第8話 部屋を綺麗に
場所:とてもとても汚い部屋
ひなた「さて、これから掃除をはじめたいと思います!」
ミルラ「おー、ひなちゃん気合入ってるねえ」
ミルラ「そんなに汚れてるとは思えないけど、ひなちゃんがやりたいのなら」
ミルラ「お姉ちゃんも頑張っちゃおうかな」
ひなた「僕は掃除しませんよ?」
ひなた「掃除をするのはミルラだよ」
ミルラ「…ミルラお姉ちゃん」
ひなた「…」
ひなた「…ミルラお姉ちゃん」
ミルラ「はい、よく出来ました♪」
ミルラ「それじゃあ、一緒に掃除を始めましょう」
ひなた「だから僕は掃除をしません」
ひなた「そもそも掃除の仕方とか分からないし」
ひなた「だいたい散らかしたのはミルラお姉ちゃんでしょう?」
ひなた「散らかした人が綺麗にするのが道理だと思う!」
ミルラ「うんうん、分かる、分かるよ」
ミルラ「でもね、ここは今日からひなちゃんのお家なんだよ」
ミルラ「ひなちゃんは綺麗なお家が好きなんだよね?」
ミルラ「それじゃあ、一緒に掃除をしようね」
ひなた「?」
ひなた「分かった、僕も掃除をするよ」
ミルラ「優しいひなちゃん、大好きだよ」
ひなたはミルラの理屈が良く分からなかったが
汚い部屋は我慢出来なかったので、とりあえず掃除を手伝う事にしたのだった
汚さ:100 散らかり度:100 清潔さ:5
・積みあがった書物、散乱したマジックアイテム、放り出された薬草
・食べかけの食事、散らばっている木の実、零れている散剤や液剤
・汚れている服、無造作にある下着、異臭を放つ布
ひなた「まずはね、要るものと要らないものに分かるのがいいんだよ」
ひなた「なにか箱ない? 仕分け出来る大きな箱がいいなあ」
ミルラ「ふっふっふー、よくぞ聞いてくれました!」
ミルラ「収納ボックスならあるよ」
ミルラはひなたの問いに対して胸を張って自信満々に答えて
手のひらサイズのポーチ状の箱を差し出した
ひなた「えーと、もっと大きな箱が良いんだけど…」
ミルラ「甘い、甘いよ、ひなちゃん!」
ミルラ「収納ボックスの見かけに騙されちゃいけないんだ!」
ミルラ「これにはね、うーんと沢山の物が入るんだよ!」
ひなた「え? こんなに小さいのに!?」
ミルラ「驚いてるひなちゃんも可愛いなあ」
ミルラ「そうだよ、この部屋3つ分くらいの量なら簡単に入るよ!」
ミルラ「お姉ちゃん自慢の収納ボックスです」
ひなた「そんなに沢山入れたら重くならない? 大丈夫なの?」
ひなた「と言うかどんな原理なの!?」
ミルラ「どんなに沢山入れても重さは羽くらいの重さなんだよ」
ミルラ「魔法の力です、すごいよね」
ひなた「魔法の力ってすごい!」
ひなた「科学よりも魔法だよね!」
ミルラ「あらあら、興奮してるひなちゃんも可愛い」
ミルラ「科学は科学で大事なんだけどね、魔法は何でも出来ちゃうんだよ」
ひなた「なんでも出来ちゃう…何それ怖い」
ひなた「ん? 何でも出来るなら掃除も出来たりするの?」
ミルラ「とーぜんだよー」
ミルラ「掃除する魔法も売ってるよ、私は持ってないけどねー」
ひなた「魔法って売ってるの!?」
ひなた「と言うかなんでも持ってないの!?」
ミルラ「あはは、ひなちゃんってば表情ころころ変わりすぎー」
ミルラ「ああもう、いちいち可愛いなあ」
ミルラ「えっとねー、魔法は魔法屋さんで購入出来るんだよ」
ミルラ「掃除なんかしなくても良いから私は買ってないけどね」
ひなた「いや、そこは買おうよ! 買うべきだよ!」
ミルラ「しょうがないなあ」
ミルラ「ひなちゃんの為に買ってあげますか!」
ミルラ「お姉ちゃんからの最初のプレゼントだよ」
こうして、ひなたとミルラは魔法屋へと向かった