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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
序章 全財産を注ぎ込んでガチャを引いてみたら、なんだかんだでとんでもなく強くなる
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特典コードを買い占めた!

 ――デュランダル入手作戦会議本部


「伝令! 18本確保! 18本確保! ヨミバシで18本確保!」

 

「12本確保! 12本確保しました! アマランで12本確保しました!」


「あ、配送は当日便で頼むな!」


「ラジャーであります。お兄ちゃん提督」


「くー、全然足りねー。合計で何本だ?」


「えーと、30本かな」


「という事は2本足りない?」


「さっき1本届いたから残り1本じゃないかな?」


「そか、1本か」


「でもさ、32本目がデュランダルだったら悲惨だな」


「だよねー。でもネットだともう何処も売り切れで見つかりそうも無いねよね」


「だが諦めぬ! ここで諦めたら負けだ! すまんが天使ヘブン。駅前の電気屋や本屋やスーパーのゲーム売り場見てきてくれないか?」


「わかった」


 俺は財布の中からなけなしの今月分のお小遣いの1万円札を渡す。


「ほい! 資金だ」


「あのさー、お兄ちゃんー。わたしも欲しいなー、おねがい!」


「わーった、わーった。お駄賃でお前のも1本買って来ていいよ」


「2本買っていい? おねがいっ!」


「解ったよ。2本でも3本でも買って来い!」


「やったー! お兄ちゃん、ありがとっ!」


 天使は俺を軽くハグすると自転車に乗り猛スピードで駅前に向かった。


 俺はネットショップを探しまくった。


 だが、このパッケージはレア装備目当てで売れてるのか何処の店も売り切れ状態だった。

 

 デュランダルが必ずもらえると思ってたから一本しか注文してなかったんだがガチャと知ってたら最初から32本買ってたわ。

 

 俺は必死にネットショップを探し回った。

 

 薬天、城新、タツヤ、ビックリカメラ、シチマップ、スーパーポテチ……皆売り切れ全滅だった。

 

 結局どこにも見つけられなかった。

 

「どうするんだよ! もしデュランダルが残り1本の枠だったら、10万円注ぎ込んだのが無駄になっちまうじゃねーか! マジ有りえねー! マジ信じられねー!」


 そろそろ夕方だと言うのに天使ヘブンいまだに帰って来ない事を見るとリアル店舗も売り切れで全滅なんだろう。

 

 俺が半狂乱になってネットにしがみ付いてると夕方前になって天使が帰って来た。

 

 しょぼくれた顔をしている。

 

 泣きそうな顔をして玄関に立ち尽くしていた。

 

 聞かなくても結果は解っていた。

 

 頑張った結果、見つからなかったんだろう。


 お前はよく頑張った。

 

 やれるだけの事をやってくれたよ。

 

 妹のしょぼくれた顔を見てると俺の焦りが霧が晴れる様に消え去った。

 

 俺はそっと優しく妹に声を掛けた。

 

「どうだ? 見つかったか?」

 

「ごめん! 隣町の隣町まで探してみたけど、何処にも売って無かったよ」

 

「そうか……」

 

「ごめんね!」


 やっぱ手に入らなかったか……。


 さっきまで俺の心を埋め尽くして焦りの代わりに、絶望が俺の心を溢れんほどの勢いで満たす。


 俺はふらつく足でソファーに戻る。


 そして、壊れた。


「あひゃーー!! あひゃあひゃあひゃー! 俺の10万円が解けた、蒸発したーー!」


 その姿を見て妹が笑っていた。


「???」


「なーんてね、嘘だよ!」


 天使がゲームの入った袋を俺に差し出した。


「え?」


「お兄ちゃんの分の1本はすぐに見つかったんだけどね、私の分が見つからなかったからコンビニとか、レンタルビデオ屋とか探し回っちゃったよ」


「おー! わが妹ヘブンよ! お前は本当に天使ちゃんだ」


 俺が抱きついてキスしようとしたら俺の顔にパッケージを押しつける様に渡されて思いっきり拒否られた。


 ケチな妹め!


