第1話三つ子との謎な運命的出会い
私の名前は、霧雨彼方、
どこにでもいる、入学して3ヶ月の普通の高校生だ。
そんな私が通う高校、青嵐高校には、少し変わった噂があった。
青嵐高校には、変人以上の変人と呼ばれる三つ子達がいるらしい.....が、
私は、まだその三つ子達に会ったことがない、
わかっているのは、二年生の先輩ということと、どのクラスにいるのかということだけ、
昼休みに何度かそのクラスには行ったことはあるのだが、毎回もうどこかに行ってしまったと言われ、
会うことができなかった。
そして今日も.......はぁ、
本当に噂の三つ子達はいるのだろうか?
もしかしたら、誰かが流した嘘かもしれない、
何度も行って会えなかった私は、次第にそう思うようになってしまった。
そして今日は、私の唯一の友達も部活動で昼休みは忙しいらしく、
私は、一人で屋上に来て昼御飯を食べていた。
「諸刃ちゃんめ、私に友達がいないことをわかっていながら置いていくとは.....許せん」
というか諸刃ちゃん、部活動の用事って何だったんだろう?
そんなことを考えていると、ばんっ!と屋上の扉が勢いよく開き、慌てたようす男女三人が飛び込んできた。
「げっ!、人がいる!まずいよ?!どうするの?!はーちゃん!」
「落ち着け、さっちゃん!とりあえず、ここはこの人に協力してもらうしかないって!」
「....というわけで、君、少しだけボク達を匿ってくれないかな?」
えっ?えっ?えっ?誰です、この人達は?!というかボクっ娘?!匿ってくれってどゆこと?!
「えっ?!どういうことです?!というか誰なんです?!あなた達は?!」
いきなり匿ってくれなんて言われても、
「....それもそうだね、ボクは───」
ばぁん!
「見つけたぞ三人とも!」
「げっ!もうばれた!」
自己紹介しようとした少女の声は、突然入ってきた、幼女に阻まれた。
「どこに逃げたかと思えば、ふっ、まさか屋上とはな、だが、もう逃げられんぞ、刹那!」
「確保っす♪」
逃げ出そうとしていた三人は、幼女の後ろから飛び込んできた少女によって、押さえつけられた。
「ぐうっ!せっちゃん!はーなーせー!」
「....ぐうっ、刹那、ちょっと痛い」
「おいこら刹那!師匠の俺を押さえつけるとは何事か!
あと美月ちゃんが痛がってるから少しだけ力を緩めて!」
「師匠!師匠という立場をこんな時だけ使わないでほしいっす!
あと、いつも天音の打撃をくらってる美月先輩がこんなんで痛いわけないでしょう?!
騙されないでくださいっす!
それと佐月先輩離したら逃げるってわかってって離すわけないでしょう?!
バカっすか!バカなんすか?!」
「バカって言うなー!」
えっ?えっ?えっ?何?どゆこと?!
私が混乱していると、取り押さえた少女に続いて次々と何人もの少女達が入ってきた、その中で最後に入ってきた人物に私は、見覚えがあった。
「....諸刃ちゃん?」
「えっ?なんで彼方がいるんだ?」
そこには、私を置いて部活動の用事に行った、友人の姿があった。
「ん?誰だ、そこの少女は、諸刃の知り合いか?」
「ん?あっ、はい、こいつは、あたしの友達で」
「んっ?あっ、はいっ!霧雨彼方、一年です!」
私が名前を言うと、入ってきた何人かが驚いているようだった。
えっ?私何かした?
「....とりあえず、ここではなんだし、説明もかねて、君もいっしょに来てくれないか?」
「えっ?でも授業が」
「何、気にしなくてもいい、先生には私から伝えておこう」
「え~~.....」
こうして私は、わけもわからないまま授業をサボることになってしまった。
「....さて、君には屋上で自己紹介してもらったことだし、我々の自己紹介をしようと思う」
半端強制的に連れてこられた私は、現在、入学してから一度も見たことがない部屋のソファーに座っていた。
部屋の中には、最初に屋上に入ってきた三人と、
三人を捕獲し、現在も部屋の隅で縛ってる、マフラーを巻いた、茶髪のポニーテールの少女、
そして、三人の後に入ってきて現在私の目の前にテーブルを挟んで座る幼女、
それと縛られた三人の、というより、この中で唯一の男子である黒髪の少年の膝の上で寝息をたてて眠る、長い白髪の少女、
それと、目の前の幼女の右隣に座る少し疲れた様子の長い黒髪の少女、
それと、目の前の幼女の左隣に座る少し困ったようにしかし少し楽しそうな笑みを浮かべる、藍色の髪の少女、
そして私の右隣に座る諸刃ちゃん、
本当は、もう三人いたのだが、一人が突然逃げ出しそれを追いかけて二人いなくなってしまったのだ。
さて、説明は、終わりにして、目の前の幼女の話を聞くことにしよう。
「....まずは私から、私は、この部の部長で三年の能上渚だ」
「えっ?部長?」
「そうだよね~、初対面の人はやっぱ驚くよね~......なーちゃん、悪かったから、謝るから、ねっ?
そのハリセンしまって、ねっ?」
能上先輩は、どこにしまっていたのかハリセンを出して、それを縛られている一人に向けた。
「....今回は、この子がいるからな、だが、次はないぞ」
「はっ、はい....」
能上先輩怖いなぁ、私も気をつけよ、
「そうした方がいい、ですよ?」
「へっ?」
えっ?私今しゃべってないよ?!なんでわかったのこの人?!
「ああ、ごめんなさい、私は、白銀瑠璃、二年生、で、この部の部員の一人、です、うぅ、ごめんなさい、
私、人の目を見たらその人の考えていることがわかっちゃうん、です、だから、見ないで、くださぃ」
へーなるほど、だからわかったんだぁ、すごいなぁ、人の心を読めるなんて、
「えっ?あなたも」
「ん?どういうことです?」
「あっ、あー、気にしないで、ほっ、ほら、次、小夜ちゃん、お願い!」
「へっ?はっ、はい、私は、春川小夜、二年生で、この部の部員です、よろしく」
「はい、よろしくお願いします」
この人苦労してそうだなって思ったのは、黙っとこう、
「諸刃知ってるみたいあとは、そこの隅の五人と出掛けてるあいつらだな、
じゃあ先に五人ともちゃっちゃとすませろー、
じゃあ、刹那からー」
そう言って現在三人を縛っている少女を指さした。
「はいっす、私は、神風刹那、あんたと同じ一年でこの部の部員っす、よろしくっす、で、
今そこで寝てるのは、二年の雪町白亜先輩っす」
あそこで寝てるの先輩だったんだ。
後は、
「....やっとボク達の番、ボクは、福原美月」
「私は、福原佐月、さっちゃん先輩って呼んでくれたまえ」
「福原葉月だ、よろしくな♪、後輩ちゃん♪」
あれ、三人とも名字がいっしょだ、偶然?いやもしかしたら、
「そう!」
「うわっ!ビックリしたぁ!」
白銀先輩、突然立ち上げるからビックリしちゃったよ、もう!
「ごめんなさい、でもこの人達こそ、あなたが探していた、この学園の噂の、変人以上の変人と呼ばれる三つ子達なのよ!」
「.....えっ?えぇえぇぇーーーー!!」
この日私は、高校に入ってずっと探していた三つ子と謎な運命の出会いを果たした。
主人公は三つ子です。
ブックマーク、感想、評価、お願いします!