04 隣の部屋の隣人がヤバい
俺の家の隣に住んでいる隣人がヤバい。
どうヤバいかというと、目があう。
それだけ聞くと普通の様に聞こえるが、そうじゃない。そうじゃないんだ。
部屋の中で、目があうはずがない所で目があるからヤバいのだ。
部屋で一人でいる時、遊んでいる時、ご飯を食べてる時、ベッドに寝転んでいるとき、ただぼーっとしている時。
隣人さんはいつでも俺と目があうんだ。
何言ってるか分からないだと?
馬鹿、そのまんまの意味だよ。
俺の部屋にいるのに、俺の部屋の住人じゃない人間と目が合うんだぞ。
これ以上ヤバい事って他にないだろう。
それ以外の事なんて俺は全く知らないね。
あるかもしれないけど、俺は経験してない。
とにかくヤバい、ヤバい、ヤバい。
あ、また目が合った。
畜生、なんなんだよ、こいつ。
あんまりにも怪しいから、俺だって見たくもないのに、お前を見張ってなくちゃいけないだろ。
さっさと俺の前からどっかいってくれよ。
何で俺の部屋に来てまで、俺を見つめ続けてくる。
何だよ、そんなじろじろ見るんじゃねぇよ。俺がお前みたいな奴に噛みつくわけないだろ。
「ワンッワンッ! グルルルル」
「しっ、静かに。ちょっとそこの棚さわるだけ、見るだけ、中の物が欲しいだけなんだから。ご主人様が留守の間良い子で待ってなくちゃ駄目でしょ」
インクの匂いがする小さな筒状の物と、数字がいっぱい書かれた紙をもった隣人が、こそこそしながら俺にそう言った。