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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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豚王を倒しに行くぞ!

「トリガーを落とす豚王って見たことも無いんだけど、俺でも倒せる代物なのかな?」


「大丈夫。倒せなかったら死ぬだけだし」


「おい!」


「えへへ、冗談冗談。私も戦った事無いからよく知らないんだけど、真魔王に比べたらそんなに強く無いらしいよ。とりあえずやってみようよ。豚王はブヨブヨと太り返ってるだけあって体力馬鹿でHPが物凄く多いから一撃で倒れる事は無いと思うから倒しがいは有ると思うよ。豚王はソロで倒した人はまだ10人居るか居ないかぐらいだからLV50に届いてないお兄ちゃんが倒したら話題になるんじゃないかな?」


「話題になるか……。雪が居る手前あんまり目立つのも困るんだよな」


「散々討伐されたボスだから死神と違って倒しても討伐報告のテロップも流れないし、辺境だから誰も狩りしてる人は居ないと思うから倒すとこを見られる訳もないから大丈夫だと思うよ」


 長い馬車旅の末、大草原の真ん中にぽつんと建つオークと呼ばれるイノシシ型の人型モンスターの居城、通称『豚城』に到着した。


 豚城は前宮、後宮に分かれており後宮に有る王の間にこの城の(あるじ)豚王が居るはずだ。


『居るはずだ』と言ったのには意味がある。


 このゲームのAIはかなり発達していて多くのNPCが自立的に動いている。


 城の中でプレイヤーが狩りを続けていればプレイヤーより強い中ボスクラスのモンスターが異常を察知してやって来てプレイヤーを一掃するなんて事もする。


 そんなファジーなシステムが受けて発売から3年経つ今でも熱狂的なプレイヤーがこのゲームを支持をしている。


 そんなシステムのゲームなのでラスボスは後宮に居るらしいとしか言えない。


 俺達が馬車から降りるとミキさんが大きく手を振る。


「長旅お疲れー! わざわざこんな遠くまで呼びつけちゃってごめんね」


「デュランダルの試し切りもしたかったのでちょうど良かったです」


「そっかー。そう言って貰えるとこっちも気が楽になるよ。まだデュランダルの試し切り出来てなかったんだね」


「沼の亀は弱かったからね。防御スキルを使ってくれなかったからあいつ一撃で死んだんだ」


「あらま。今回の豚王は期待して貰っていいかもよ。体力だけは物凄いから」


「期待しとく」


「じゃ、雪ちゃん、お姉ちゃんと一緒に手を繋いで行こう!」


「はいです!」


 俺達はこの城のラスボスである豚王を目指して城の奥に進む。


 途中、雑魚と何度か鉢合わせをするが雪のブレスで一掃だ。


 雪強いな。


 こんなに可愛いのにな。


 ここの敵は結構強かったはずなんだけどな。


 全然手ごたえ無いね。


「雪ちゃん強ーい!」


「てへへへ」


 雪に露払いを任せて進んでいると後宮に入ったとこで嫌な物を見つけてしまった。


 俺がついこの間まで所属してたチームの嫌味な奴らだ。


 途中後宮に入ってすぐの広間で金策なのかレベル上げなのか知らないが1パーティー6人で豚を狩っていた。


 俺は見てない事にしてして通り過ぎようとしたら、気がついたチーム幹部の中学1年生が俺に絡んできた。


「お、お前! 初心者のお前が何でこんなとこに?」


「さては迷子だな? マジ受けるわ!」


「がははは! どマヌケ!」


 チームの幹部たちはいかにも中学生と言った青臭い感じで、小馬鹿にした態度で俺にそう言った。


 いや中学生が青臭いんじゃない。


 こいつらが青臭いのだ。


 俺は怒りを抑えて冷静に話した。


「豚王の討伐ですよ」


「はぁ? 低レベルのお前に倒せるわけが無いだろ? 馬鹿じゃねーの? 頭腐ってるんじゃねーの」


「これはウケる! 真性のバカだ!」


「命知らずキター!」


「これで死ねる!」


「うはははは!」


 まあ見とくがいいさ。


 俺はムカつくガキ共を無視して先に進む。


 あまりにもムカついたので思わず豚王を倒すと言ってしまったがまあいいか。


「今のなんなの? ムカつく子たちね」


「雪もかなり腹が立ちました」


「やめたチームのメンバーたちさ」


「あんなのがいたチームにいたの? 抜けて正解ね」


 後宮の玉座の間『豚王の間』に来たが、側近と呼ばれる中ボスしか居なかった。


「あれ? ボスは?」


 ボスの姿はどこにもいない。


「まさかあいつらが倒したのかな?」


「さっきの子たちには倒せないと思うよ。レベルは高そうだったけどあんまり装備が整ってなかったもん」


「じゃあどこに豚王行っちゃったんだろ? 試し切りしたかったんだけどな」


「倒されてリポップ中の期間なのかな? トリガー取りに来たのに無駄足だったね。事前に討伐されてないか調べとけばよかったね。ごめん」


