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面倒事
















「それでは冒険者ギルドに私の薬を卸して欲しいと?」


「はい、そうなのです。今までの薬などとは効きが比べるべくもありません。ぜひお願いします」


正直、ここまで話がくるのに時間がかかった。


和んだ感じと言っても、『最初に比べれば』と言うことだ。


あの手の薬はまだこの星では早すぎたか?とタスクは考えた。


渡さないほうがよかったか?しかしあの薬で助かった人が居るのも確かだし…。


助けられるのに助けない。軍ではそうしなければならない場合もあるのは知っているが、事実タスクも1回だけそういった状況に陥ったことがある。


地球圏でのことだが、宇宙海賊との戦闘でのことだった。


閑話休題。




タスクは助けられるものなら助けたい、偽善であっても目に入る人には幸せになって欲しいと思う。


かと言って、自分の生活を投げ打ってでもと言うわけではない。


矛盾したとこでもあるが、それが自分・タスクだと思っている。


「いかがでしょうか?」


ドミンゴさんがさらに聞いてくる。


そこにセバスさんが話しに入ってきた。


「少々よろしいでしょうか」


いきなり、結論をせまられているところにセバスさんの言葉。


「なんでしょうか?」


「ドミンゴ様、ドミンゴ様はタスク様とはいかほどの取引を考えているのでしょうか?」


ドミンゴの表情が少し変わる。


「タスク様は我がガウスレバス家に仕えている方であります。あまりに大きな額ですと我が主のガルバジ様も口を挟むやもしれません。先ほどから話を聞いていますと思った以上に大きな額になるように感じるのですがいかがなのでしょうか?」


ん?ドミンゴさんとガルバジさんのあいだではどこまでの話をしていたんだろうか?と疑問が出る。


「えっと~、ドミンゴさんとガルバジ様とのあいだではどういった話が?」俺が素直に疑問を口にした。


ドミンゴさんとセバスさんの視線が交錯する。


「え~~っと、なんて言うか、とりあえずガウスレバス家の家臣でもあるのでセバスさんと少し話をしようかと思いますが。ドミンゴさんよろしいですか?」


そう言うとドミンゴさんはちょっと難しい顔をしたが何も言わず「はい」と返事をしてくれた。


セバスさんと一緒に部屋を出て、隣の部屋に移動した。後ろからエリアスがついてくる。















隣の部屋に移りセバスさんと話をすることになった。


食堂に比べれば小さい部屋だ。


それでも普段は子供達の寝室や勉強部屋としてして使っているのでテーブルもイスもある。


壁には本棚があり数十冊の本が並べてある。


壁にもいくつか貼りつけているものがある。


「こんな部屋で申し訳ありません。もともと私のところには客間や応接室のようなものは無いので」


「かまいません」キョロキョロしていたが俺の声にそう言ってセバスさんはイスに腰を下ろした。


「お嬢様は?」と言う俺の問いかけにエリアスは「ドミンゴ様のお相手をされています。お客様だけにして手持ち無沙汰にされるのもと思われたようです」


セフォリアさんの気遣いに感謝する。気のつく方だ。


セバスさんはそこでも少し表情に変化があったが、すぐもとに戻った。


「それで、どうなんでしょうか?」


「と言いますと?」


「先ほどのセバスさんとドミンゴさんの話ですけど」


「はぁ、そのことですね」そういってセバスさんは説明してくれた。


はっきり言って俺は、商売をして大金を稼ぎたいとは考えていない。


それに現状では薬・薬品・薬物を恒久的に供給できるほど残ってはいない。


数十人分ほどであったら一生分に値する量が艦隊に配備されているが、商品として卸すほどあるかと言われれば到底足りない。


この惑星上で代替になる原料を採取・生産・採掘しなければ恒久的な供給はできないだろう。










話を聞き終わり率直に感じた感想は『商売って面倒くさい』だった。


最初は旅の商人として村に来たタスクとは思えない感想だ。


薬はもともと量に限りがあるもだし、代替品を製造するにしても材料・原料の調査に数日から数ヶ月かかるかもしれない。


それに、ガウスレバス家の家臣である自分が、勝手に大商(おおあきな)いをするのは(あるじ)であるガルバジの不興を買うかもしれないと。


そこまで考えてセバスさんに提案をした。


「セバスさん、この際、ガウスレバス家でこの取引をまとめてもらえますか?その方があとあと面倒にならなくていいかもしれないですし」


「よろしいのですか?」


「はい、でもいくつか守ってもらいたいことはありますが」


「伺いましょう」


そしていくつかこちらの要望をだした。


まずは、私の名前を表に出さないこと。


卸せる量には限りがること。ある程度の要望には応えるよう努力するが限度があり、製造の都合で数や種類がそろわない場合があるということ。


タスクのところに直接薬についての交渉が来ることのないようにしてもらうこと。ありていに言うと薬はすべて一度ガウスレバス家を通して販売すると言うことだ。その中で冒険者ギルドは最初にわざわざ来たのである程度は融通してやってほしいということ。


面倒な交渉ごとは全部ガウスレバス家に丸投げと言った感じだ。


守られない場合は卸すことを止める場合もある、と強くセバスさんに言った。


セバスさんは難しいような疑問を感じるような表情を見せたが、何も言うことなく「わかりました」と返事を返してくれた。


「必ず守って欲しいことは先ほどのことだけですから、報酬など細かなことはエリアスと相談してください。エリアス、あとは任せた」


そのあとは少しだけセバスさんとエリアスが話をして、ドミンゴさんのところに戻ることとにした。









あんな面倒そうな話は午前中でさっさと終わらせてしまいたい。


午後には村の人との話し合いもあるしな。
















薬に関してはこれで終わります。


なかなか話は進まず、自分としてはあんまり楽しく書けていません。


読者の方もサクサク読み進めていないかもしれないですね。


次話、もしくは次〃話からは話をサクサク進めるようにしようと考えていますが、書き貯めを読み返してみると『なんだか思った感じになっていない』、そんな感じです。


自分の文章表現力の無さが恨めしくなります。

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