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セフォリアの帰郷























コバタ村、冬盛の月2日 夕方、タスク





薬を卸すことについての事務的な細かなことはエリアスに任せてしまうことにした。


量については気をつけるように指示を出しておいた。


あんまり多く薬を出して、治癒士と呼ばれる人達から恨みを買いたくない。


さてと!薬の製造についてはどうしたものかな。


少しの間なら艦隊の備品を使えばいいのだが、無くなればそれまでだ。


その後はどうするか?



結局のところ材料・原料を調達して製造することにした。


材料・原料として使えるものの調査は順調とはいえないが、それでもある一定の成果は出た。


地球圏にサンプルとして、数百種類にわたる植物・土壌・鉱石・その他のデータを送っていた。


送られたデータとしては全体の量からみると微々たるものだったが、その中に人体に薬効成分として推察されるものがあったのだ。


他にも、艦隊独自で調査したものの中に期待の持てるものが見つかった。


「アポロからの資料だと、どうにかなるかな?でも問題は…」


成分として利用できそうなものはあるけど、抽出や加工は普通に手間がかかるな。


今後の調査で薬効成分を多く含んだ素材が見つかるかもしれないが、今のところはまだだ。


どうしたものか。


アポロからは加工製造施設建設の打診がきているが、あんまり大規模な施設は必要ないんだよな。


大儲けするつもりはないから。


タスクは人助けはするが、すべての人に行き渡るほどの量を供給しようとは考えていなかった。


螺旋構造操作も併用すれば、小規模施設でもそこそこの量は製造できそうだ。


ナノ粒子結合を使えば製造量はもっと増えそうなんだけど、なんでだか地上だと効率が悪いんだよな。


ナノマシンの動きは問題ないんだけど、粒子結合がどうにも地球圏のようなにならない。


仕方ない、地道に作るとするか。


まぁ、部下達が作るんだけどな。


「よし、そうと決まったらアポロに連絡を入れよう」


俺は自室にある通信端末からアポロに連絡を入れた。







「そういう訳なんで、それほど大きな施設は必要ない。細かなところは一任するから頼んだ」


「了解しました」音声だけのやり取りだが返事が返ってきた。


数日後には最初に納めて欲しい数量の連絡がくる。そんなことを考えているときにドアを叩く音が聞こえた。


そして廊下から声が聞こえる。


「セフォリアです」


「どうぞ」と俺が返事を返した。


部屋に入らずにドアを開けたまま話しかけてきた。


「そろそろ屋敷に戻ります」


「ん?もうそんな時間ですか?」考え事やアポロとの打ち合わせをしているあいだに、思ったより時間が経ったようだ。


「はい、もうそろそろ日が落ちる時間です」


「そうでしたか、お送りします」そう言ってセフォリアさんへと歩き出す。


「ありがとうございます」


2人は建物を出てガウスレバス家の屋敷に向かった。


何日前からだろうか、タスクはセフォリアを屋敷のすぐ近くまで送るようになっていた。











ガウスレバス市、冬終の月29日、セフォリア



先日お父様から『大事な話があるから一度戻るように』と連絡がありガウスレバス市に戻ってきた。


今年の冬はいつもより随分すごし易いわね。


今は朝食をすませお父様の書斎に向かっています。


いったいなんでしょうか?私をコバタ村から呼び戻すなんて私に関わる大事なことでも?


少々不安です。


今までお父様から、呼び戻されてまであらたまった話をされるなんてなかったですから。


セフォリアは部屋の前まできてドアをかるくノックした。


「お父様、セフォリアです。入ってもよろしいでしょうか」


中からお父様の返事が返ってきた。


「待っていた、入りなさい」


私はドアを開け中に入った。













ちょっと短いですね。


期間が空いた割りに短く申し訳ありません。

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