「お兄ちゃん、あそこにいる中ボスじゃ試し切りにならないかな? 側近の覚醒モンスターで、えーっと名前は『王に仕えし鋼の角のジャック』だって 」


「まぁ、腕試し切りだから中ボスでもいいか。じゃあ、いくぞ!」


「じゃあ私は後ろで回復待機してるから、思う存分やって来て!」


「おー!」


 俺はトール装備に着替えると側近の豚に対峙(たいじ)した。


 長い名前なのでちゃんと読む気が起きなかったがこの敵は『なんとかジャック』さんだ。


「王の間を汚す糞ネズミどもめ! すぐに退治してくれるわ!」


「さあ、それはどうかな?」


 俺はジャックに近づくとわざと攻撃を食らってみた。


 攻撃反射の能力を調べる為だ。


 さすがに攻撃反射で倒れるような敵だと試し切りにならない。


 ジャックの重い攻撃が俺に当たる。


 すると盾で攻撃を受ける共に鈍い金属音がして攻撃反射で弾き返した。


 それを食らったジャックのHPの3/4が吹き飛んだ。


「「「弱っっっ!」」」


 俺達の声がハモった。


「許さぬ! 我に刃を向けるとは、生かしておけん!」


「なんだよ……自分で自爆しといて逆切れかよ!」


「バッカだよねー」


「ぐぬぬ! 我を小馬鹿にするとは許さん! 『爆砕』!」


 ジャックが光り輝くと共に爆ぜた!


 爆砕とは自らを魔力震源として自爆させ周囲の敵を一掃する凄まじい威力の範囲攻撃技だ。


 このゲームのサービスイン直後の頃はこの『爆砕』一発で攻略系廃人ギルドのアライアンスメンバー100人を一発で全滅させたとの(いわ)く付きの技である。


 でもそんなものステータスがカンストしてる俺たちには何の意味も無い技だ。


 実際俺が3ダメージ、ヘブンが300ダメージ、雪に至っては氷属性との相性が悪いのかノーダメージだった。


 そして1秒後には1000HP/秒のHP自動回復で三人とも完全復活していた。


「うは! こいつ、本当に自爆したよ!」


「全くバカだよね。全く芸が無いよね。盾の攻撃反射を受けて自爆呼ばわりされたからっていきなり自爆するなんてね……」


「もう少し、ひねったボケかまして欲しいよな」


 自爆から蘇ったジャックが呆然としてる。


「お、お前ら、何で無傷なんだよ? 何が起こってるんだよ? このジャック様の爆砕食らって無傷なんてありえねーんだけど! 一体どうなってるんだ?」


「ありえねーのは、お前の弱さだよ!」


 俺の通常攻撃がジャックを襲う。


 とは言ってもデュランダルを装備しているので16回攻撃である。


「う、うがー!」


 ジャックは16回攻撃の途中で真っ二つに裂けて息絶えた。


「俺つえええー!ってか、弱ぇぇぇ!のか? これが廃人アライアンスを全滅させた敵なのか?」


「お兄ちゃん、つよーい!」


「ご主人様強いです!」


「さっき嫌味な奴らに有って嫌な気分になったけど、側近倒したらなんかスッキリしたわ」


「あははは!」


「お? 戦士のレベルが上がった。レベル上がるのは久しぶりだな。LV48になったよ」


「わたし、LV39から41に上がったよ。すっごく嬉しい」


「あ、なんかアイテム出たぞ」


「当たりの激レア装備の槍だね」


「さすがにLUKのステータスMAXが三人も居るだけは有るな!」


「これ幾らぐらいで売れるかな?」


「この槍はエクレア(EX・RE)だから売れないよ」


「売れないのかよ」


「ヘブンちゃん貰っときなよ」


「おう、貰っとけ」


「いいの? ありがとう!」


「ありがとー!」


 ヘブンは拾ったゴッツイ槍を背に担いだ。


 ヘブンの背の1.5倍ぐらいあるあまりにも大きい槍なので見た目がかなりアンバランス。


 まるで槍に(はりつけ)になってる感じ。


 案山子(かかし)にしか見えない。


「ありがとね。ミキちゃん、おにいちゃん!」


「いえいえ。でもさ中ボスを倒すのがこれだけ楽チンだと豚王どころか真魔王も楽勝でいけるんじゃないかな?」


「いけるかもしれないけど、目立つのはちょっと」


「雪ちゃんを騒ぎに巻き込みたくないもんね」


 真魔王はLV99のマス・アライアンス用の敵。


 アライアンスとは6人PT3つで18人の事。


 それが6アライアンスでマス・アライアンス。


 つまりLV99が108人用の敵。


 そんな敵を少人数で倒すなんて事をしたら廃人たちの嫉妬をかって尻の穴の皺の数まで調べ上げられかねん。


 それだけは避けないと。


 俺は強くても雪と目立たず静かに生活していきたいんだ。


 だがその俺が強さを失う日が来るとは、その時の俺は思ってもいなかった。

執筆中に猫がじゃれて来て、猫パンチがキーボードにクリティカルヒットして電源キーを押したので執筆中の文書が消えて悶死しそうになりましたw

接着剤買ってきてPOWERボタンをとめとかないと……。

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