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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第二章 真魔王を倒した結果ほぼ全裸で雪原に放り出されたが、なんだかんだで成り上がる
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ビッグウェーブ

 俺は転移石が1,000個ずつ詰まった大きなリュック3つを雪に託した。


「俺達の運命は雪の商才にすべて掛かっている! 頑張ってくれたまえ。今日売り切ったら串焼き好きなだけ買ってきていいぞ! あと、名物のホットドッグもジューシーでオススメだぞ」


「ご主人様! 私めにお任せ下さい! きっと完売させてみせます! お土産期待して待っててください」


 雪はそう言うとリュックを一つ抱えて風の様に走り出すとレッドレイクの街に向かった。


「さてと、雪が頑張ってる間に俺たちが遊んでるわけにもいかないからな。レベル上げ頑張るか!」


「うん! がんばろー!」


 ヘブンはまだレッドレイクの転移石の登録が済んでいないので俺達はレッドレイクまで走る。


 レッドレイクの入り口に着くと雪は転移石を求める冒険者たちに揉みくちゃにされていた。


「おい! 俺にも売ってくれ!」


「俺が先だ! 俺に売ってくれ!」


「10個だ! 10個売ってくれ!」


「こっちは30個だ! 30個売ってくれ!」


「大丈夫です! 在庫は沢山有りますから、焦らないで下さい~! まだまだあるので安心してください~!」


 俺達に気がついた雪が声を掛けて来た。


「いや、もう、大盛況ですよ! 昨日買った人が転移石がここで買えるって噂流したのか、お客さんが物凄く押し寄せて来ちゃって……転売目的の人も来てるみたいで、捌ききれないぐらい売れてウハウハです」


「一人でいけるか? 無理なら手伝うけど?」


「大丈夫です! ご主人様にはご迷惑おかけしません! 雪にお任せ下さい!」


「そっか、無理だったら言ってくれよな」


「はい!」


 俺達は雪に別れの挨拶をして早馬車乗り場に向かった。


 早馬車乗り場は転移石を買いに来る冒険者で混んでいたが、ここから豚王の城方面に向かう馬車はそれほど混んでいなかった。


 俺達は早馬車に乗る。


 さすがに豚王の城に行くレベルの冒険者はまだ居ないようで早馬車は俺達2人だけの貸し切りとなった。


「雪ちゃん頑張ってるみたいね」


「ああ、あの子はほんと頑張り屋でいい子だよ」


「レベル上げとお金稼ぎが一段落したらみんなでのんびり遊びたいね」


「そうだな。あの金でどこか広い土地でも買って村でも作るか!」


「それいいね!」


「そういえばミキさんどうしたんだろう?」


「お兄ちゃん、ミキさん気になる? 好きになっちゃった? 彼氏になっちゃえば? 今ミキちゃんはフリーみたいだよ」


「おいおいおい。俺大学受験控えてるしそういう恋愛はまだ早いだろ」


「大学受かったら彼氏になる? バイトも一緒だしすごく気になるんでしょ?」


「そういうので聞いたんじゃないから。あれからずっと会って無いから気になってるだけで……」


「私のチームはレッドレイクを本拠地にしてたから、ミキさんがこっちの世界に来てるならきっとレッドレイクに来てると思うよ。帰りにちょっと調べてみるよ」


「たのむ。好きとかじゃなくてちょっと気になってるんだ」


「ふーん。じゃあ受験が終わるまでこの話は止めとくね」


「元の世界に戻れるかちょっと怪しいけどな」


 そんな話をしながら、馬車で豚城に向かった。


 豚城に着くと、当然の如く誰も居なくて狩場は独占状態だった。


 敵を連れてくるのも面倒なので、ただひたすら移動しながら狩りまくっていた。


 サクサクレベルが上がって夕方には二人ともLV78になった。


「レベル99には届かなかったけど、だいぶレベルが上がったな」


「だね~。だいぶ上がったね。明日も頑張ってLV99めざそー」


 俺がレッドレイクでチームメンバーを探すヘブンと別れて、転移石で宿に戻ると雪が串焼きを食べていた。


 食べ終えた串の本数から30本は食べてるようだがそんな小さな体でそんなに食べてお腹だいじょぶなんだろうか?


