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Blue of spring  作者: 無二矢 学
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新生活の始まり

窓の外をのぞくと 桜の花びらがちらちらと舞っていた。翔太はそれを瞬きをするのも忘れて見とれてしまうほどに、それは、言葉で言い表せられないほど美しかった。

 朝、ベッドから目が覚めると、翔太は急いで立ち上がりキッチンに足を運んだ。コップに水を少し注ぎそれを口へと運んで一口飲んだ。水が、喉をつたって体に入っていくのを感じた。翔太はすこしばかりいつもより緊張していた朝だった。 今日から中学校生活が始めるのだ。

 朝はあまりお腹がすかない。牛乳と食パンを少しだけかじって、服を制服に着替えた 翔太は少し早めに家を出た。家の外は、桜がまるで自分にエールを送っているかのように、まっすぐと道沿って花道が出来上がっていた。それを見て翔太は心を少し弾ませながら。学校への道のりを歩いた。

いつもいつも通っているこの橋も 今日の朝だけいつもより、とても色鮮やかに見える。桜のおかげだろうか。翔太は少しだけ橋によっかかり、下にちょちょろと流れている川の水を見る。川とは、不思議なものだ。見ているだけで心が落ち着かせられる。 自分は新しい生活に緊張しているのかもしれない。小学校の頃の始まりは、どんなだったかな? あまりうまく思い出せない。幸いなことにどの学年もすぐに友達ができた。


「なぁ 翔太 知ってるか あかりと智也付き合ってるんだってー」

「ふーん」

(別にどうでもいいし)


自分は昔から周りのことなどにはあまり興味がなかった。友達だって自分から努力して作ったことはない。周りのやつが勝手に集まってくるだけだ。どちらかというと、一人が好きなのかもしれないことに最近 気が付いた。放課後一人で図書室に行って本を読んでいるととても落ち着く。あの頃は、あの時間が学校で一番の楽しみだった。たぶん、こんどもそんな感じで学校生活を送れるはずだ。そう分かっているのに、何だろうこの胸の高鳴りは。

 少し急な坂道を上って時間を見ると少し遅れ気味だったので、少しだけ足を速く動かして 学校を目指した。こうやって道を歩くのは嫌いじゃない。結構好きだと思う。歩いていくと周りの景色がだんだん変わっていくのが楽しい。そして、翔太は学校についた。自分の腕時計を見ると、家から約20分程度だ。しかし、翔太にはもう少し長く感じられた。 校門の前には、小学校の頃の友達や知らない人がしゃべりながら学校に入っていく。校門に入っていく生徒とは違って一人 桜に木の下に立っている少女がいた。彼女のほうを見ていると、偶然にも目が合ってしまった。お互い知らないので、すぐ 目をそらす。 目が合った瞬間翔太は今までにない自分の胸の高鳴りを感じた。まるで、その瞬間だけ 時が止まっているようだった。


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