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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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極上スイーツ

 タルミースラの街の近くでレベル上げしてもいいと思ってたけど雪絡みでちょっとした騒ぎが起きたのでやはり上級プレイヤーも集まるこの街の近くでレベル上げをするのは危険だと悟った。

 

 移動に手間が掛かるがやはり予定通り初期村のステップでレベル上げをした方がいいだろう。

 

 馬車の所要時間45分、ステップの街へとやって来た。


 その所要時間の45分の内、移動時間は15分だけで馬車待ちで30分掛かったんだけどな。

 

 馬車待ちとかこんな面倒なリアルさは要らないと思うんだが、運営はこの面倒なシステムを変える気は無いみたいだ。

 

 ラスボスさえ倒してしまえば英雄として街を行き来出来る空間ゲートみたいな物を使えるようになるんだけどラスボスをまだ倒して無い俺には縁のない話だ。


 ステップの町はこのゲームを新規で開始したプレイヤーが降り立つ初期村だけあってすぐ近くのフィールドには強い敵は居ないので安心して狩りが出来る。

 

 おまけにサービス開始直後はLV6迄しか初期村周辺フィールドの敵を倒しても経験値が入らなかったが、今はかなり緩和されてLV10になるまで経験値が入るようになった。


 つまり弱い敵を相手にレベル上げが出来るようになったと言う事だ。


 俺達はここの敵を地道に狩りレベル上げをする予定だ。


 まあ、ここを狩場に選んだのは敵が弱いだけじゃなく、レアパトの雪を出していても騒ぐような上級プレイヤーが居ない事も大きい。


 それにしても雪は可愛いな。


 他のプレイヤーが嫉妬で騒ぐのも解るわ。


 白い和服姿の雪も良かったが、着ぐるみを着た雪は可愛さに磨きがかかって可愛さとキュートさが当社比100%アップだ。


 その可愛らしい雪が上目遣いで俺に話しかける。


「どうです、ご主人様。雪の着ぐるみ姿はかわいいですか?」


「うん、めちゃくちゃ可愛いぞ。まるでクマのぬいぐるみが動いてるみたいで、本当に可愛い」


「ご主人様に喜んで頂いて光栄です」


「よし、じゃあレベル上げを始めるか!」


「はい!」


 で、ここら辺の敵を狩り始めたのはいいんだけど妙に弱い。


 経験値が入らない訳じゃ無いんだけど一撃で倒せる弱さ。


 雪が短剣で一突きすると敵が爆ぜ俺が杖で敵をぶん殴ると地面に物凄い勢いで叩きつけられて一撃で死ぬ。


 なんか物凄く張り合いがない。


 「こりゃもう少し強いエリアに行った方がいいのかな?」と思う反面、「いや雪を危険な目に遭わせないって決めたんだから、せめてここで経験値が手に入らなくなるまで地道に狩りを続けて頑張る!」と、どちらにしようか思い悩んでいた。


 だが、その悩みもすぐに解消した。


 あまりにもテンポ良く狩りをしていたせいかあっという間に経験値の入らないレベルのLV10に到達してしまったのだ。


 もうここでは敵を倒しても敵とのレベル差があり過ぎて経験値が手に入らない。


 さてと、どうしたものか……。


 ここでこれ以上狩りを続けていても意味が無いので、ステップの町に戻って考えよう。


 雪を連れて食堂へ行き休憩しながら考える事にした。


 俺は雪にメニューを渡す。

 

「好きな物食べていいぞ」


「じゃあ、雪はご主人様をいただきます!」


 腕を絡めて抱きついてくる雪。


 とっても可愛いけど俺は食い物じゃ無いから!


 とりあえず女の子が喜びそうなパフェを注文してやった。


 丼物とパフェが並ぶメニューはどうかと思うが気にしない。


「こ、これは!」


 パフェを一匙口に運ぶと目を輝かせる雪。


「このふんわりとした濃厚なクリームと、柔らかで冷たいソフトクリームと、チョコソースと苺やバナナのフルーツのバランスの良さ! これは絶品でほっぺたがとろけ落ちそうです!」


 そりゃ美味い筈だ。


 このゲームの食事は開発の妙な拘りがあって有名レストランやスイーツ店の監修の元作られている。


 だからフルコース料理から親子丼まで何から何までが美味い!


 パフェも有名スィーツ店が監修に当たっているので他のネトゲとは比べ物にならない位美味い。


 そんなところにばかり開発リソースを割く運営。


 このゲームの開発は力のかけ所がおかしい。


 それにしても料理の味迄分かるパトって超高性能だな。


 雪の喜ぶ顔を堪能していると妹のヘブンからのカットインメッセージが入った。


 カットインメッセージとは動画チャットみたいな物だ。


 フレンド登録してると送受信が出来る。


「お兄ちゃん何処にいるの?」


「今ステップの町で雪とレベル上げしてたとこだ」


「やっぱり雪ちゃんと一緒だったのね」


「そりゃ俺のパトだからずっと一緒だよ」


「なんかタルミースラの町でレアパト絡みの騒ぎが起きたって聞いたんだけどお兄ちゃんじゃないかと思って心配してね」


「あー、それ多分俺だわ。雪を見つけたプレイヤーが集まって来て騒ぎが起きたからステップの町に逃げて来た」


「雪ちゃんは無事?」


「おう、すぐに逃げたから大丈夫だぞ」


「よかった。夕飯の埋め合わせでお腹いっぱい食事を取って堪能したから私もそっちに遊びに行っていい? 私もレベルを上げたいジョブがまだ残ってるからいいかな?」


「いいけど、LV10になっちゃったからここじゃ経験値が入らなくなって他のとこに行こうと思ってるんだけどいいかな?」


「うん、じゃあすぐにそっちに向かうね」


 俺達とヘブンが合流する事になった。

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