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シェリーvs謙

 トーナメント戦は順調に進行して、残り30人まで減っていた。一度でも負けると終わりの大会で、勝ち上がったプレイヤーは殆どがプロや他の大会で実績を残したプレイヤーばかりだった。


 3000人の大会なので知り合いの人と対戦することはなかったけど、トーナメント第3戦目にしてゲーム部会長の佐山さんとの対戦になった。


 最終的に勝ち上がればいずれは対戦するとは思っていた。知り合いだから手を抜いたりしないし油断もしない。


 対戦する席に向かうと佐山さんは既に席に座り、僕を待っていた。お互い顔を合わせると笑顔で挨拶をする。


「ようやくここまで来たね」

「はい! よろしくお願いします!」

「うん……悔いのないように全力で闘いましょう」


 握手をしてファイター選択が始まった。佐山さんと対戦するのは初めてではなく、大会の1ヶ月前にゲーム部の部室で対戦したことがある。


 勝敗は2勝3敗で負け越していた。[謙]と佐山さんの使用する[シェリー]は相性が悪く、なかなか近距離戦に持ち込むのが難しい。移動速度も速い方ではないのと中距離戦なら圧倒的に不利だ。


 佐山さんはいつも通りに[シェリー]を選択し、僕は謙を選択する。[謙]が相性が悪いので他のファイターと迷ったけど1番自信のある[謙]にした。


 ファイター選択が終えて1ラウンド目が始まった。


 僕は中距離技は撃たずにガードを固めて少しずつ間合いを詰める。佐山さんは中距離技がギリギリ当たる間合いまで距離を取った。


 [シェリー]は中距離特化のファイターで中距離技の弾速がかなり早くて避けるは難しい。ガードは前回に対戦した時に弾速に慣れたが、ようやく近づいたと思ってもすぐに間合いを取り、近距離戦に持ち込めない。


 苦しい状況が続いていたが、[シェリー]は一定回数の中距離技を撃つとリロードをするアクションがありリロード中は動けないので、ガードを固めてリロードするのを待った。


 ただ待つだけではなくてステップやジャンプを利用して少しずつ間合いを詰めていく。佐山さんは間合いを詰められる度に間合いを取り、中距離技で攻撃していった。


 そろそろリロードアクションになるのを読み、ガードを辞めて一気に間合いを詰める。何発か攻撃を受けてしまったけどようやく近距離戦に持ち込むことができた。


 読み通り、リロードアクションになりジャンプ攻撃をヒットさせた。コンボ繋げてHPの半分程減らした。


 その後も逃さず、近距離を維持する。

 [シェリー]は近距離戦はかなり苦手なのでガードはせずに後隙の少ない攻撃を繰り出していく。


 しかし佐山さんは他の大会でBest16になったプレイヤーだ。今までも同じ状況になったことがあるだろうしこのまま終わるはずがない。


 佐山さんは[シェリー]の移動速度を利用して一気に間合いを詰めてきた。中距離特化のファイターなので、相手から近距離戦をしてくるとは思ってなかった。


 急いでガードを固めようとしたが読まれていた。佐山さんは投げ技を繰り出して火力の高いコンボを決めた。


 [シェリー]は中距離特化のファイターだが、投げ技からのコンボはかなり火力が高いので警戒はしていたが上手く決められてしまった。


 コンボを決めた後はもう一度、間合いを取り中距離技を撃つ。[謙]のspゲージは最大までたまっているがHPが残り少ないので使用できず、状況はかなり悪かった。


 もう一度、リロードアクションまでガードして待ちたいけどタイムアップしてしまう。考えた結果、いい作戦も出て来なかったので2ラウンド目の為に佐山さんの癖を探すことにした。


 ガードを固めつつ間合いを詰めてひたすら様子を見る。どれだけ強いプレイヤーでも癖は必ずある。


 結局、タイムアップしてしまったが1つの癖らしきものを見つけた。作戦も浮かびあがってきた。佐山さんのHPの方が多かった為、佐山さんが1ラウンド目を取った。


 そして2ラウンド目が始まった。

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