始まりは不審なメール
ある休みの日。
することがなくゴロゴロしていると、スマホからメールの着信音がなる。
確認してみると、知らないアドレスからだった。
from:*******@***.ne.jp
subject:無題
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
伊藤クンへ
このHPへ行き、ゲームをプレイしてください。
http://*********.*****//**@.com
ID0010
パスワードitoukun
パスワードは変更できますが、変えなくても特に問題はありません。
乗っ取りだなんて、僕は考えていませんから。
いたずらではありません。本気です。
助けてください。君の力が必要です。
理由は行けばわかります。
お願いします。
―END―
「何だこれ。」
もう一度読む。
from:*******@***.ne.jp
subject:無題
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伊藤クンへ
このHPへ行き、ゲームをプレイしてください。
http://*********.*****//**@.com
ID0010
パスワードitoukun
パスワードは変更できますが、変えなくても特に問題はありません。
乗っ取りだなんて、僕は考えていませんから。
いたずらではありません。本気です。
助けてください。君の力が必要です。
理由は行けばわかります。
お願いします。
―END―
「・・・意味わかんねぇ。」
少しの間フリーズするが、やはりその結論に至る。
差出人のアドレスには全く心当たりが無い。
「それに・・・。」
“伊藤”という名前。
確かに俺は伊藤だが・・・。
しかし、もし適当に送ったとして、本当に伊藤という名の人に当たる確率はそう高くはないだろう。
実際に日本人の名字は佐藤だか鈴木だかが1位だったと記憶している。
それに、なぜ差出人は俺のスマホのアドレスを知っているのだろう。
俺も多少、ネットゲームなどはやるが、登録の際必要になるアドレスはすべて無料のフリーアドレスを使っている。つまり、俺のアドレスを知っている人は、俺がアドレスを教えたやつということになるわけで・・・。
「考えることは止めだ、止めだ!」
考えたって到底答えが出そうに無いことに、無駄に時間を費やすことはない。
―――というわけで、とりあえずメールのURLをクリックした。