 ちょっと心配だ。


「ご主人様、おかえりなさい!」


「転移石の方はどうだった?」


「それがもう、飛ぶように売れて3,000個が午前中に売り切れちゃいましたよ」


 雪の視線の先にはお金がギシギシにつまったリュックが3個置いて有った。


 総額およそ15億ゴルダ。


 たぶん、村どころか、ちょっとした領地が買える様な金額だ。


「が、頑張ったな……。頑張ったよ! 雪! お前は凄い! お前は商才が有る!」


「えへっ! ご主人様に褒められると照れちゃいますよ。今夜は5,000個作ってください。絶対に売りきってみせますから」


「そうか? じゃあ、5,000個作っちゃうぞ」

 

「ぜひお願いします!」


 ヘブンは夜10時ぐらいになって戻って来た。


 ログインしていたチームメンバー全員とレッドレイクで会えたそうだ。


 レッドレイクでチームハウスを作っていて手が離せないらしい。


 俺はその日の夜、深夜2時ぐらいまで掛けて5,000個の転移石を仕込んだ。


 リュック5個だ。


 翌日早めに起きた雪は元気に出掛けて行った。


「それじゃ、俺達も頑張るか!」


「おー!」


 今日は転移石が有るので豚王の城まですぐだった。


 一瞬で豚王の城だ。


「転移石って使ってみるとずいぶんと便利だよな。昨日使わないで来た時は随分と時間かかったのに今日は一瞬だもんな」


「50万ゴルダ出しても欲しがるのが解るよね。何度も使えるし転移石を一度使ったらもう無い生活は考えられないよね」

 

「ああ、ホント便利だよな。きっと100万ゴルダでも200万ゴルダでも飛ぶ様に売れてただろうな」

 

 その日も豚王の城でレベル上げをした。

 

 途中側近のジャック何とかさんがやって来たけどサクッと倒して槍を貰いました。


 夕方前には念願のLV99に到達し俺達は意気揚々と宿屋に戻る。


 宿屋には雪の姿は無かった。


「雪ちゃん帰って来て無いね? どうしたんだろ?」


「ベッドの上にお金の詰まったリュックが2個とまだ手つかずのリュックが2個置いて有るんだけど、今日は売れなかったのかな?」


「ちょっと心配だから見に行くか」


「そうだね」


 俺達がレッドレイクに行くと雪はガラの悪い連中10人程に絡まれていた。


「やめてください~! 商売の邪魔しないで下さい~!」


 雪の悲痛な声が聞こえた。


 ガラの悪い連中は刃物をチラつかせながら雪の商売を邪魔していた。


「なんだ! ボッタクリが、まだこんなとこで商売してるんじゃねーよ!」


「ボッタクリは店をたため!」


「おい! この辺りにいる奴らはよく聞いとけ! 来週始めに錬金ギルドが20万ゴルダで転移石を売り出すからそれまで待つんだ。もしこいつから買う奴が居たら、そいつもこのボッタクリの仲間と言う事で痛い目に遭わせてやるからな! 刺される覚悟出来た者だけこいつから買え! ぐははははは!」

 

 俺はガラの悪い連中の前に飛び出した。


 すると俺に気がついた雪が泣くように言った。


「ご、ご主人様~! こいつら朝からずっと商売の邪魔してくるんですよ~」


 俺は奴らをにらみ付けて言ってやった。


 元々目つきが悪い俺が睨んだもんから殆どの連中はビビっている。


「おう! お前ら! 俺の友達に手を出すとはいい根性してるな」


「お、お前は、ガイヤじゃねーか!」


 ガラの悪い連中が俺が相手だと知ると明らかに狼狽うろたえた。


「こ、こいつ、最強の剣士のガイヤじゃねーか! 俺達には敵わねー! 逃げるぞ!」


「ま、まて! お前ら狼狽えるんじゃねー! こいつは前は強かったかも知れないが、この世界に来てスキルリセットが掛かって、今はただの人間だ。トール装備を持っていないLV5や10のひよっこ冒険者だ。俺達LV20の黒豹(くろひょう)傭兵団には(かな)いやしねーって!」


