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GALAXIES BEAST  作者: yukke
EPISODE 1
13/105

6 ミルディアの猛虎

ゲリラ部隊の暴れる地域から撤退をする為、出撃をした3人だったが、目の前の猛虎は戦う気でいるようで……。

 カッコ悪い着地になってしまったものの、計器頼には異常を示すサインはない。それなら戦える。

 と言っても、そびえ立つような風貌をする、この虎のケモナーは相当強そうだ。


 大きな牙のようなナイフが口に、肩には中口径のバルカン砲。反動で持っていかれるだろうと思ってしまうほどの、大きなカノン砲がその真ん中に備え付けられている。そして、腕には逆手に付いた大きなブレードがある。

 頭部のアイは、2つ目でギラリと睨み付けるようなもの。なるほど、猛虎というには相応しい風貌だよ。


『くっはははは! お前等、狐と猫って事は、あの店にいた2人か? なぁ、そうだろう!』


 そして、向こうからの通信で、僕達にそう叫んでくる。相手は確実に、グランツとの呼ばれた、あの虎のケモナーで間違いない。僕と同じく『DEEP』を持っている。戦闘の性能は、更に飛躍すると見ていい。


 まだ戦闘は始まってないが、どうやら一触即発みたいだ。


『あの艦長は……やっぱり。嫌な予感はしたんだ』


「すいません。更に上からの命令だったから……」


『あぁ、良い。気にするな。後で酒瓶持って、艦長に問い詰める』


 それな酔わせて吐かすの? 殴って吐かすの? どっちだろう……。


『コノエ。あんたは良いから、艦の防衛をーー』


「こいつ。コルクとレイラ教官2人で、止められる?」


 ちょっと意地悪だったかも知れないけれど、周りではゲリラ部隊が殺戮を繰り返している。そっちを止めないことにはどうにもならない。そして、それをこいつが邪魔するなら……。


『ははっ、良いな。お前、良い。安心しろ、ゲリラは俺にも邪魔だ。掃討するつもりだ。ただ、それとは別で、お前等とは戦いてぇ。なぁ、良いだろう?!』


『さっきからずっとそれだな。私達はここから離脱するだけだ。その上で、ゲリラも倒し、市民をーー』


『あ~イイ、イイ。そういうのはいいんだよ。軍のお堅い考えなんざぁ、どうでもいいんだよ!! 戦うのか? 戦わねぇのか? どっちよ!!』


 こいつも相当いかれているな……戦争って、こんな奴を沢山生み出してしまうのか。


『…………くっ』


 そんな相手の言葉に、レイラ教官がどう答えようか悩んでいるとーー


『教官! 上!』


『なにっ!?』


 上から屋根伝いにやって来た、ゲリラのハコ機が飛びかかってきた。


『おぅらぁ!! 軍の奴等発見! 潰すぞ!』


 そう叫びながら、刀の刃を下にして、レイラ教官の機体を突き刺そうとしている。何とかーーと思ったら、コルクの機体が飛ばしていたドローン兵器が、相手機の横にやって来ると、そこから何発かのビーム弾を撃ち出し、相手機を横に吹き飛ばした。


『ふふん! 甘いのよ~というか、この兵器私にはピッタリね~細かい操作とか得意だし~』


 そう言えば、あのドローン兵器って、コルクが動かしているのか? となると、機体と一緒に動かしている事になるから、凄く操作が大変になると思うんだけど……コルクの成績なら、それも難なくこなせてしまうのか。


 その後、レイラ教官が腕に付いているブレードを使って、後ろの建物の陰に隠れていた敵機も、スッパリと切り裂いていた。当然だけど、パイロットごと……。


『うひゃ~! つえ~つえ~! やってみてぇ~!』


 それを虎のやつが、意気揚々としながらゲリラ部隊の数機を、まるで狩りでもするかのようにして撃破している。なんだこの状況は……僕は出る必要なんて……って考えるんじゃなかった。

 相手の息づかいが、さっきよりも荒くなっているような気がする。マズいな。


『あぁ、やってみてぇ、戦ってみてぇ、殺ってみてぇぇええ!!!!』


『なにっ?!』


 同時に、虎のビースト・ユニットの後ろ足の上部から、大口径のブーストユニットが出て来て、そこから爆発したかのようにブーストすると、一気にレイラ教官の機体に迫っていた。


『お前、オルグといい勝負してんだろう? 俺とも試してくれやぁ!!!!』


「間に合え……!!」


 どうやってそれを起動するかは、まだ良く分かっていない。いないんだけれど、とりあえず気分を高揚させれば、勝手にスイッチが入るんじゃないかと思って、早くなる鼓動はあえて押さえず、そのまま高揚するように鼓動を早くしていくと、ディスプレイに表示された。


