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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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受験勉強

 学校から帰って来ていつもの様に炊事や掃除等、やらなくてはならない日課を済ませる俺。


 ヘブンは夕飯迄の間、昨日録画したTV番組のバラエティーの料理物を見て腹を抱えて幸せそうに笑っている。


 ヘブンはいつも通りだと俺と夕飯を食べた後風呂へ行きその後BBBをするだけで一日が終わる。


 一つだけヘブンの事で気になる事があった。


 勉強時間だ。


 あいつ、いったいいつ勉強してるんだ?


 よくよく考えてみるとヘブンが勉強している素振りが全くないし見た事も無い。


 今日家に帰って来たらやった事と言えば制服から着替えてTVを見てるだけで、昨日も夕飯を食べた後は風呂に入るだけでBBBを始めてどこにも勉強した痕跡がない。


 俺とヘブンが通っている高校は進学校ではない。


 いわゆる普通の高校で学校の勉強だけでまともな大学に受かるような高校とは違う。


 それなりに勉強してやっとまともな大学に入れるレベルの高校だ。


 遊び惚けていたら大学卒業前に就職活動で数十連敗して困り果てるような大学にしか行けない。


 昨日はBBBを止めて本格的に受験勉強を始めると言っていたヘブンだけど、本当に勉強をする気があるのかな?


 ちょっと心配になる。


 元ヤンの母ちゃんはヘブンが勉強する事にはあまり肯定的ではなく「女なんてものはね、どんなにいい大学出ても結婚したら寿退社でみーんな無駄になって主婦になるしか無いんだから! いい大学なんて行くだけ無駄だよ」と昭和の男尊女卑の頑固親父みたな事を言っている。


 自分も遊び半分ながら働いてる事をすっかり忘れていて、最近常識となっている働く主婦とかは頭の中に無いらしい。


 おまけに大学進学の話をしていたヘブンに、「高校卒業したら結婚しても働き続けられる私のブティックで働きなさい。私の店なら中卒でも働けるから今すぐ高校辞めてもいいわよ」と、親として言ってはいけない問題発言を平然と言っていたが、あの言葉を真に受けたりはしてないだろうな?

 

 あんないつ潰れるかわからない上に腕に技術が付かない様な店で働いていたら結婚して玉の輿に乗れなければ人生お先真っ暗だ。


 昨日はあれだけしっかりした事を言っていたヘブンだがここ最近は勉強をしている所を見た事が無い。


 本当に大学に進学する気が有るんだろうか?


 あの調子の勉強で大学に進む気でいるなら大学浪人確定でシャレにならないぞ。


 第一、親父や母ちゃんが浪人を許す訳が無い。


 きっとブティックに強制就職だ。


 ヘブンと夕飯を取りながら自分の今後についてどう考えているのか聞いてみた。


「ゲームばかりしている俺が言えた義理じゃ無いんだけどさ、ヘブンは本気でいい大学に行く気なのか? ちゃんと勉強はしてるんだよな?」


「してるよ」


「でも、飯食って風呂入ったらいきなりBBBを始めてないか?」


「うん」


「うん、て……ダメじゃないか。ゲームばっかりで勉強全然して無いじゃないか。お兄ちゃんお前の事を本気で心配してるんだぞ」


「勉強してるよ」


「だって今、風呂から出たらすぐにBBBをするって言ってたろ?」


「BBBの中で勉強してるから」


「はあ?」


 ヘブンが言った『BBBの中で勉強してる』といった言葉の意味がわからない。


 なんでBBBと勉強が関係ある?


 その疑問はヘブンの言葉ですぐに晴れた。


「だってBBBの中は時間加速が10倍だよ。BBBの中でリアル1時間分勉強したらBBBの中では10時間も勉強できるんだよ。だからマイルームで勉強してるの。どうせ毎日2時間の勉強時間を取るならゲームの中でした方がずっと長い時間勉強出来てお得だよ」


 なにそれ!


 天才か!


 なんだ、そういう事だったのか!


 BBBの中で勉強とか遊園地のベンチで勉強するぐらいの意外な勉強法で全く思いつきもしなかったぜ!


「確かにその通りだな。そんな事考えた事も無かったぜ。お前天才だな!」


「にひひひ。そうでしょそうでしょ! まあ本当の事を言うとゲームの中で勉強するって言うのは今度サービスが始まるVR学園ていうゲームを参考にしたんだけどね。VR学園は生徒になりきって学園のなかでプレイヤー同士が恋愛する出会い系サイトみたいなゲームなんだけど、ゲームの中なのにAIの家庭教師が付いて勉強を教えてくれるらしいんだ」


「すげーな! 今はそんなものまであるのか! でもBBBの中で勉強すると言っても参考書や教科書が無い状態でどうやって勉強するんだ?」


「教科書や参考書はデータの形なら持って行けるから電子書籍版の参考書や教科書を買ったよ。それならBBBの中の電子書籍リーダーで読めるからね」


「お前天才だな!」


「にひひひ。でしょでしょ!」


「でもさノートは電子書籍なんて出て無いからどうやって持って行ってるんだ?」


「それが問題なんだよね。ノートはちょっと面倒でカメラで撮影して写真を電子書籍化しないと持って行けないんだよね」


「なるほど、ノートも写真で撮影してしまえばデータとして持って行ってるんだな。いや待てよ? ゲームの中にはデータとしてノートを持って行っても、学校にはデータではノートを持ってけないだろ? 宿題をデータで持って行ってBBBの中でするとして、解いた宿題はどうやって学校に持って行ってるんだ?」


「そこがこの勉強法の唯一の欠点なんだよね。そこだけはどうにもならないからゲームの中でスクリーンショットを撮って写真からノートに書き戻してるんだ。少し手間だけど諦めて手書きしてるよ」


 いい事を聞いた。


 2時間こっちで勉強するよりも、BBBの中で勉強すればより多い時間勉強が出来る。


 どうりでBBBばっかりしてるヘブンの成績が落ちないはずだ。


 リアル2時間分の勉強時間をゲームの中で使ったら20時間も勉強できるんだろ?


 ひょっとしたら俺、勉強しまくりで秀才になれるんじゃね?


 俺は早速BBB内で勉強を始める事にした。

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