シーン6-4/捜査は足で
★戦闘配置(ゼノ視点)
敵陣エリア
配置なし
前線エリア
悪党D、悪党E
ゼノ、ディーチェ、オリエ
自陣エリア
配置なし
★セットアッププロセス/2ラウンド目
「よし。もう楽勝ムードだし、ここは【MP】を温存しておきましょ」
ディーチェはいつもの練技スキルを使用しない方針を取るらしい。魔法職の【MP】は文字通りの生命線であり、ある程度の温存はブレイズ&マジックの基本戦法だ。
ボス戦で【MP】枯渇に陥った初心者が、立派になって……その変化を嬉しく感じる反面、一抹の寂しさも――ないな、うん。その調子でガンガン成長してくれ。
と、そんな現金な思考を働かせる間にもラウンド進行の処理は進み――。
「楽勝圧勝、完全勝利だったわねー! ぶいっ!」
笑顔でピースサインを向けてくるディーチェの言葉通り、以降は完全に楽勝ムードの消化試合となった。
オリエさんの攻撃と俺の反撃で【HP】が削れていた悪党は、再び範囲攻撃を受けて全滅し、大きな損害もなく戦闘は終了した。
スキル使用による【MP】の消耗はあるが、ポーション(純正品)を使えば問題なく回復できる程度だろう。
「なるほど……大人数を相手に素晴らしい戦果だ、よく頑張った!
後は私が処理しておくから、先に休んでいたまえ! これは先輩の奢りだ!」
戦闘の騒ぎを聞きつけ合流してきたダリルさんは俺達を労うと、オリエさんに奢りと言い含め俺達3人分の軽食代を預ける。
「しかしダリル先輩、私はまだ騎士としての職務の途中で――」
「なぁに、休息も立派な職務という事だ! 相手に気付かれ戦闘になった事で責任を感じているかもしれないが、まずは自分の頑張りを認めてやりなさい!
ここは私に任せて、少し肩の力を抜いてくるのだ!」
豪快な笑顔と共に、追い立てるように俺達を見送るダリルさん。彼なりの後輩への気遣いといったところだろうか。
ともあれ、戦闘後の回復は基本中の基本だ。俺達はダリルさんの言葉に従い、貸し倉庫群から街での補給に向かったのだった。