『DEEP確認。性能向上設定ーーオーバーブースト開始』


「いっくぞぉお!!!!」


『んぁっ?!』


 同じようにして、僕も背中のブーストユニットを出し、そこからブーストさせ、一気に虎のやつの後ろから迫った。


『おぉ~? お前、まさか。俺と同じか?! DEEP持ちか!? まじかぁ!!』


「黙れ!!」


 そのまま腕に付いたダガーナイフで斬り付けて見たけれど、相手の方は大型のブレードだ。太刀打ち出来ない。しかも、こっちの機体の方が揺れたし……。


「くっ……!!」


『おいおいおいおい! 突っかかっておきながら、その程度かぁぁ!! おぃぃい!!!!』


「うわっ! たっ……!」


 相手の方が冷静じゃないのに、なんでこんなにも追い詰められるんだ。肩のバルカン砲を連射し、更には真ん中のカノン砲まで撃ち放ってきた。


「……ぐぐ! 僕は何も、戦闘をしたくてこの力を手に入れたんじゃない!」


『それじゃあなによ? なんでその力持ってんだ?! ぁあ!?』


「それは、まだ知らないよ! 何か理由があるんだろうけれど、本人に聞けてない!」


 大きな爆発の後、煙が舞う中で、ギラリとその目を光らせる相手機を見据えながら、レイラ教官とコルクの機体の状況も確認する。

 2人とも、ゲリラ兵の相手をしながら、戦艦の位置を確認して、僕達からちょっと離れていた。


 レイラ教官は、さっきので悟ったんだ。艦長が僕に出した指示とか、僕の役割も全部。


 つまりここからは、僕は全力でこいつを止めないといけない。


『ゲリラ兵じゃつまらなかったからよぉ~丁度いいや。ゲリラ兵も、だいぶ掃討したからな』


 確かに、街の戦闘の方はだいぶ静まっていて……というか、大半がレイラ教官とコルク、そしてこの虎の奴がやったんだけどな。


『この「ラフ・ティガー」と対等かどうか。見てやるよ』


 そうか。その機体は、ラフ・ティガーというのか。虎っぽい名前で分かりやすい。

 すると、そいつは突然その姿を歪ませ、まるで蜃気楼のようにグニャリとなっていく。


「……しまっ?!」


 危なかった……直感で何か危ないと感じた僕は、すぐさまそこから飛び退いた。次の瞬間、そこに虎の奴が現れ、その場を抉るようにして、腕のブレードで斬り裂いてきた。


『気を付けろよぉ~俺のはな、狩りだ。まさに、虎が獲物を狩る時の、狩りそのものさ』


 狩り……か。俺も狐だから、どちかというとそういうのに近い高揚がある。


 そうか、狩り……か。


『ボサッとするな~!! つぎぃ!』


「後ろ……そこ!」


『んなっ?! っ……あっぶねぇ~!』


 また相手が蜃気楼のように揺らいだから、来ると思った僕は、目を閉じて感覚を研ぎ澄ました。

 そして、機体に当たる風の揺らぎ、靡く音を聞き、後ろに向かって尻尾を振り抜いた。


 相手は咄嗟に身を屈んだから、当てる事は出来なかったけれど、今のは敵にとっては予想外だったんだろう。


『…………はっ! あ~いっけね、遊び過ぎた。てめぇ、その尻尾』


「うん、ちょっと仕掛けがあってね。この尻尾からは、ショットガンのようにして、ビーム弾を発射出来るんだ」


 それも、出撃前のチェックで確認した。

 周りにビームコートを纏わせ、巨大なブレードのようにして使うことも出来れば、いくつもの口径を出現させて、ショットガンにすることも出来た。


「獣型じゃなかったら、とっくに終わってたね」


『ふん。そっちもな』


 うん、まぁ……僕の機体の目の前に、ブレードの刃が突き刺さっていたよ。その腕のやつ、射出出来たのか……というか、これだと僕の負けだ。


『あ~引き分けかねぇ。ブレード射出前には、俺のDEEPは切れてた。だから、外れた。対して、お前も限界なんだろう?』


「……まぁね」


 確かに、相手機はそのまま膝を突いて、目のライトが消えている。つまり、DEEPによるオーバーブーストの制限時間を越えていたんだ。越えていても動かすなんて、なんて奴だよ……。


 そして、こっちも起動時間ギリギリになっていた。急いで戦艦に戻らないと、このままだと残ったゲリラ兵にやられる。と思っていたら、コルクの機体のドローンがやって来て、そこからロープを射出し、僕の機体を回収してきた。


『は~い、貸しひとつね~』


「あ、いや。まだ動けるから、自分で戻る!」


『だ~め』


 コルクに貸しなんて、ろくなことにならないよ!

 そう思っていたら、ちょうどこっちも起動の限界を迎えて、機体が動かなくなってしまった。


 正直今回のは、相手が本気じゃなかった。いや、多少は本気だったんだろうけれど、なんというか……ちょっと実践演習に近いような、そんな感じの戦いだった。


「遊ばれてたな……」


 このDEEPによるオーバーブーストの制限時間も、使いようによっては危険な事になるし、あんまり状況を打開出来るものじゃない。改良は、出来ないのかな……。

何とか猛虎を退け、撤退することが出来たものの、まだまだ戦闘は続きそうな予感がする。

その為、コノエ達は軽く休息を取ることにしたが……。


次回「7 シャワー中には定番である」

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― 新着の感想 ―
[良い点] きゃらのこせいがでててすごくいい! [気になる点] たたかうしーんがきもちてきにはすくなかったのかなぁって DEEPはつどうしてからのもじすうてきにすごくみじかいじかんなのかなぁっておも…
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