鏡戦
キャラ選択が始まった。僕はいつも通り、(謙)を選択する。
茜は僕と同じで、(謙)を選択した。
僕がまた[聖拳]を始めてから始めての同ファイター同士の闘いだ。
渚沙が言うには10年前の[Numbers fight]を茜と観ていて、憧れて使い出したみたいだった。
ファイター選択を終えて1ラウンド目が始まる。
最初は中距離技で牽制し合う形になり次第に少しずつ間合いを詰めて近距離戦になる。
やはり同じファイターを使用しているのでお互いにガードを固め、相手のミスを待ちつつ、後隙の少ない技を出し合った。
僕は相手のガードに対し、投げ技を通す。
投げ技が決まり、ダウンした相手にコンボを決めてダメージを稼いだ。
練習で、相手のダウンに対してのコンボを練習していたので、上手く決めれた。
茜は投げ技を警戒してガードを減らして攻撃の手数を増やしてくる。
僕は攻撃をガードしてspゲージをためる。
その後、お互いHPが減り茜にコンボを決められたが、茜にミスが出て最後は投げ技でHPを削りきり、1ラウンド目を取った。
2ラウンド目が始まる。
1ラウンド目と同様に中距離技で牽制しつつ間合いを徐々に詰めていく。
近距離になりお互いにガードを固めて相手のミスを待つ。
お互いに攻撃とガードを繰り返しているとspゲージが溜まり、僕は即座にに必殺技を使った。
[謙]の必殺技は一定時間、攻撃力をかなり上昇しコンボのダメージを1.5倍になる代りに最大HPの半分が減るといった効果だ。
必殺技を使った後はコンボを決めると凄まじいダメージを出せるので積極的にコンボを狙いたい。
だがここで、茜の[謙]もspゲージがたまり茜も即座に必殺技を使ってきた。
お互いに残りHPが半分を切っているのでここでコンボを決めた方の勝ちだ。
互いに慎重になり攻撃の手数が減っていく……。
必殺技を先に使ったのは僕なので、僕の方が先に必殺技の時間が終わる。
焦らずに落ち着いて相手のミスを待っていた。
すると茜の[謙]の必殺技時間が減って茜は焦り、投げ技からのコンボを狙ってきた。
僕は間合いを取り、投げ技を避けて反撃に出る。
投げ技は避けられてしまうと後隙が大きい。
チャンスを逃さず一気に間合いを詰めて練習していたコンボの中でも一番練習していたコンボを決めた。
茜の[謙]のHPは0になり、僕が2ラウンド目も取り勝った。
もし、必殺技を使った後に茜が焦らずに投げ技を使ってなかったらどうなっていたかわからない。
こうして無事に勝つ事ができたのだった。