「あ、3本買ったから1,400円足りなかったよ。後で払ってね」

 

「へいへい」

 

 特典コードを入れてみた。

 

 ──スキル『生産の極み』を手に入れました。


 ──スキル『武器スキル習得の極み』を手に入れました。

 

 ゴミスキルだ。


 武器じゃ無くゴミスキルが2連続で出た。


 やはり32本買ったのは正解だったようだ。

 

 ヘブンは何が出たんだろう?

 

「お前はあのパッケのコードで何が出た?」

 

「私はねー、『アバター変更チケット』とスキル『運の極み』だったよ。どっちも微妙だね」

 

「だな。こりゃ結構酷いガチャかもしれない。特にアバターチェンジなんて使わないもんな」

 

「だよねー。最初はリアルの顔でゲームするのは抵抗感有って嫌だったけど、いまはこっちの方がいいと思えてきたしね」

 

「だよなー。今更馴れ親しんだキャラの顔を変えるのもな」


「だからデュランダル出たら残りのチケちょうだい!」


「まぁいいだろ。今日は頑張ってくれたしな。デュランダルが出たらその後の分はお前にやるよ」


「やったー。交渉成立」


 6時になったらネットで注文したパッケが届いた。


 最近のネット通販は凄いね。


 昼に頼めば夜6時に届くんだもん。


 俺は大量のパッケージを開封してカードを取り出すと机の上に並べて片っ端からスキャンした。


 ──スキル『力の極み』を手に入れました。


 ──スキル『素早さの極み』を手に入れました。


 ──VRMMO:BBB三周年記念 レア装備『トールの盾』を手に入れました。


 ──レアアイテム『アバター変更チケット』を手に入れました。


 やべー!


 全然出ねーじゃん!


 これ全部入れてデュランダル出なかったらシャレにならないぞ!?


 どうなってるのよ、これ?


 ──スキル『運の極み』を手に入れました。


 コードを20枚使って何が運の極みだよ!


 運なんて全然ねーじゃん!


 そして俺はコードをスキャンし続けて最後の1枚となった。


 これで出なかったらどうするんだよ、俺!


 いや、大丈夫だ。


 ダブり無しのガチャだから出ない訳が無い。


「最後の一枚だ。いくぞ!」


「おー!」


 俺は額にコードを掲げる。


 指先に冷汗が滲む。


 コードをスキャンした。


 そして出たガチャコインでガチャを回す。


「これで最後だ! 絶対に出す!」


「お兄ちゃん頑張れー!」


 俺の視界を眩い光が包む。


 激レア演出だ!


 来るぞ!


 来る!


 出た!


 出た!!


 来たぞ!!!


 ──VRMMO:BBB三周年記念 レア装備『聖剣デュランダル』を手に入れました。


「うひょーー!!! 出た出た出たー!」


「お兄ちゃん、おめでとー! 出ないかと思って、ドキドキしちゃったよ! 心配したよ!」


「俺も俺も!」


 二人で抱き合って喜んだ。


 俺の努力が報われた!


「じゃ、試し切りに行くか!」


「だねっ!」


 *


 早速俺達はBBBにログインした。

 

 今までのゴーグル越しの部屋の景色から全周を覆う現実と(たが)わぬ視界へと変わった。

 

 昨日妹と一緒に落ちた、のどかな初期村の景色だ。

 

 アイテム欄から武器のステータスを見る。

 

・攻撃力 1200

・攻撃間隔 30回/分

・攻撃回数 16回/1アタック

・刃渡り 1.5m


 修正はされてない。


 噂どうりの神武器だ


 そしてデュランダルを装備した。


「どうだ?」


「すっごーい! かっこいい!」


 その剣は透明なクリスタルの様な素材で出来ていて、刀身は光を浴びたクリスタルの様に青白く光り輝いていた。


「それ装備したら、強さはどれぐらいになった?」


「どの位なんだろうな?」


 俺はステータスを見てビックリした。

 

 HP 9999

 MP 9999

 STR 9999

 DEX 9999

 VIT 9999

 AGI 9999

 INT 9999

 MND 9999

 

 全てのステータスがカンストしていた。

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