シェリーvs謙4
出だしは1セット目と同じで、ガードと攻撃で中距離技を対応していく。佐山さんは中距離技を撃ちながら少しずつ間合いを取っていく。
近づかなければ[謙]はあまり、出来ることはないので意地でも間合いを詰めなければならない。
それでも、簡単には間合いを詰めさせてはくれない。佐山さんの立ち回りはかなり堅くて詰めれたと思っても、すぐに間合いを取られてしまう。
なので2セット目は中距離技を食らうのを覚悟して、どんどん間合いを詰めていくことにした。
中距離技を食らうのを覚悟してもそれなりに対応しなければ一方的にやられてしまう。一気に詰めても、また間合いを取れば状況は変わらない。
今の状況は近距離と中距離の間辺りまで詰めることができていた。ここからはガードを少なめにして、攻撃で中距離技を打ち消しながら徐々に近づいていく。
すると中距離技の弾速が遅く感じることに気づいた。大会前から何度も対戦をしているのでそのおかげで、対応が上手くなったんだと思う。
少しずつ間合いは近づいていき、佐山さんが間合いを取ろうとした時に、追いかけるように一気に間合いを詰めた。
至近距離になり、佐山さんはガードで対応してくると思っていた。しかし、佐山さんは投げ技を繰り出してくる。
投げ技と攻撃が同じようなタイミングにぶつかり合ったが、少し先に攻撃がヒットした。
攻撃がヒットしたのを確認して、コンボを繋げていく。HPを半分まで削り、[謙]のspゲージが最大までたまった。
まだ[謙]のHPは必殺技を使用しても残るHPの量だったので、必殺技を使用して一気に仕留めにかかる。
必殺技の間は攻撃力が3倍になっているので、コンボをしなくても結構なダメージが入る。だが、近くのが大変だ。
コンボを食らった後の佐山さんはすぐに間合いを取り、体制を立て直そうとしていた。
僕はその隙を逃さず、追撃を仕掛ける。後ろに下がろうとするところに一気に間合いを詰めて、投げ技を繰り出す。
投げ技が決まり、ダウンした相手にコンボを決めて1ラウンド目を取り、自分が思うようなプレイができた。
1セット目とは違ってやりにくさも感じなかったし、HPの調整も上手くいった。
1ラウンド目が終わり、すぐに2ラウンドが始まった。
2ラウンド目も最初からガンガン詰めていく。佐山さんは以前に「間合いを取って様子を見てくる相手の方がやりやすい」と言っていたので、ガンガン詰めてくる相手は苦手な様子だった。
しかし佐山さんは早速、対応をしてきた。移動速度が速いのを利用して、後ろではなくて[謙]を中心にグルグルと周りながら中距離技を撃ってきた。
せっかく間合いを詰めてもすぐに間合いを取られてしまうので、ガンガン詰めてくる相手にはかなり有効手段だ。
だが弱点も1つはある。
周るのであれば、先周りして待っていればいい。すぐには方向転換はできないので、相手が突っ込んでくる状況になる。
僕は先周りをして佐山さんが突っ込んでくるのをガードをして待つ。佐山さんは思った通りに突っ込んできた。
突っ込んでくるのにタイミングを合わせてコンボの最初の技をヒットさせた。
綺麗にコンボは決まり、ダメージを与えた。
だが、中距離技をそれなりに食らっていることもあり、まだHPは五分の状況だった。
そして、コンボ後は相手を逃さずに密着する様に間合いを詰める。佐山さんは至近距離を嫌がって間合いを取ろうとさるが、逃さなかった。
佐山さんは間合いを取るのを諦めて近距離で勝負をしてきた。近距離戦なら[謙]の方が有利なのでいい展開を作れた。
チラッと残り時間を見ると既に30秒を切っていた。お互いにHPはそれなりに減っているのでタイムアップはないだろう。
佐山さんはひたすらガードを固めて[謙]の攻撃の後隙を狩ろうとしていた。
僕は後隙を狩られない様に、後隙の少ない技を多めに繰り出していた。佐山さんがガードを辞めそうになかったので、ガードに対して投げ技を繰り出した。
しかし間合いを取られてしまい、投げ技を避けられる。投げ技の後隙にコンボを決められた。
だが[シェリー]は中距離なら火力は高いが近距離なら火力はかなり低いのでHPはギリギリ残った。
そして残り時間は15秒になり、また間合いを取られてしまう。中距離技を撃ってタイムアップを狙っている様子だった。
僕は賭けに出ることにした。今までは中距離技を攻撃で打ち消すか、ガードで対応していたが、避けながら詰めた方がかなり早く間合いを詰められる。
だがこれはかなり難しい。弾速の速さには慣れたが、それでも避けようと思ったことはなかったからだ。
上手くいくか、分からないがやるしかない。
ジャンプで避けたり、横移動で避けてを繰り返す。中距離ならまだ余裕があるけど、近距離と中距離の間はもっと速い。
そして近距離と中距離の間辺りまで間合いを詰める。その後もかなり危なかったがなんとか近距離まで詰めることができた。
この時点で残り時間は8秒になっていた。
佐山さんは間合いを詰められるとは思っていなくて、慌てている様子だった。
ここで癖が出てしまい、ガードを固めて対応しようとしてしまった。
僕はガードを固めるのを確認してから投げ技を繰り出し、コンボを決めてHPを削り切った。
残り時間が3秒でギリギリだったが2ラウンド目も取り、2セット目を取ることができた。