45話目 呼び方
セフォリアin子供達の建物、秋盛の月6日
昨日タスク様に私にもここでの勉強を教えて欲しいとお願いしましたら、にっこり笑って了承してくれた。
「では、セフォリアお嬢様がどこまで習ってきたのか確認したいと思いますので、この問題を解いていただけますか、
よろしいでしょうか?」
しばらくたつのにタスク様は私のことをお嬢様と呼ぶ、もう少し親しく呼んで欲しいのに。
「タスク様、勉強とは関係ないのですがいいでしょうか?」
「はい、なんですか?」
「私を呼ぶのにお嬢様とかって呼ばないで、『セフォリア』って呼んでください。それにタスク様は私の先生になるのですからもっと呼び捨てでかまわないのでお願いします」
タスク様は驚いた顔をしている、でも私はもっと親しく話しかけて欲しいと思っているんです。
ちょっと間があってから、「しかし、私はガウスレバス家に仕えている者です、そこの令嬢を呼び捨てで呼ぶことはできません」
「どうしてもだめですか?」私はちょっと悲しくなってうつむきぎみになってしまった。
「はぁー、では回りに人が居ないときは『セフォリアさん』と呼ぶのはいかがですか?」
「それでもお嬢様って呼ばれるよりいいです」顔を上げてタスク様に勢いよく言った。
「では、セフォリアさんよろしくお願いします」
「タスク様、名前だけじゃなくて2人のときはそんなに丁寧に話さないで下さい」
「では、私にも『様』は付けないでもらってもいいですか?」
「え?でも…」
「じゃなければ私も『お嬢様』って呼び続けますよ」
「わかりました、えーっと、タスクさん?」
「はい、それでお願いします」タスク様も笑ってくれている。
口では『タスクさん』って呼んでいるけど、心の中では『タスク様』って思ってしまうのは内緒にしておきましょう。
「それでは、問題はいいですか?」
「はい、お願いします」
私はそのあと結構な量の問題に取り組んだ。
感想は、最初の4分の1くらいはわかったのですけど、そのあとのはほとんど解りませんでした。
私も貴族の娘なので、それなりに勉学にはいそしんできたのですが難しいと感じました。
そして、問題数は多いのですが魔術に関する問題は思った以上に少ないと感じました。
無いわけではないのですけど、私が今まで家庭教師から出された問題と比べてその比率が随分低いなと感じたのです。
※タスクとエリアス、セフォリアの問題について昨日の相談内容
「エリアス、セフォリアさんに出す問題だけど、どういったものがいいかな?」
「そうですね、一応のところはカシャに解いてもらった問題でいいと思いますけど、セフォリアさんはカシャより教育を受けてきているはずですからもう少し増やそうかと考えています。
それと子供達と話していると解ったのですが、特殊能力、ここでは魔術でしたね、それについての問題とかもあるようです」
「そうなのか?魔術って実地のみだけじゃないのか?」
「そのようです、この星では能力のある人の比率が高いですが、それでも簡単に使えると言う訳ではないようです。
能力とそれを効率よく使うための技術と言うものが少しあるようです」
「しかし、魔術の問題なんてさっぱりわかんないけどな」
「そのあたりについても、地球圏の特殊能力と照らし合わせて問題を作ろうと思っています。そしてこれを機会に私たちも『魔術』に関して本格的に調べようと考えています」
「なるほど、地球圏の事象を織り交ぜて問題を出して、セフォリアさんにこの星での魔術への理解度を教えてもらおうということだな」
「そうです」
魔術への理解を深めるために、セフォリアさんに協力してもらおうというとこだった。
一応次話も書きあがってますけど、ちょっと修正してます。