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GALAXIES BEAST  作者: yukke
EPISODE 2
33/105

10 変形合体!!

遂に戦闘が開始され、ミルディアを迎え撃つコノエ達だったが、相手機の威力によって、ほぼ半数近くが撃破され、戦場が火の海と化してしまった。完全に相手に押されるなか、コノエ達に突破口はあるのか。

 ミルディアの新機体によって、戦場は完全に相手のペースだ。ゲリラ兵達が突っ込んでも、あの機体差では手も足も出ていない。


「このっ!」


 僕達は、襲って来るミルディアのハコ機を倒しているけれど、全く状況が良くならない。アルフの方も、オルグとガチ勝負しているし、そっちの決着が着かないと、こっちも動けない。それと、猛虎の方も気になる。

 オルグがいる以上、猛虎もいるはずなんだ。今は見えないけれど、どこかにいるはずだ。


『そこの狐ちゃん~♪ ケモナーでしょ? さっき、ギャルって言っていなかった? もしかして、ギャル語分かるのぉ?』


 そんな時、相手の新型機の、戦車みたいな方が僕の方にやって来て、興奮気味で聞いてきた。

 ギャル語って、その言い方はなんだろうな、太古に使われなくなった、古代の言語のような言い方だな。


 そりゃ5000万年経っているし、ギャルというのが存在しなくなっているなら、その言葉も消えていくか。若い子達の言葉遣いも、今の地球がどうなっているか分からない以上、知りようもないしな。


 ただ、この星でも若い子達はいるだろうし、そっちで独自の流行語とかないのかな?


「あのさ、そっちにも若い子達はいるでしょう? そういう子達が使っているようなやつだよ」


『マジで?! ニャンザァルとかそういうのと同じなの?!』


「ごめん! そっちの方が分かんない!」


 今のはそっちの流行語か?! よく分からないわ。

 とにかく、相手は敵なんだから、こんな風に話している場合じゃない。ロングレンジライフルをこっちに向けているしね。


『もっと教えてよ~!』


「今戦闘中だし、殺し合いの最中だろ!」


『え~? 殺し合い? そうなの? ドキドキ出来ればなぁんでも良いじゃんね~♪』


「はっ?」


 え、なんだこの子。感情が飛んでいるというか、今の発言は普通じゃないぞ。


『それじゃあ、君に勝てば教えてくれる?』


「いや、勝つってのは僕を殺すって事じゃ」


『あ~そだね~それじゃ良いや~殺しちゃえ~!』


「はっ?!」


 そう言った瞬間、相手がその長いライフルの銃口を横に振り抜き、僕の機体の横っ面を殴りにかかってきた。とっさに飛び退いたけれど、何て使い方をするんだろう。


「結局こうなるんだよね。うわっ!! もう、危ないなぁ!」


 上にも新機体の戦闘機みたいな奴がいるし、そいつが先に攻撃を仕掛けてきたよ。対地ミサイルが着弾して、地面を抉るような爆発が起こった。


「チャオ! 協力して、このデカブツ倒すよ!」


『それは良いが、どうやってじゃ!?』


 チャオの方も、一応空中機雷を展開してくれている。ただ、バレバレだから敵が近付かないだけになってるよ。


『くらえ!』


 それでも、相手のハコ機の兵も手練れだから、機雷の隙間を縫って、こちらに攻撃を仕掛けてきた。


「くっ!!」


 それを、レーザーライフルで足と腕を狙い、貫通させて行動不能にさせ、また次の敵を狙う。


『それそれ~♪』


 何てしていたら、相手のデカい戦車のやつに狙われてしまう。それを避けても、空から、更に後ろのデカいやつからも攻撃が飛んでくる。


『八方塞がりも、ここまで来るとじゃなぁ。どうするんじゃ?』


「うぅ、ジュナクトのタイミング次第では突破出来るけど、タイミングがなぁ!」


 そればかりは経験だ。僕にはまだそれがない。だから、誰かに指示されないと。


『それならコノエ。戦車タイプの向こうの奴を狙って、ジュナクトを打て。あいつを狙うのが一番だ』


「えっ? あ~なるほど!」


 オルグと戦いながらも、こっちを見ていたとは。戦闘経験値なら、アルフもオルグと並ぶくらいに凄い。

 そうか。確かに後ろのデカい奴は、腕から熱線撃ってるだけで、動きが遅い。ゲリラ兵やラリ国の兵も気付いていて、あいつを狙っているけれど、だいたい上を飛ぶ戦闘機タイプの奴が補助して、狙ってくる奴を落としているだけだ。


