とうとう始まる
茜との闘いが終わった。
「謙君はやっぱり今でも強いね」
「茜もかなり強いよ」
本当に強くて驚いている。格闘ゲームの基礎が分かっていたし立ち回りもよかった。僕と同じファイターなのに違うタイプのプレイヤーでいい経験になった。
その後も僕と渚沙と茜の3人で交互に対戦をした。渚沙にも勝ったり負けたりを繰り返し、前回よりも上手くなっていると実感した。
時間が経ち、渚沙の家で晩ご飯を誘われご馳走になる。明日もまたゲームをする約束をして家に帰った。
家に帰っても[聖拳]をひたすらプレイする。
渚沙と対戦した時、近距離戦になった時に一旦間合いを取る癖を渚沙に読まれて攻撃をよく受けていたので、近距離を重点的に練習する。
そんなこんなで日にちが過ぎ、二ヶ月が経ち大会まで残すところ後3日になっていた。
学校も夏休みに入り僕はひたすら[聖拳]を練習していた。
夏休みの課題は渚沙と一緒にして一週間で終わらせる。
その後は渚沙や山田生徒会長と佐山会長と対戦した。ゲーム部の人達とも対戦させてもらった。
出来ることも全てやり、後は大会の日まで待つのみだ。
大会は大阪で開催される為、前日の夜に東京を出発する。
新幹線で行く予定だったが、ゲーム部のOBの人が[Legend Beginning]のスタッフだったらしく車で乗せてもらえる事になった。
僕と渚沙と山田生徒会長と佐山会長の4人が出場する。
[Legend Beginning]は参加者が毎年3000人程出るみたいで有名プレイヤー達も参加する。
プロゲーマーになった人はこの大会で好成績を残している人が殆どらしい。
僕は自分がどこまで通用するのか試してみたかった。
東京から大阪まで車で、7時間程かかるので車の中で寝ることにした。
大阪に着いたのは朝の7時頃だった。
会場に着いて受付をしようとしたが凄い数の人がいた。
早めに会場に着いてたので30分程で受付を済ます事ができた。僕は10年前と同じプレイヤーネームで出場する。
大会開始は9時からなので軽く食事を食べ、会場に入るとかなり広く、中にはかなりの人が居てゲーム用モニターも200台以上あった。
[Legend Beginning]はA〜Lブロックまであり、各ブロック戦から10人が勝ち上がれる。
ブロック戦が負けた人はその時点で終わりだ。
その後120名でトーナメント形式で闘うことになる。
ブロック分けは僕達はバラバラのブロックになり、Aブロックの僕は、早速対戦する事になった。