表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
25/54

罰当たり

 鈍い音がして重い攻撃が衝撃波として俺の腕に伝わる。

 

 その重さに盾を落としそうになるが必死に耐えた。

 

 不意に重さが嘘のように消える。

 

 死神の攻撃を反射した!

 

 俺の反射した攻撃が奴に襲い掛かり……。

 

 ふああああっ!

 

 攻撃反射なんてしてねぇ!


 俺の盾が砕けた!

 

 テクスチャもモデリングもぐちゃぐちゃだよ!


 冗談だろ?

 

 ありえねぇ!

 

 なんでレア装備のトールの盾が砕ける?

 

 トール装備は課金装備扱いでパーマネント属性付きだろ?

 

 それがなんて砕ける?

 

 壊れないはずだろ?

 

 なんでなんだよ!

 

 パーマネント属性の盾が砕けるなんて攻撃を反射するしない以前の話じゃないか!

 

 この死神、反則過ぎるだろ!

 

 一瞬でパッケ1本分の課金装備が消えちまった!

 

 こんな攻撃を胴に喰らいでもしたらマジでヤバい!

 

 だって壊れないはずの課金装備を破壊するような敵だぞ!

 

 きっと俺の胴体ごと一刀両断されて終わりだ。

 

 これは俺が倒せる敵じゃない!

 

 俺の死ぬ気の奇襲攻撃を受けても体力半分残してピンピンしてやがるし!

 

 どう考えても戦って勝ち目がない。

 

 全くどうすればいいんだよ?

 

 やはり逃げるしかないのか?

 

 雪はもう逃がしたし、もう俺に戦う理由は一つもない。

 

 何考えてたんだよ、俺。

 

 逃げていいんだよ、逃げて。

 

 俺はとっさに戦う事を諦め逃げる事にした。

 

 だが戦わないで逃げられるんだろうか?

 

 素早さのステータスのAGIのカンストした俺の足なら絶対に逃げきれるはずだ。

 

 奴の足の倍は速い。

 

 絶対に逃げ切ってみせる。

 

 俺は全力で雪の逃げた洞窟の出口へと向かう。

 

 俺は死神との距離を徐々に離す。

 

 死神は鎌を振り遠隔攻撃を放って来た。

 

 おれは蛇行走行してそれをかわす。

 

 既に死神との距離は20メートルは離れてる。

 

 このペースなら逃げ切れる。

 

 と、思ったら……。

 

 突如目の前に現れる死神。

 

 空間移動かよ!

 

 死神の鎌が俺に向けて振り下ろされる!

 

 俺は足を止め(すんで)のとこで鎌をかわす。

 

 鎌は俺が居たであろう場所を切り裂いていた。

 

 やべー!

 

 マジ死ぬとこだった!

 

 空間移動なんてこのゲームに有ったのかよ!

 

 死神が二撃目を放つ前に俺は走行を再開。

 

 すると背筋が寒くなる嫌な予感が……。

 

 俺はとっさに走行の向きを変える。

 

 俺の走っていた筈の場所に再び鎌が!

 

 今度は鎌を投げてきたのか?

 

 いや違う!

 

 死神が俺の真後ろに立っていた。

 

 なんでだ?

 

 すぐに理由が分かった。

 

 死神の足が速くなり俺に追いついていた!

 

 さっきまで遅かった死神の足がめちゃくちゃ速くなっている!

 

 走行速度を上げたのかよ!

 

 たぶんAGIステータスを俺と同じカンストまで上げたんだと思う。

 

 走行速度の限界を上げるとか反則過ぎだろ!

 

 運営キャラだからって何でもし放題かよ!

 

 運営が大切にしていたリアルさとかどこに消えてしまったんだよ!

 

 途中で走る速度を上げるとか絶対にやったらダメな事だろ!

 

 そんな俺の心の叫びも知らずに死神は速度を上げた足で俺に迫り攻撃をして来た。

 

 幸いな事に攻撃をすると足が一瞬止まる。

 

 おまけに全力で鎌を振っているから地面に突き刺さり抜くのにわずかな隙が出来る。

 

 それで俺に追いつけないようだ。

 

 俺はそんな大ぶりの鎌攻撃の隙を見計らって攻撃を放つ!

 

 ダメージは?

 

 入った!

 

 1割HPが減っている。

 

 さっきの捨て身の攻撃のダメージを合わせて残り4割のHPだ!

 

 つまりあと4発攻撃を当てれば倒せる計算だ!

 

 チートスペックな死神の攻撃だけどその攻撃さえ喰らわなければ大した敵ではない。

 

 いける!

 

 俺の素早さならいける!

 

 いけるはずだ!

 

 俺はわざと隙を見せ死神の攻撃を誘いヒットアンドアウェイで死神の隙をつき続ける。


 そして4回目の攻撃でついにノーライフキングを倒した。

 

 ノーライフキングは氷が溶ける様に地の底に吸い込まれるように消えた。


 生き残った実感を噛みしめる俺。

 

 やったぜ!

 

 やっと倒した!

 

 やれば出来るじゃないか!

 

 何とか生き残ったぞ!

 

 そして視界左上で光るものが……。

 

 称号アイコンだ。

 

 そこにはこう書かれていた。

 

『罰当たり』

 

『シークレット:運営に歯向かった罰当たりなプレイヤーに与えられる恥ずかしい称号』

 

 なんだよこりゃ?

 

 笑える称号だな。

 

 更に視界上部にテロップでシステムメッセージが流れる。

 

 ──ノーライフキングを初めて倒したプレイヤーが現れました!


 ──『罰当たり』の称号を初めて得たプレイヤーが現れました!

 

 うは!

 

 初回撃破報告かよ!

 

 撃破報告はサービスインの頃はよく見かけたけど、久しぶりだな。

 

 死神を倒したのは俺が初めてだったのかよ!

 

 このゲームのトッププレイヤーでも倒せなかった死神を倒して、俺がこのゲームのトッププレイヤーになった瞬間であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