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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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BOTを狩る者

 俺達はトカゲボスを倒すと皆、ここの洞窟では経験値の入らないLV20に上がった。


 ここにこれ以上居ても仕方ないのでヘブンに合わせていたレベルマッチを解いてステップの町へ帰還する事になった。


 もちろんリアルさが売りのBBBの運営が冒険者ギルドへの帰還用ポータルなんていう便利な物を用意しているわけもなく、行きと同じく帰りも歩きだ。


 この洞窟はまだ町から近いから帰路の手間は大したことは無いが、町から大きく離れた狩場だと『移動8時間、狩り8時間、帰路8時間』と狩りよりも移動時間の方が明らかに長いという悲惨な事になったりするがレベルの低い俺はそんなとこに行く機会も無いので関係ない話だ。


 レベルマッチを解いて本来の高レベルに戻ったミキさん。


 短剣に偽装したお気に入りのワンドを腰のホルダーに挿す。


 俺もなんとなくトール装備に着替える。


 だって村人A的なLV1のこ汚い服だとミキさんのドレスアップされた綺麗な装備と比べると見劣りしまくりで恥ずかしいから!


 町に着いたらLV20の僧侶の装備を揃えないとな。


 ここのエリアなら上級プレイヤーもいない事だしトール装備を見られても騒ぎにならないから構わないだろう。


「雪ちゃん強かったからこんな所でレベル上げする事無かったね」


「えっへん!」


「確かに雪は強いんだけど、万一の事故が有ると困るから俺は安全優先で地道にレベルを上げるよ」


「そっか。その方が安全だよね。じゃあ、またレベル上げる時は呼んでね。今日は楽しかったよ! もう遅いから町に着いたら私落ちるね」


 メニューのリアルタイムクロックを見ると午後11時52分だった。


 そろそろ寝ないと朝5時に弁当を作るのに起きるのが辛い。


 弁当を作るのって意外と時間掛かるんだよな。


 弁当のおかず自体は冷凍食品メインなのでそんなに時間は掛からないけど、早めに作って弁当箱の蓋を閉めずにご飯を冷ましとかないといけないし。


 洞窟の帰り道にBOTを見てみると相変わらず運営に捕まらずに残っていた。


 でも様子がおかしい。


 狩りをしているのではなく何かから逃げ惑っていた。


 よく見ると大きな鎌を持った死神から逃げ惑っている。


 死神なんて敵は初めて見るな。


 もしかしてレアモンスターなんだろうか?


「なんだありゃ? このゲームに死神なんて敵居たっけ?」


「あれは永久パターン防止キャラのノーラーフキングだよ」


「永久パターン防止?」


「1年ぐらい前に実装されたのかな? 24時間以上連続ログインをすると稀に出現するんだ」


「へー。初めてみたよ」


「GM代わりのキャラでボットの取り締まり用に導入されたんだ。BOTを一撃で戦闘不能にして監獄に送るんだよ。捕まったBOTは監獄でGMの取り調べを受けるんだけど大抵は不正行為を摘発されて有罪でそのままアカウントBANだね」


「あの死神は強いのかな? 高レベルだと逆に狩られたりしない?」


「強いよ。BOT退治用のGM代わりの運営キャラだからね。実装直後のイベントで当時のレベルキャップのLV75の廃人プレイヤー何人かが挑んだ事が有るんだけど、防御力が凄いから普通に攻撃しても全然ダメージが通らないし、逆に死神の攻撃は即死レベルのダメージだしで一瞬で倒されたらしいよ。いまはレベルキャップがLV99に上がったけど装備の整っていないBOTだと一瞬で殲滅出来る位の強さらしいね」


「そりゃまた凄いな」


 ミキさんの言うとおり、バタバタと倒れていくBOTキャラ達。


 次々に光の粒子となり監獄に送られた。


 死神は20秒も経たずに、全てのBOTキャラを退治した。


 それを見てヘブンが大喜びだ。


「すごいね! 一瞬だったよ! さっき私たちが通報したから来てくれたのかもね」


「あ、それたぶん違うと思う。BOTのログイン時間が長時間になったから通報とは関係なしに来たんだと思うよ。もし通報で来るなら5人目の通報が来た時点で死神なんて現れないでBOTが即監獄送りになると思う」


「そっか。通報の意味あんまりなかったね」


「でも消えなかったお陰で結構レアな死神を見れたからいいんじゃない? あとでSNSに死神を投稿しておこ」


「今の写真に取ったの?」


「写真じゃ無いよ。動画」


「いつの間に!」


 死神はBOTを退治しても消えずに残っていた。


 まるで俺たちとの記念撮影でもして貰うのを待ってるかの如くに。


 ミキさんがいうには次の被害者となるBOTをサーチしているらしい。


「ねぇ、せっかくだからみんなで写真撮ろうよ!」


「おう、そうだな。この前の沼の写真は雪が泥だらけで酷かったもんな」


「ご主人様と写真が撮れるんですか! やったー!」


 死神の横に立ち写真を撮ろうとしたその時!


 死神の目が赤く激しく光った!


 そして冷たい声。


「不正キャラクター発見。BBB利用規約第24条5項『不正プログラムの使用の対処』により、不正プログラムを即時抹消します」


 死神は雪に向けて鎌を掲げた。

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