 それなら、これを使って一気に詰めて、あいつだけでも仕留めたら、だいぶ戦局が変わりそうだ。


「よ~し」


『補助してやる。外すなよ』


 ミルディアのハコ機の攻撃を避けながら、向かい撃ちながら、僕はジュナクトを機動させ、狙いを付ける。


『こいつ、何かする気だ!』


『止めろ!!』


「うおっと!!」


 流石に気付くか、ビームライフルで撃ってくる撃ってくる。ただ、それは何とか避けているし、チャオの展開している機雷に当たって、そこで先に爆発して霧散しているんだよ。意外とこの機雷って、そんな使い方も出来たんだ。


『我の旦那に手を出すな!』


『うわぁぁ!』


『あぎゃっ!!』


 それと後は、鉄球と爪の攻撃で敵をぺしゃんこに押し潰していた。怖いな、このモードのチャオは。

 もう旦那とかさ、色々と突っ込みたいのは後にしよう。


「よし、見えた! そこだ!!」


 そんな事をしている内に、何とか敵の隙を突き、ジュナクトを発射させ、戦車みたいなやつの上空を抜き、その後ろのデカいやつ目掛けて飛ばした。


『ん? なるほど。これは珍しい武器だが、流石に当たらないぞ』


 だいぶ勢いを付けたつもりが、相手に躱されてしまって、後ろの建物に刺さってしまった。が、それはそれで問題ない。


『なにっ!?』


『おぉぉ~! なにそれ~!? マジヤバじゃん~!!』


 巻き取って自分の機体を引っ張り、一気に突っ込むだけだ。


『マズい! 近付かれ過ぎた! こっちの補佐も出来ねぇ!』


『こっちも、マジやばたにえん! 攻撃しても、ジェドルに当たる~』


 その通り。このまま相手の腕の片方を落としてしまえば、あとはどうとでもなりそうだよ。だから僕は、腕のブレードを展開し、逆刃にした状態で斬り込むけれど、ここからあり得ない展開になった。


『それなら。来い、ルド!』


『ちっ、しゃぁねぇな!』


 何と、空を飛んでいた戦闘機のような機体の方が、デカい機体の方へと飛んで来て、いきなりその形を変えてきた。

 まるで、骨組みのような形で開いていき、外側を囲うようにしてピッタリと組み合っていく。


 おいおい、まさかだけどこの機体。合体出来るのか!?


『レジェンダーとジェッターの合体により、俺のレジェンダーは空を飛ぶ!』


「げっ!?」


 空を飛んでいた、その戦闘機のような機体の翼を、レジェンダーとかいうデカい機体の方に、合体して引っ付けたのか。それで空陸両用にするなんて。

 空を飛ばれてしまって、僕の機体はそのまま目の前の建物に突っ込んでしまった。


『はいは~い! ついでに私も~! アゲアゲレボリューションでいくよぉ!!』


 えっ、嫌な予感。と思っていたら、戦車のような機体の奴も、骨組みのように開けていき、空を飛ぶレジェンダーとかいうやつの、更に外側を囲うように合体した。

 さっきのジェッターとかいうのが、腰から下に引っ付き、翼をその辺りに展開させ、戦車のやつ、確かレダークとかいうのが、腰から上に引っ付いて、ロングレンジライフルを肩に取り付けた。


 もう、これはあれだ。4人乗りから5人乗りの、合体巨大ロボの流れだ!


『これが俺達の、変形合体戦闘機人、Z・O・X!! ここからは、ただの殺戮ショーとなるぞ! 覚悟しろ!!』


 やっべぇ。あっちの方が主人公っぽい。なんて思っている場合じゃない。


『おい、オルグとやら。あのイカれているぶっ飛んだ機体はなんだ!?』


 この展開に、流石のアルフもちょっと慌てている。


『ふふ。騎士の君を慌てさせる事が出来たのだから、それだけでも収穫だな。あれは、ガンマ社の新機体だ』


『ガンマ社だと! お前、それは大丈夫なのか?』


『言いたい事は分かるが、命令だからな。それに、戦局はもはや決した。ゲリラの大半はあの機体にやられ、ラリ国の機体も手をこまねている。さて、君達はどうするんだ? 義理立てはまだなのかな?』


『くっ』


 う~ん。確かにもう、戦局は決まってしまっているように見える。ただ、この橋を取られる訳にはいかないんだ。それと、まだ戦闘を諦めていない奴がいたよ。

 ジュナクトによる作戦が失敗して、相手の合体中に建物に激突した僕は、その建物の屋根に移ったんだけど、その時に、合体した機体の足元を、黒い影が横切ったんだ。


 あいつだ。

 真っ黒のライオン。獣人、ビーストマンと呼ばれていた、あの男だ。

コノエのジュナクトにより、事態は好転するかと思いきや、大きな相手機はまさかの合体をして、更にとんでもない攻撃を仕掛けてきた。

ラリ国の軍も、イナンアのゲリラ部隊もほぼ壊滅。そんな中、ビースドットの黒いライオンの機体が、相手機に接近していた。


次回 「11 異常なパイロット」

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