ロック画面
あの人は、絵を描くのが得意だった。
あの人が私のために描いてくれた最初の絵は、私のスマホのホーム画面の壁紙になった。
男の子と女の子が寄り添っている絵だった。
男の子のシャープな顎のラインや切れ長の目は
あの人に似ていた。
女の子の髪型や少し重めの奥二重の目は
私に似ていた。
スマホを開くたびに嬉しくなった。
いつか、この絵が2人の写真に変わるんだと思っていた。
いま、あの人は誰を想って絵を描いているのだろうか。
あの絵が、誰かのために描く最後の絵ならいいのに。
私は今も、もう二度と来ることのないあの人からのメッセージを待ち続けて
男の子と女の子が寄り添うロック画面を見つめている。
具体的になにがとは言いませんが、なにかを間違えているわけではありません。
張った伏線は回収しているつもりですが、分かりづらい場合やご納得がいかない場合は、ぜひご指摘ください。