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ファンブル転生 ~未来の悪役、破滅回避を目指してTRPG世界を冒険する~  作者: イズミユキ
第3話/転生1年目、4の月(光の裏月)中旬/虚無の冒険者
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シーン6-3/捜査は足で

「なぜ礼を言われるかは知りませんが……今ならまだ降伏を許します。大人しく聴取に応じるのであれば、これ以上の手荒な真似は控えましょう。どうしますか」


 鋭い声音で悪党グループに問いかけるオリエさん。凛々しい顔立ちも合わさって、中々の迫力だ。

 ここで相手がギブアップしてくれれば、【HP】や【MP】の消耗を抑えられて色々と楽なのだが……。


「ぐ……ま、まだだ! 人数が減った分、そっちも減らせばいい! やるぞ!」

「おう! あんな美人を2人も侍らせるようなクソ野郎には負けられねぇ! 羨ましくなんかないからな!!!」

「え、いや、別に侍らせてるわけじゃないけど……」

「んだとコラァ! モテ男だから余裕の態度ってか!? 許せねぇ……殺す!」


 事実に基づくツッコミも虚しく、戦場に残った悪党DとEは俺に燃え滾る殺意の視線を向けてくる。青の騎士団の捜査だって最初に言わなかったっけ……。

 理不尽な怒りに奮起した悪党達は、怨嗟の声で俺を罵り武器を構える。ギブアップは期待できないようだ。



★後攻陣営のメインプロセス/1ラウンド目


「食らえやこのリア充野郎がぁぁぁッ!」


 一方的な私怨しか感じられない声と共に、悪党Dが棍棒で殴りかかって来る。命中判定の出目が高いのは、俺に対する殺意か……? 据わった目で正面から突っ込んで来る相手は、正直に言うと少々怖い。

 気圧された影響が出目に表れたのか、回避に失敗した俺をディーチェの防御魔法が包み、棍棒の一撃を弾き返す。


「すまんディーチェ、助かる!」

「ふふん、崇め奉りなさい! もう一撃、来てるわよ!」


 視線を戻すと、残る悪党Eが鬼気迫る表情で拳を振り上げるところだった。


「美人に心配までされやがってよぉぉぉ!」

「だから違うって言ってんだろ! いい加減にしろよお前ら!?」


 理不尽な言いがかりを受け、流石に怒りの1つも湧いてくるというものだ。人の話を聞かない悪党には、お仕置きが必要だろう。

 刀を握り直し、クマモノ撃破によるLvアップで取得した新スキルを発動する。

 相手の攻撃に呼吸を合わせ、逆に踏み込み間合いを詰める。彼我の勢いがぶつかる点に武器を置いておけば、後は勝手に相手が突っ込んで来るという寸法だ。

 回避を捨てた反撃でダメージを与えるスキル《鏡の太刀》の効果が適用され、俺と悪党の双方にダメージが適用される――というところで、再び俺を防御魔法の障壁が包む。

 ディーチェが自身のLvアップ時に効果を上昇させた防御魔法《バリアコート》が俺へのダメージを軽減し、その結果。


【HP】計算

 ゼノ:【HP】76/76 → 【HP】76/76

 悪党E:【HP】25/25 → 【HP】12/25


 攻撃を仕掛けた側である悪党のみにダメージが入り、無傷での反撃に成功した俺はバックステップでディーチェの近くまで退く。


「よし、狙い通りの連携だ。合わせてくれてありがとな、ディーチェ」

「お安いご用ってね。さ、戦闘も佳境みたいだし、このまま攻め切るわよ!」



★クリンナッププロセス/1ラウンド目


 ラウンド進行継続。


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