1話 異世界転移
「はぁーあ、なんで私がこんな目に、、、」
これまでの人生まっとうに生きてきたと思う。
そこそこの大学に出てそこそこの会社に就職、少ないが親にも仕送りをしていた。
面白みのない人生だといわれても仕方ないがそれが私だ。
今日だって仕事が終わって家でお酒を飲みながらゲーム実況を観ていただけじゃん。
それが、寝落ちして目が覚めたら、
「どこ、ここ、、、」
そこは森の中だった。
「え、私家にいたよね。流石にありえない、、ゆ、夢でしょこれは、だってありえないもん。」
脳の処理が追い付かない。でも、普通に考えて起きたら森でしたなんてありえないし。
考えれば考えるほど、一つの言葉が頭に浮かんでくる。
それは、
<異世界転移>
アニメで観たことがある内容だけれども、あれはフィクションで創作物のなかでの話し。
自分がホントになるなんて考えもしないこと。
ただ、そうじゃないかと思ってしまう。
草木の匂い、夜ということもあって少し肌寒い。
私がそんなことを考えている時、
「「ギャー------オ」」
何!?何の声!!
恐る恐る後ろを振り向く。
そこには犬のような姿に角が生えた生き物が私をじっと見ている。
「あのーよだれ、、垂れて、、ますよ。」
俯きながらもそんな冗談を言える私は、まだ夢だと思っていたのだろう。
その瞬間、犬のような生き物が雄たけびとともに襲い掛かってきた。
「きゃー---------」
夢だと思えていたのが不幸中の幸いだった。
襲い掛かってくると同時に反対方向に走り出せたからである。
「やばい、やばい、やばい」
不安と焦りで押しつぶされそう。
この状況をどうすればいいかだけを考えて走ってる。
どこに逃げればいいかも分からないから、ひたすらまっすぐ走っていると、
ドカッ!一瞬何が起きたかわからなかったが、すぐに足元が崩れたことに気づいた。
知らないところに来て、死ぬんだな私。
・・・・・・
頭が痛い、、、視界がかすむ、、、
「私生きてる、、、」
自身の頭の血と状況からこれまで思っていたことに確信してしまった。
「やっぱり、これ夢じゃなかったんだ、、、」
認めたくなかった、目を背けてたんだ。
そう思うと、自然と涙がこぼれてきた。
「どうしたの、お嬢さん。そんな悲しそうな顔して。」
声のするほうに振り向くと、白銀の長い髪に、透き通るような肌、吸い込まれそうな青い瞳、幻想的な男性が話しかけてきた。
「大丈夫かい、お嬢さん。良ければ話を聞こうか。」
初めて人に出会い、やさしさに触れた。
それがうれしくて、ますます涙が出できてしまった。
だからだろう、重大なことを見落としていたのは。
幻想的な男が大岩に封印されていたのを。
「実は、私・・・・」
あぁなんでこんな奴に関わってしまったのだろう。
せめて、あのとき会話なんてしなければ。
後悔をいくらしても仕方ないのは分かっているけど、言わせてほしい。
私は今までまっとうに生きてきたつもりなの、
はぁーあ、なんで私がこんな目に、、、