「だ、だよな! 俺達には敵わないよな!」


「よし! 一斉にボコるぞ!」


「「お~~!!!」」


 ガラの悪い連中が襲って来た。


 俺は敢えて攻撃を避けなかった。


 すると、奴らは自らの攻撃で次々に倒されて沈んでいく。


「「ぐあぁぁぁ!」」


 俺のレアスキル攻撃反射だ。


 トール装備は消えたが装備のスキルは俺の体の中に潜在スキルとして残っていたのだ。


 その事は豚城のレベル上げで解っていたので敢えて攻撃を受けたのだ。


「ど、どうなってるんだ? こいつ?」


「ふふふ。この俺様、ガイヤ様がLV5や10だって? そんな事有りえねーんだよ!」


 俺のレベルを見た悪党が狼狽える。


「LV99?? どうなってるんだよ!??」


「だから言ったろ?」


 俺は強烈なパンチをボスっぽい奴のみぞおちに叩きこんでやった。


「どうは~!」


 奴は俺の拳が腹にめり込むのと変な叫び声をあげるのと同時に、キリモミをしながら綺麗な放物線を描きお空の彼方に消えていった。


「うおおおお!」「ガイヤだ! あのガイヤが現れた!」「ガイヤ様だぞ!」「ガイヤは今でも圧倒的な強さだ!」


 辺りの観衆が沸いた。


 そして、転移石を欲しい冒険者が雪に殺到した。


「やっと買えるぜ。ガイヤさんありがとう」


「これでやっと転移石を買って来るのを待っている仲間のとこに戻れるわ!」


 その日は俺達も販売を手伝い、それから1時間ほどで残りの転移石をすべて売り切った。


 総売り上げは25億ゴルダだ。


 俺がリュックを担いで帰ろうとすると、ヘブンが「昔の仲間を見かけたから、ちょっと会って来るね」と言って街の中に消えていった。


 俺は雪と宿に戻った。


 ベッドの上に座り二人して串焼きを食べながら話す。


「今日は大変だったな」


「はい、大変でした。でもご主人様の為に頑張りました」


「そうか、ありがとうな。お前は本当に頼りになる友達だよ」


「えへへっ!」


 そんな話をしていると雪は疲れているのか急に眠りに落ち俺にもたれ掛ると俺の膝の上で眠った。


「なんか雪を見てると、新しい妹が出来たみたいでホント楽しいな……それに物凄い頑張り屋さんだし、俺を好いていてくれるし……俺の方が好きになっちまいそうだぜ」


 雪を起こすのもかわいそうなので、そのまま膝の上で寝かせてやってると1時間ほどしてヘブンが宿に帰って来た。


「おにいちゃん、あいつ等の黒幕解ったよ」


「お前それ調べてたのか?」


「チームメンバーとフレンド経由でいろいろ調べてたのよ。あいつらの黒幕は廃錬金職人達だったわ。私達が転移石売りまくって、奴らの廃スキル上げが終わる前に買う人居なくなると商売にならないから私達の妨害してきてたみたいね」

 

「そうなのか……となると、俺達はもう商売から手を引いた方がいいのかな?」

 

「何言ってるの!? お兄ちゃんらしくない。売られた喧嘩は全て買うのがうちの家訓なんですからね!」


「そんな家訓初耳だぞ!」


「お父さんが言ってたもん!」


「あー、あの親父なら言いかね無いな」


 ちなみにうちのオヤジは元ヤンで、子供が高校生になった今でもヤンキーを卒業してません。


「私に奴らへのキッツイ復讐のアイデア有るんだけど乗らない?」


 ヘブンは小悪魔の様な顔をしてそう言った。

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