るたびに痛みが返り、転げ回り、頭を抱え、地面にぶつかりながら叫ぶ。


やがてリクは荒い呼吸を整え、地面に突っ伏しながら、必死で状況を整理する。

「……封印が解かれた時……勝手に縛られていた……? まさか……お前に……俺はテイムされて……?」

目を見開き、膝を抱えて震える。暴虐武人だった彼が、初めて自分の力に制限がかけられたことに青ざめつつ、内心では慌てていた。


それでも表情を引き締め、紗季に悟られないよう強がりながら、声をかける。

「……ま、まあ……封印、解いてくれて……ありがとう」

少し顔を背けて、小声で続ける。

「で……お前は、これからどうするつもりなんだ?」


紗季は戸惑いながらも、少しずつ落ち着きを取り戻す。

リクは痛みに悶えつつも、立ち上がり、目の前の状況を冷静に把握しようとしていた。


森の奥で魔獣が唸る。紗季はまだ戦えない。

リクは力を取り戻したが、縛りのため無茶はできず、紗季の護衛役に徹するしかない。


こうして、暴虐武人リクは初めて痛みに慌てつつも、強がりながら状況を把握し、紗季との対等なバディ関係を自然に受け入れたのだった。

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