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全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、チームでハブられていた俺は成り上がる  作者: かわち乃梵天丸
第一章 全財産をガチャに注ぎ込んだ結果、なんだかんだでトッププレイヤーになる
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雪がこの世から消されぬ為に

 雪のステータスを確認したらPで示されるパーマネントの属性は無い。


 つまりプレイヤーと違い死んで教会で蘇生失敗してしまったらキャラロストで消えてしまうと言う事だ。


 再入手は出来るが記憶が消え……。


 それは雪であってももう今までの雪ではない。


 さすがにそれは耐えられない。


 おまけにステータスを見ていて気が付いたんだが雪はまだレベル1ケタ台だけあって弱い。


 それなのに俺はギフトの沼で露払いをさせて、LV30ぐらいの冒険者がソロで相手にする亀と戦わせていたり、屋敷の側近を前に囮に使って俺が逃げようとしていたり。


 いつ死んでもおかしくない状況だった。


 俺はなんてバカな事をしていたんだ。


 とんだ糞野郎だ。


 今後はこんな事が無いように気をつけよう。

 

 俺がやる事は決まっている。


 ・雪のレベルを上げて強くする。

  敵と不意に出くわして起こる戦闘事故で死ににくくする。


 ・俺が蘇生呪文を使えるようにする。

  雪が死んでも俺が生きていれば教会を利用せずに蘇生呪文で生き返らせられる。


 雪を守るにはそれしかない。

 

 早速戦士から僧侶へ転職をする為にバフーフの神殿に向かう。


 俺が僧侶になれば一時的にレベルは落ち戦闘力も下がるがちゃんとメリットはある。


 僧侶のレベル上げをしてLV20まで上げれば他のジョブでLV20までの僧侶の初期呪文や初期スキルが使えるようになる。


 つまり、回復呪文や蘇生呪文の使える戦士になれる。


 そうなれば万一雪が戦闘で倒れても俺が蘇生すればキャラロストは無い。


 雪を守るには僧侶に転職して蘇生呪文を覚えるしかない。


 そう決めた俺だった。


 *


 俺と出掛けられると知って雪が大喜びだ。

 

「ごしゅじんさま、どこに出掛けるんですか? 雪とデートですか?」


「そうだな、デートいくぞ」


「デ、デートですか! とっても嬉しいのです!」


 飛びついて俺に抱きつく雪。


 ここまで喜ばれるとなんか騙してるみたいで気が引ける。


「ただし目的地は転職の神殿だ」


「転職するのですか?」


「おう、これから雪とレベル上げをする為に俺が僧侶になろうと思ってな。転職の出来るバフーフの神殿に向かうんだ」


「わたくしがご主人様と一緒にレベル上げが出来るのですか?」


「雪も俺も一緒に強くなろう」


「ありがとうございます。わたくしご主人様と一緒に訓練出来るなんてとっても嬉しいです」


 このゲームの転職はかなり辺鄙(へんぴ)な高い山の(いただき)にある神殿でしか行えない。


 ゲームのコンセプトとして世界観にリアルさを追求してゲーム的な要素を排除すると言うのがある。


 妙にリアルさに拘っていてプレイヤーキャラには人間キャラしか用意して無かったり、他のゲームみたいに出掛ける狩場によって編成を変える為に転職するような事も基本的に認めていない。


 あくまで戦士は戦士でどの狩場でも前線に出て敵と戦い、後衛は前衛の後ろに下がり前衛のサポートや援護を行うのがこのゲームの基本コンセプトになっている。


 初期はそんな感じで頑なにリアルさを守り続け転職は無かったがプレイヤーからの強い要望で転職が実装されゲーム的な要素も徐々に追加されている。


 もちろんそんな運営がタダで転職をさせる訳もなく富士山とまではいかないが雲取山レベルの辺鄙な所にある高い山の頂まで歩いて登ると言う糞面倒な事をしなければ転職できないようになっている。

 

「ごしゅじんさま、これがデートという物なのですか?」


「おう、これがデートだ」


「さっきから一言も喋らないで、息を切らせながらこの岩山に登るのがデートなのですか?」


「おう、これがデートだ」


「街中で一緒にスィーツを食べるようなのがデートだと思ってました」


「おう、それもデートだ」


「これはハイキングですよね?」


「おう、たぶんそうだ」


「ならお弁当を食べたいです。ハイキングならなんでお弁当が無いんですか? 言ってくれれば作って来たのに」


「すまん弁当の事まで気が回らなかった。後で山を下りたら美味い物を食べようぜ!」


「たのしみです!」


 急角度の坂を息を切らせながら登る。


 半分目が回っていたので適当に答えていたがなんだか騙してるようで辛い。


 あとで街に戻ったらデートっぽい事でもしてやろう。


 俺と雪は4時間程掛けて岩山を登り神殿へとたどり着く。


 高い山の頂にある小さな神殿だ。


 短い転職待ちのプレイヤーの行列が出来ていたが並んで5分もすると俺の転職の番になった。


 白いひげを生やしたNPCの神官が(うやうや)しく問いかけてくる。


「汝新たな境地を目指し新たな職に就くのか?」


「はい。僧侶になります」


「よろしい。ではここに誓いの……」


 俺は僧侶へと転職を済ませ、また山を下りた。


 帰りは降りるだけなのでかなりの余裕が出来る。


 登りと違って雪ともかなり話せた。


 雪はハイキングデートが出来たと大喜びだ。


 雪を見てると新しい小さな妹が出来たみたいで幸せな気分になれる。


 俺はこのゲームに復帰してよかったなと心の底から思った。

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