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第2話 ミルラとの出会い

場所:異世界、村の端

性別:男 職業:神 Lv:1

HP:30 MP:0 ちから:3 まりょく:0 ぼうぎょ:4 まぼう:0 かしこさ:4 はやさ:3


男「ううっ…ここはどこだ?」

男「何か大切な話をしてた気がするんだけど…」


少女「ちょっとアンタ、一体そんな所で何してるんだい?」


男がうずくまっていると、少女に話しかけられた。


男「え? いや、その…」


少女「はぁ? 聞こえないよ、もっとデカい声でしゃべりなさい!」


男「ええっと、ど、どちら様ですか?」


少女「おいおい、アンタがその台詞を言うのかい」

少女「むしろ聞きたいのはこっちなんだけどなあ…」

少女「まあいいや、しゃーない、教えてあげるよ」


少女は男の反応に呆れながらも姿勢を正して男に応える。


少女「私はね、この村の警備隊、ミルラって言うんだ」

少女「怪しい奴もといアンタみたいな奴をしょっぴくのが仕事だ」


自信満々に答えるミルラだったが、ぶかぶかの服を着ており、

強そうなムキムキの体格でもなく、ひ弱そうな少女だった。


男「この村の程度が知れるって事か…」


男はやれやれと言った目でミルラを見つめた。


ミルラ「おいおい、黙ってないで自己紹介をして貰おうか」

ミルラ「でないとアンタ、牢屋行きだよ?」


男「牢屋行きはごめんだな」

男「僕の名前は…あれ? 僕の名前はなんだ?」


ミルラ「はあ? 何言ってるんだ、アンタには名前がないのかい?」


男「いや、あった気がするんだが思い出せなくて…」


ミルラ「そんな訳あるもんか、さては隠しているな! 怪しい奴め」

ミルラ「で、この村に来た目的は? なんでこんな所に居るんだ?」


男「…分からない」


ミルラ「おいおい、何も分からないのか?」

ミルラ「なら仕方ないな 分かった時にでも教えてくれよな!」

ミルラ「…と言うとでも思ったのか?」


ミルラは怒りに身を震わせながら男を睨みつけた。


男「本当に何も分からないんだ」


ミルラ「ちっ、ああそうかい」

ミルラ「答えたくないって言うのなら、まあいいさ」

ミルラ「無理やりにでも答えて貰うからね!」


言い終わらない内にミルラは男に向けて手刀を放った。

…が、外れた。


男「な、なんだ、いきなり何をするんだ!?」


ミルラ「へぇ…おっさん、意外にやるじゃん」

ミルラ「ちょっとだけ見直しちゃったよ」


男「ま、待ってくれ! 話し合おう! 先ずは話し合おう!!」


ミルラ「問答無用! これでもくらえ!」


ミルラは渾身の一撃で男に手刀を放つ…が、やはりそれは空を切る。


男「頼む、やめてくれ! 訳も分からず死にたくないんだ!」


ミルラ「大人しく知ってる事を話すなら殺しはしないさ」

ミルラ(何故あたらない…こいつまさか実は相当な手練れなのか?)


ミルラは清ましているが内心焦っていた。

自信満々に力一杯放った手刀が、二度も躱されてしまった。

男は実は相当な手練れでカウンターを狙っているのかもしれない。


男「分かった、話す、知ってる事をすべて話すから!」


ミルラ「それならいいだろう…さあ、知ってる事を全て話しなさい」


ミルラは男の些細な動作も見逃すまいとしっかりと睨みつけながら言った。


男は事情を説明した。


ミルラ「ふーん、つまりアンタは浮浪者って事だね」


男「ええっ、それはあんまりなんじゃ…」


ミルラ「事実だから仕方ない、そうかアンタは浮浪者か」

ミルラ「よし、なら冒険者ギルドに行くか」


男「冒険者ギルド?」


ミルラ「冒険者ギルドって言うのは浮浪者を集めて仕事を斡旋する所だよ」

ミルラ「そんな事も知らないなんて相当学がないね」


男「僕はこれでも学校では優等生だったんだけど…」

男「高校いや中学くらいまでは…」


ミルラ「何ぶつぶつ言ってるんだよ、いいから行くよ」


男「しかし僕の為にそこまでしてくれるなんて」

男「さては僕に惚れたかな?」


ミルラ「ああん、そんな訳ないだろ、仕事だよ仕事」


男「えっ、仕事?」


ミルラ「浮浪者はほっておけば、窃盗や強姦、犯罪に手を染めるからね」

ミルラ「適当な仕事を与えて犯罪を犯すのを阻止するのよ」


男「へ、へぇ~」


ミルラ「まあ、でもそうだねえ」

ミルラ「おっさんが私くらい強くなれたらそう言う対象で見てあげるよ」


男「ええっ!? それは本当?」さささっ


ミルラ「うわっ! いきなり寄ってこないでよ」


擦り寄ってきた男にミルラが咄嗟に手刀を払う。

ぎょえ!

男は蛙を潰した様な叫び声をあげて吹っ飛んだ。


ミルラ(あ、当たった…今のは一体)

ミルラ(こいつは強いのか弱いのかよく分からない)

ミルラ(でも油断出来ない奴だ! 見張らなくちゃいけないわ!)

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