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ファンブル転生 ~未来の悪役、破滅回避を目指してTRPG世界を冒険する~  作者: イズミユキ
第3話/転生1年目、4の月(光の裏月)中旬/虚無の冒険者
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シーン12-1/冒険者登録

 費用を支払い、俺達は冒険者登録を進めていく。

 ギルドへの所属に際しては、魔道具(魔法の道具)で種族やクラス構成などの情報を読み取り出力する必要があるという。

 差し出された魔道具に手を置くと、俺の――ゼノの基本情報が書き出されていく。


 種族:竜人族

 クラス:アタッカー/サムライ


 うん、間違いなくゼノのデータだ。

 そうして情報の出力を終えた俺が、ふと隣で登録手続きを進めているディーチェに目を向けると。


「えーと……この情報出力って絶対にやらなきゃダメなやつなの?

 よく知らない魔道具に手を載せて自分を読み取られるって、ちょっと怖いというかなんというか……その、ね?」


 なぜかそこには、登録手続きを渋るディーチェの姿があった。


「そう申されましても、冒険者登録を行なう際は、魔道具で情報を読み取るのが規則となっておりまして……」

「そ、そこをなんとかパスできたり……しない? ダメ?」

「いや、何やってんだお前……受付さん困ってるじゃんか。別にこれ、痛くも痒くもないからな」


 押し問答を見かねて横から口を挟むと、ディーチェはこちらを振り返って「余計な事を喋るな」とでも言いたげな視線を向けてくる。

 ……理不尽な態度に、少しだけムッと来た。さっきは感謝したが、それとこれとは話が別だ。

 対応する受付嬢も困っている様子……であれば……。


「せいっ」


 ディーチェの手を掴んで引っ張り、魔道具の上に重ねさせる。


「わ、何よ、いきなり引っ張らないで――って、わぁぁぁあああ!?」


 甲高い悲鳴を上げるディーチェに構わず、彼女の種族とクラス情報が出力される。


「大丈夫だって。そりゃお前のクラス構成は割とネタ……じゃなくて個性的だけど、別にそれで登録を拒否される事は――ん?」


 魔道具から出力された情報を見て、思わず言葉を区切る。


 種族:星の曜神ようしん

 クラス:サポーター/ドミニオン/エンハンサー/アサシン


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