表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
序章 全財産を注ぎ込んでガチャを引いてみたら、なんだかんだでとんでもなく強くなる
3/54

全力でガチャを回す事にした!

「レアパトかよ……」

 

「ハズレのパトか~。でもこれ可愛いね。ちっちゃい雪女の女の子みたいで可愛いよ。和風風味のパトの実装って初めてじゃない? 私も欲しいな~」

 

「そうか? 欲しいならやるぞ……って、譲渡不可のエクレア(EX・RE)だから渡せないのか……残念」

 

「このガチャってほかに何が出るんだろ?」

 

「そりゃ、デュランダルだろう」

 

「他は?」

 

「さー、何が出るんだろうな。ちょっと調べてみるか」

 

 俺はゴーグルのメニューからネットブラウズを選び、BBBの公式サイトの3周年記念パックのガチャのページを見る。

 

 すると、防具、アクセサリ、スキルカードなど、色々なアイテムの中にデュランダルが有った。

 

 俺と同じくサイトを見ていた妹が声を上げる。

 

「どれも凄い性能だね、お兄ちゃん。このガチャ全32種類みたいだね」


「でもデュランダルだけ確率が異常に低いとかじゃないのか?」


「それは何処にも書いてないけどダブり無しのガチャとは書いてあるね」


「どういうことだ?」


「ガチャを引き続けても同じものが出ないって事」


「そっか。でもさガチャを引き終わってハズレが出た俺には関係ない話だ」


「お兄ちゃん、デュランダル欲しい?」


「そりゃ欲しいさ。でも外れた。当たる気はしてたのにな」


「確実に当てる方法あるよ」


「ど、どうやるんだよ?」


「ダブりが無いなら、残り31本パッケ買ってきて合計32回ガチャすればいいんじゃない?」


「なに!? 31本パッケ買って来ればいいのか? お前天才だな!」


「でしょ? でしょ? 頭いいでしょ」


「でもさ、このパッケージ1本3,800円だろ? 31本買ったらいったい幾らになるんだよ」


「10万円ぐらいじゃない? もう少し安いかな? 多分そのぐらい」


「そんなに掛かるのかよ! 俺、今手持ちは親父から預かってる2万円しかないぞ。その2万円も使えるのはお小遣い分の1万円だけで残りは食費の1万円だからなー。家に居る分の食費は備蓄の食材で何とかなるとしても問題は弁当だよな。食費を使い込んだら親父たちが帰って来る月曜日まで昼飯抜きの悲惨な事になっちまう。あと他に持っているお金は銀行に貯金してあるお年玉の5万円だけだぞ」

 

「大丈夫だよ。お昼ご飯は家からおにぎり持ってけばいいし、足りない分はまたお父さんから借りればいいし」

 

「親父から借りるってまた勝手にクレカ使うのか? それはマズくないか? この前もめっちゃ怒られたし」

 

「じゃあ、デュランダル諦める?」

 

「………………」

 

「強いお兄ちゃんと一緒に遊びたいなー」

 

「………………」

 

「今買わないと、もう買えないかもよ?」

 

「………………」

 

「パッケ売り切れちゃうかもよ?」

 

「わかった! わかった。買うわ。お金足りない分は、クレカの支払期限が来る前までにバイトすればいいし、もしバイトが出来なくてお金が用意出来なくても『親父がキャバレー行ったんだろ!』って言い張ればいいしな」

 

 俺の親父はいわゆる土建屋って奴で社員20人ぐらいの建築関係の小さな会社を経営してる。

 

 取引先の接待でキャバレー、キャバクラによく行く上にクレカの明細書をろくに読まない様ないいかげんなオヤジなんで少しぐらいの額は誤魔化せるはずだ。

 

 親父は元々飲み屋で飲むのが好きでヤンキーだった若い頃から水商売系の飲み屋に入り浸ってて、それが子供の俺が高校生になった今でも抜けてない。

 

 なのでキャバレーの支払いだと言い張ればどうせ酔っぱらって詳しい支払いの内訳を覚えてない親父のことだから嘘を通せないことも無くはない。


 ちなみに母ちゃんも元ヤンでキャバクラで働いていたらしいが親父の猛烈なアタックに押し切られる感じで結婚したそうだ。


 今はブティックを開いてオーナー店長としてまじめに働いている。


 働いているといっても自分は座ってるだけで他の店員が一生懸命働らいてるだけらしいけどな。


 まぁダメ親だけどこの二人が出会わなければ俺達二人兄妹は産まれてこなかったので感謝はしている。


 尊敬はしてないけどな。


 俺も俺の妹もそんなダメ親を反面教師として見てたせいか、実にまじめに勉強をして素直に育っております。


「決断力のあるお兄ちゃん、好きっ!」


「そ、そうか?」


 妹に褒められるとなんか照れてしまう。


 マジ可愛いよな、俺の妹。


 マジ天使。


 ちなみに、うちの妹の名前は『天使』と書いて『ヘブン』と読みます。

 

 キラキラネームです。


 天使と書いて『エンジェル』ならまだ解らなくも無いんだが、何で『ヘブン』なのかは名付け親のお母ちゃんに聞いても解らないと言われ未だに謎だ。

 

 たぶん『天国』と『天使』を間違えたんだと思う。


 さすがDQN旦那の嫁。


 さらに言うと俺の名前は大地と書いて『ガイヤ』と読みます。


 同じくDQNネームだ。


 『ガイア』ならまだ解らなくい無いけど『ガイヤ』なのは謎。


 名付け親の親父に聞いたら「男は細かいこと気にするんじゃねーよ!」って怒られた。


 英語の成績が良くなかった親父の事だ、多分ガイアと付け間違えたんだろうと予想。


 ちなみにガイアとは大地の神の名前で土建屋絡みで付けたんじゃないかと思う。


 まあ、どっちでも大して変わらないと思うので気にしない。


 クレカの支払いの話から大きく脱線してしまったな。


 俺はパッケを31本買うことにした。


「ポチるか!」


「ポチっちゃえ!」


「よし、ポチる!」


 そういう事になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