天使降臨の第4話
「やめろ!それは!それだけは!!」
「えぇ〜?どうしましょう〜」
ラメエルさんに何かを見せつけられ、土下座しながら泣きつくおっさんの姿がそこにあった。
「な、何してるんですか……」
「なにって〜……これを使って脅してただけですよ〜」
ラメエルさんが手に持っていた何かをこっちに投げてくる。どうやら紙のようだ。
それを拾って見てみると……
「……な、なにこれ……」
そこには女装をしたおっさんがプリクラをノリノリで撮っている写真だった。
「そ、それは違うんだ!!妻が着ろって……」
「1人暮らしですよね〜?」
「いや、その……」
言い訳をしようとしたおっさんを即座に言いくるめるラメエルさん。そんな情報も神様から送られてくるのかな。
「くっ……こうなったら……」
逃げ場のなくなったおっさんはポケットに手を入れ、何かを取り出してこちらに向けた。
「動くな!動いたら撃つぞ!」
うわ、きたよ。追い詰められた悪者のテンプレ台詞。
おっさんが俺たちに向けたものは銃だった。名前までは知らん。
「わぁ〜怖いですねぇ〜」
ラメエルさんがのほほんと答える。
「でも〜それは危ないので没収しますね〜。おや、本物だったんですね〜。それと〜今この時点であなたの女装プリをネットにばら撒きました〜。」
えげつねぇ…さすが堕天使、変なとこで腐ってやがる。しかもいつの間にかおっさんの持っていた銃をラメエルさんが持っていた。
わけも分からずキョドるおっさん。
「な、な……」
「これからここに迎えが来ると思うので〜、少し待っててくださいね〜」
「い、いやだ……警察はいやだ……」
「警察〜?なんでそんなとこに連れてかなきゃならないんですか〜?」
「……へ?」
「あなたが敵に回したのは私達天界の存在です〜。よって〜あなたがこれから向かう場所も天界です〜。警察なんてあまっちょろい組織と一緒に考えない方が〜身のためですよ〜」
「天界……?」
「はい〜。あ、安心してください〜。これからくる迎えは私のような堕天使ではなくれっきとした天使ですので〜」
「堕天使……?天使……?」
あーあ。あのおっさんの頭の中ぐっちゃぐちゃだよ。そりゃいきなり天使とか堕天使とか言われたらそうなるだろうけどさ。
そんなこんな言ってるうちに、
「どうやら天使が迎えに来たようですよ〜」
ラメエルさんが上を向きながら言う。
それにつられて俺たちも上を見ると……
ズゴォォォォォン………
「よぉ、ラメエル。ご無沙汰だな」
真上から誰かが降ってきた。
「まったく〜!その登場の仕方なんとかならないんですか〜!!」
「はっ!これが俺のポリシーなんでな!絶対に譲らん!」
空から降ってきた人物(天使?)は、すらっと背が高く、長くて綺麗な銀色の髪をした、
「やあ!俺が天界から迎に来たガブリエルだ!今後とも宜しくな!」
一人称が『俺』の女の人だった。