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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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雑魚相手に試し切りをしてみた結果

 俺はヘブンを連れて、初期村周辺のダンゴ虫を相手に試し切りをする事になった。


 流石に王都周辺だとトール装備一式を着込んでると目立つからな。


 わざわざ人の居ない辺境まで来たって訳だ。


「そんじゃ、行くぞ!」


「おー!」


 俺は妹の元気な声に応援され、デュランダルを構えるとダンゴ虫に切りかかった。

 

 こいつらは初心者の頃にレベル上げでよくお世話になった敵だ。

 

 一撃がキツくて結構苦労した記憶が有るんだが……ダンゴ虫は16連撃の1撃目を喰らっただけで真っ二つになった。

 

 もちろん与ダメ9999だ。

 

「真っ二つだね」

 

「予想はしてたんだけど、ダンゴ虫相手じゃ瞬殺でこの武器が強いのか強くないのかさっぱり解らないな」

 

「魔王軍の幹部ぐらいやらないと強さ解んないんじゃないかな?」

 

「さすがにいきなり魔王の幹部と戦うのは怖いからもう少し弱いのにしようぜ」


「じゃあ、ギフトの沼の亀なんてどうかな? あいつら結構固いから切り応えあると思うよ」


「亀か。そうだな、その辺りで試してみるか」


 やって来ましたギフト沼。


 降雨が既定の気候のせいかいつ来てもジトジトとぐずついた天気。


 ぬかるんだ泥道で足が滑り気持ち悪い。


 おろしたてのトールの靴が泥だらけぜ、まったく。


 俺とヘブンの他にパトの雪もついて来てる。


 パトとはパトルヌスと言って俺のペットみたいな物だ。


 でも見た目が人間タイプの雪女の幼女なのでペットと言うとかなり語弊がある。

 

 「俺のペットの雪です」なんて事を言ったら変な誤解をされて性癖を疑われかねない。


 雪はパトとしては大きいけど、人間サイズで考えると幼女ぐらいの背丈でプレイヤーの俺と比べると背が低いので跳ね散らかした泥水で着物や顔が泥だらけ。


 だけど、NPCのせいか全く気にしてない。


 むしろヘブンの方が気にしていた。


「雪ちゃん泥んこだね。白い着物が泥だらけでちょっとかわいそう」


 ギフト沼に入ってすぐに亀の獣人コムナ・シックリテを見つける。

 

 二足歩行をするこのエリアの最弱レベルの獣人モンスターだ。

 

 甲羅を身に着けているので芋虫よりは堅いだろうけど俺の装備だとな……。


 俺が切っても一撃で倒せるのは解りきっていたので、レアパトの雪の性能を見て見る事にした。 

 

「雪、あれを倒せるか?」


「余裕です。ご主人様、雪にお任せください」


 普通のパトは会話なんて出来無いんだけど、こいつはレアパトで特別なのか普通に会話が出来た。


 凄いな、レアパト。


 雪は泥水をまき散らしながら亀獣人に猛突進。


 接触した瞬間に氷の刃で一撃で真っ二つにした。


 仲間にしたばかりのパトだとレベルが上がって無くて雑魚敵でも苦戦するものなんだけど、レアパトだけあって結構強そうだ。


「雪ちゃんつよーい」


「てへへへ」


「このぐらいの敵は真っ二つか。さすがはレアパトだけはあるな」


 俺も天使もこの辺りの雑魚を切ってみるがやはり一撃で真っ二つだった。


 切り応え無さ過ぎ。


 俺もつい最近まで防御力の高いここの亀に結構手こずらされたんだけどな。


 トール装備を揃えたせいか今や亀は完全な雑魚になり果ててしまった。


「もうちょっと奥に行ってみるか」


「そうだね。奥の王族の住んでいる屋敷まで行った方がいいかもね。あそこならレアな敵も居るから結構切り応え有るかも」


「それじゃ雪、道中の亀を全部倒してくれ」


「わかりました。ご主人様。この雪にお任せください!」


 雪に道中の雑魚のせん滅を頼むと嬉々として縦横無尽に走り回って亀を倒しまくる。

 

 次々に俺のインベントリーに亀のドロップの小銭と素材アイテムが転がり込む。


 雪は泥水の撥ねる水溜りを走り回ってるせいか顔から足の先まで全身泥だらけ。


 もう白い着物じゃなく、泥水色の着物だ。

 

 幼女を泥だらけにしてコキ使ってるので、ちょっとだけ罪悪感が沸く。

 

 でも当の本人は大喜びなので気にしないでおこう。

 

 一時間位沼を進むとこの亀獣人の本拠地の砦に到着。

 

 京都の平等院をかなり大きくした感じの建物が立っていた。

 

 中には亀の獣人がわんさかと武器を構えて待ち構えている。

 

「さすがにこれだけ敵がいる中にいきなり突っ込むのは怖いな」


「どうしよう? 私の魔法で一匹ずつ釣ってみる?」


「それでもいいんだけど、リンクしたらヘイトを持ってるヘブンのとこに亀の大群が行かないか?」


 ちなみにリンクって言うのは敵の増援の事だ。


 プレイヤーを見つけたりプレイヤーに攻撃された敵が力じゃかなわないと判断すると仲間を引き連れて集団で襲い掛かって来る事。


 数の暴力って奴だ。


「そっか」


「となると、俺が弓かなんかの道具使って釣るしか無いな」


「では行ってきます!」


 ばびゅーん!と効果音を立てて亀の群れの中に突っ込む雪。


「おい! ちょっ! なにしてる! そんなとこに突っ込んだら敵が大リンクしてたいへんなことになるだろ!」


 既に雪の姿は見えず俺の悲痛な叫びを聞いちゃいない。


「なんか雪が敵の群れの中に突っ込んで行っちゃったんだけど?」


「雪ちゃん、一応お兄ちゃんの道具扱いだしお兄ちゃんが敵を釣って来いと命令したのと勘違いしたのかもね」


「確かに雪は俺の物だけどパトは道具なのかぁ? これ絶対亀をリンクさせて大群を引き連れてくるパターンだぞ」


 五分後、俺の予想通り雪は亀の大群を引き連れて来た。

 

 300匹ぐらいいる。


 しかも凄い大柄の亀も混じってる。

 

 身長五メートル位ある大亀だ。

 

 どう考えてもレアモンスターでヤバい敵だ!


「うは! マジかよ!」


「すっすごい大群来たけどどうする?」

 

「あの大きいのはどう見ても亀王のカイザー・シックリテだよな? なんで奥座敷まで行って亀王連れてきてるんだよ!」


「ほんと亀王だ! なんて物を連れてきてるのよ! たしかスキル全開だと魔王より固い防御力だったはず!」


「こんな集団で絡まれたら、間違いなく死んでデスペナで所持金半分落とす羽目になるぞ!」


「わたし、競売の売り上げの50万ゴルダ持ったままだよ! どうしよ?」


 嬉々とした雪が走り寄って来る。


「ご主人様、沢山亀を連れてきましたよ! 褒めて下さい! 雪を褒めて!」


「おい、おま、なんて物を連れて来るんだ! に、逃げろー!」


 俺とヘブンは俺達のとこに戻ってくる雪と亀の大群を引き連れながらギフト沼から死ぬ気で走って逃げた。

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