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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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亀王と戦った結果

 デュランダルの試し切りの相手として防御力の高い亀王は申し分ない。


 どうせなら最高に硬い相手で試し切りをしたいのでスキル全開の状態にまで防御力を上げて貰いたいものだ。


 俺は下手(したて)に出て亀王に頼み込む。


「悪いんだけど防御力全開の状態にしてくれないかな? 新しい剣を手に入れたから最高に硬いと評判のお前で試し切りしてみたいんだよ」


「我に向かってなにを舐め腐った事を言っておるのだ! そんな調子をこいた雑魚はこの世から消し去ってくれる!」


 亀さん大激怒!


 俺なんかマズい事言ったかな?


 言ってないよな?


 すごい下手に出てたしな。


 いきなり渾身の力を込めて大剣を振り下ろしてくる。


 ちょっと!


 なにしてくるんだよ!


 こんな攻撃喰らったら反射で倒しちゃうじゃないか!


 マジやめろ!


 攻撃を必死に避ける俺を見て勘違いした亀王が勝ち誇った顔をする。


「大口を叩いたと思ったら我に恐れをなして逃げるだけか。ブハハハ! ザコめ!」


「逃げて無いから! 避けてるだけだから!」


 ムカついた俺は亀王に切り掛かった!


 俺のデュランダルの十六蓮撃を受けた亀王は一瞬でコマ切れとなって飛び散る。


「あっ……やっちゃった……」


 亀王は倒せたけど防御力全開の状態じゃ無かったからぜんぜん試し切りにならなかったよ。

 

 やっちまったな。


 やってしまったものは仕方ない。


 リアル世界じゃ無いから倒してしまったが時間が経てばまた沸くだろう。


 魔王の側近クラスの獣人のリポップはゲームの中の時間で二日後だから湧いた時期を見計らってまた来るしかないな……。


 俺が肩を落としているとヘブンがチームメンバーの女の子と男を連れて戻って来た。

 

「お兄ちゃん、大丈夫だった? って、だいじょぶそうね」


 まだ消え残っていた獣人達の死骸の山を見てヘブンは一人納得する。

 

「それよりも雪は大丈夫だったか?」


「うん、友達に治療して貰ってるからもうすぐ来ると思う……って、雪ちゃん来たね」


「うわーん! ごしゅじんさまー! だいじょぶですかー?」


「おう! 大丈夫だぞ!って、そんなにしがみ付くな」


「だって、だって、わたしが転んだからご主人様が犠牲になって……うわーん! ごめんなさい!」


「犠牲も何も怪我ひとつして無いから大丈夫」


「ほ、ほんとですね! 傷一つ有りません! ご主人様、あの大群を相手にして無傷とは強すぎます!」


「雪も無事でよかったな」


 亀達の死骸を見てヘブンのチームメンバー達が騒いでる。


「この死骸の中に側近がゴロゴロ混じってるんだけど、まさかこの魔王の側近連中を君一人で倒したのか?」


「ええ、まあ。はい」


「すげーな、こりゃ。亀王も倒したのか」


 亀王の首を見ながら鮮やかな切り口を見ている男。


 それを見た女の子達も驚きの声を上げている。


「すごい綺麗な切り口よね。それ新人ガチャのトール装備とデュランダルでしょ? 当たったんだ。いいなー。わたしもあのガチャ引きたかったんだけど、うちのチームであのガチャ引けるのって新人のヘブンちゃんぐらいだけでしょ? 別垢作ろうかほんとに悩んだよ。そのデュランダルをよく見せてみてよ」


「どぞ」


 俺は見えやすいように剣を掲げる。


 ヘブンのチームのメンバー達が見せろ見せろ!と言った感じで群がってくる。


 三人しかいないんだから、そんなに焦らなくても見えるから。


 ちなみにこのゲームでは俗にPKと呼ばれるプレイヤー・キルは無いので装備を盗られる事は無いので安心である。


「うわ! すごいね!」


「凄いよ! 神装備だね!」


「これ、リークした情報通りの性能じゃない?」


「あの性能そのままで修正無しで実装されたんだ」


「エクスカリバーの時点でかなり酷いぶっ壊れ性能だったけど、この剣見てるとエクスカリバーがゴミに見える位のぶっ壊れ性能だな」


「エクスカリバーは七罰囚と八神衆と四天王がレアドロップするトリガー19個を全て用意してやっと真魔王と戦う挑戦権が得られて、真魔王に勝ってやっと手に入る入手難易度が最も高い装備だったからまだ許せたけど、これはガチャ一発だもんね」


「この性能じゃガチの古参プレイヤーが荒れるよね」


 にこやかに話していたが、突如男が真顔になる。


「話は変わるが、ガイヤ君だっけ? 俺はチームのリーダーをしているユーヤだ。この剣を生かす為にも、我がチーム『聖練騎士団』に入らないか? キミの妹も入ってる、このゲームを攻略よりも楽しむ事をモットーにしたエンジョイ系に近いチームだ。君の事は妹さんから色々と話は聞いてるが、うちはマッタリ系のチームだからLVが低いからと絡んでくるようなメンバーはいないと思うんだがどうだい? 入ってくれないか?」


 チームのお誘いか……。

 

 チームはつい最近、人間関係のトラブルで辞めた事もあってあんまり入りたい気分じゃ無いんだよな……。

 

 おれが答えを渋っていると、ユーヤさんが俺の方を叩く。

 

 

「まあ、今すぐに入れって訳じゃ無いんだ。しばらく経って気が向いたらでいいよ。それまではフレンドって事でフレ登録飛ばすからよろしくな!」


「あたしもー!」


「わたしも、フレお願いします!」



 俺の視界の端にあるログウインドウにフレンド登録依頼のメッセージが3件。


 すべて登録するとフレが一気に2.5倍になった!


 元のフレ数?


 聞いてくれるな。


 その日は雪も含めてみんなで記念写真を撮ってゲームを終えた。


 久しぶりに冒険してるって感じの一日だったぜ。


 楽しかった。

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