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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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激戦の末

 ふー。

 

 死神を倒しほっと息をつく俺。

 

 俺が激戦で気力を使い切り地べたにへたり込んで休んでいると、心配した雪が戻って来た。

 

「ご主人様、ご主人様、大丈夫ですか?」


「ああ、怪我はしてないし、どうにか死神を倒したぞ」


「ご主人様凄いです! あの死神を倒したんですね! 討伐アナウンスを見ましたよ! 死神を倒した人は初めてなんですね」


「そうらしいな。お前の笑顔をもう一度見たいから必死に頑張ったんだ」


「ありがとうございます。こんな笑顔なら何度だって見せますよ。うえっうえっ」


 突然感極まって俺の胸に飛び込んで泣きじゃくる雪。


「泣くんじゃなくて笑顔を見せてくれよ」


「はい」


 目から涙を流しながら無理やり笑顔を作る雪だった。


 かわいいな、おい。


 俺達二人を取り囲むように光が放たれた。


 たぶんゲートだ。


 ヘブンとミキさんが戻って来たみたいだな。


 光の中から現れるヘブンとミキさん。


 その姿は……いや違う!


 出てきたのは……。


 マジかよ!


 ノーライフキング!


 倒した筈のノーライフキングの増援がやって来た。


 しかも6匹も!


 ぐはぁ!


 ありえねぇ!


 1匹でもあんなに苦戦したのに、6匹も来たら俺に倒せる訳が無いだろ!


 無理ゲー過ぎるだろ!


 このゲームの運営は容赦なさ過ぎる!


 俺はすぐに雪の肩を抱き命令する。


「雪、ここは俺が何とかするから、お前は何としても逃げきれ!」


「でも、どこに逃げればいいんです? どこも死神さんだらけです」


 既に死神が俺達を取り囲んで俺たち向け鎌を掲げている。


 しかも物理法則を無視して上空を弧を描くように飛んでジャンプで逃げるのを警戒してる奴まで居やがる!


 逃げられる場所なんて何処にも無かった!


「俺が絶対に雪を守ってやるから!」


 そう虚勢貼るしか無かったが、どこにも逃げられる道は無く倒せる自信も無かった。


 その時新たな光が!


 ゲートだ!


 更なる増援だ!


 死神を一匹倒したぐらいで容赦無さすぎだろ!


 いや違う!


 出てきたのは真っ赤な鎧を着こんだ醜悪な騎士!


 それは噂でしか聞いた事の無いGMだった!


 GMは死神の包囲を通り過ぎ俺の目の前にやって来て両手剣を抜く。


 どんな敵でも喰らいつくすと言われる通常攻撃が即死攻撃の暴食の両手剣(グラトニーソード)


 GM専用装備だ。


 両手剣が光り輝く。


「くっ! ここまでか!」


「ご主人様!」


 このままやられて堪るものか!


 一矢(いっし)(むく)いてやる!


 俺が覚悟を決めて最後の反撃を放とうとした瞬間!


 奴が攻撃を放った!


 奴の方が明らかに攻撃が早かった!


光輪斬(リヒツ・カイズ・アンガー)!」


 GMの剣から物凄い光が放たれ、俺達を切り裂く!


 だがダメージは無かった!


 俺達に向けての攻撃では無かった。


「グゴゥゥゥゥ!」


 俺達の代わりに攻撃を喰らった死神たちが断末魔を上げて一瞬で塵へと変えた。


 さすがGMの装備。


 最強と思っていたデュランダルを超える性能の武器だった。


 半端な攻撃力じゃない!


 俺は思わず声が漏れていた。


「その両手剣凄いですね。」


「それほどでもない。です」


 GMは俺と雪に向かって頭を下げる。


「不具合で大変ご迷惑をお掛けしました。シニアGMのフォースです」


 GMの背後で光るワープゲート!


 また死神か!と、思ったらヘブンとミキさんだった。


「しゃばの空気うめぇ!」


「ガイヤ君と雪ちゃん大丈夫だった? 監獄から帰って来たよ」


「死神の不具合報告をしたらGMさんが駆け付けてくれたんだ」


「パトルヌスを不正プログラムと誤認識した不具合で大変ご迷惑をお掛けしました。至急不具合の改修を致します」


「やっぱり不具合だったんですね。ノーライフキングにレアパトを消されるんじゃないかと焦りましたよ。パーマネント属性の付いた装備も破壊するようなめちゃくちゃな死神でしたから、パトが倒されたらこの世から永遠に消されるんじゃないかとビビりました。おまけにパッケ課金して手に入れた盾まで壊されて消えちゃうし散々な目に遭いましたよ」


「それはご迷惑をお掛けしました。申し訳ございません。失われた装備はログを確認し後程お返ししますし、パトの誤判定に関しても早急にメンテナンスをして対応いたします。パトの消失に関しても戦闘不能になっても消える事の無いように検証を行い、パーマネント属性が付与される改修までの対策となるアイテムを送らせて貰います」


「ありがとうございます。良かったな、雪! もうお前は消されなくて済むらしいぞ!」


「本当ですか! ご主人様と別れなくて済んで良かったです」


「なにか他にございますでしょうか?」


「他には、特にないです。改修の件しっかりお願いしますね」


「御任せ下さい。不具合報告ありがとうございました。それでは失礼いたします。良い旅を!」


 GMはワープゲートを作り出し戻っていった。


 その直後、リアル時間3時間後に全サーバー停止しての緊急メンテナンスが入るとのアナウンスが流れた。


 たぶん、雪の誤判定の対策メンテナンスだろう。


 これで雪がこの世から消える事は無くなり俺はホッとした。

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