天界へ行く第5話
ガブリエルと言えば、旧約聖書『ダニエル書』にその名があらわれる天使。ユダヤ教からキリスト教、イスラム教へと引き継がれ、キリスト教ではミカエル、ラファエルと共に三大天使の一人であると考えられている。 以上ウィ〇ペディ〇より引用。
ガブリエルが言う。
「さて、おっさん。俺と一緒に来い。ついでにラメエルと………えー、その、手下?」
「バイトの因幡です」
「そうか、じゃあ手下。お前も一緒に天界いくぞ」
「因幡です」
何だこの人、名前を覚えるほどの知能もないのだろうか。パワーバカタイプか。
「あれ〜、私も行けるんですか〜?」
「あぁ。神様に許可は得てる」
許可?どういうことだろう。俺は少し気になって聞いてみた。
「こいつは堕天使だろ?本来堕天使は許可がないと天界に行けねぇんだ」
なるほど。そのへんは俺が想像してた堕天使像と同じだ。
「じゃあおっさん。少し寝てろ」
ガブリエルはおっさんの首に手刀を入れ、気絶させた。手刀で気絶させる人ってほんとにいるんだな。
「あ、あの……私はどうすれば……」
後ろから捕まっていた女の子の困ったような声が聞こえた。
やっべ。すっかり忘れてた。
「えっと……とりあえず君の名前を……」
「あ、はい!私は双葉留美です!」
なるほど。この子は双葉さんって言うのか。同じ学校でも名前の知らない人っているよね。
「じゃあ〜、双葉さんもついてきましょう〜」
「えっ?私もですか?」
「はい〜。被害者も連れて来いと言われてますので〜」
なんかほんとに組織みたいだ。ちょっとカッコいいかもしれない。
「じゃあいくぞ。みんな目を閉じろ」
ガブリエルさんがそういったので、俺と双葉さんは目を閉じた。
三秒後。
「着いたぞ」
「はやっ!!やっぱりはやっ!!」
「えっ……?えっ……!?」
隣で双葉さんが凄い困惑してる。だろうね。
一日で2回もテレポートする機会があるとは、昨日までの俺なら予想もしなかっただろうな。
「さぁ〜。こちらが天界の門になります〜」
そう言われて、俺と双葉は後ろを振り向いた。そこには……
「……………わぁ………」
そこには全長10メートルくらいの天国の門がそびえ立っていた。