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42話目 なんで?

短いですが投稿です。























翌日の朝はセフォリアさんに起こされた。


昨日は診療所の建物の空いている部屋で休んだのだが、診療室を使っているということで子供達の建物で休んだのだ。


部屋が埋まっていたので食堂を仕切ってベットを持ち込んだ。


「子供達が食事しに来るので早く起きてください。宿屋じゃなくてお客さんの扱いとは言えませんけど仕方ないですよね」確かに、宿屋でもないタスクさんの家にやっかいになっているのだからあまり贅沢も言えない。


「おはようございます、今起きます」眠い目をこすって俺は起きだした。


隣で寝ているサワサにも声をかけて起こした。


昨夜はこの仕切った場所で、寝る前にサワサと話しこみずいぶん遅くまで起きていたのでなかなか起きない。


もともと冒険者は危険地帯や護衛などの依頼を受けることが多く、魔導士はどうしても攻撃系が得意なのが多い。


治癒系も使えるのだがあくまでも必要最低限と言うのがほとんどだ。


いくつか系統があるようだが俺はよくわからない。機会があれば聞いてみようとは思うが。


ともかく俺より魔術に詳しいサワサの意見でも、俺と同様にマシュリーさんの怪我を治すのは不可能だと言っていた。


あの場では口を挟まなかったが、村人の心配を(あお)るようなことはしてはいけないと思ったらしい。


まがりなりにも魔導士であるサワサと俺の言葉では、魔術の力についての説明の信頼度が違うのではないかと言うことだ。


「子供達も食事に来ますし、タスクさんが8時には診療所から出てくるそうなので早めに済ましてくださいね」


俺とサワサは急いで食事を済ませた。


外から村人の声が聞こえてきた。


「マシュリーさんはどうかね?」「家に帰るための荷車を持ってきたが必要かね?」

心配で来た村人が4~5人ほどいるようだ。


セフォリアさんと一緒に診療所の前で待っていると、言っていた時間より10分ほど早くタスクさんが出てきた。


「みなさん、おはようございます。どうしたんですか?」


子供達も待っていたので、診療所の前では全部で15人ほどの人だかりになっている。


「一応心配で皆さん来たんですよ」セフォリアさんが返した。


「そうだよ、マシュリーさんの怪我も心配だけど、それよりタスクさんだって徹夜で治療だろ?」


他にも幾人かが声を上げる。


村の人の話を聞いていると、マシュリーさんの怪我の具合はそれほど心配していないようだ。


来た理由はマシュリーさんが怪我をした材木の持ち主、責任を感じたのだろう。


それに帰るために何か必要かもしれないと思って駆けつけた人たちだった。


一番遅れてきたのがハルトさん(マシュリーさんの旦那)だったのだから、けが人本人を心配しているのは居ないように感じる。


そんなことを思っていると、エリアスさんに介助されながらマシュリーさんが出てきた。


「皆さん、おはようございます」エリアスさんだ。


「おはようさん」マシュリーさんもあとから挨拶を言ってくる。一昨日会った時より元気は無いがしっかり自分の足で立って歩いている。


その後、村人は建物に入り「持ってきたから食事にしよう」と篭を持ち上げて皆に見えるように言った。


「うちにも朝ご飯あるからそんなのいらないよ~」子供達の声が聞こえてくる。


「こら、そんなことは言うもんじゃありません。皆さんの好意に失礼をしてはいけませんよ」セフォリアさんが躾らしいことを言っている。

「いいよいいよ、まだ子供なんだから」「ゴメンナサーイ」中に入っていった人たちはそんなことを話していた。


しかし俺とサワサは呆然と立ち尽くしていた。


そして頭の中では、なんで立っているんだ?なんで歩けるんだ?あんな大怪我だったら翌日に歩けるなんてありえない!そもそも治るようなものじゃない!


そしてなんで誰も不思議がらないんだ?


となりのサワサに首を向けると俺以上に呆然とした顔をしていた。


「ギフロさーん、サワサさーん、どうしたんですかー?早く中に入ってくださーい」子供達が呼ぶ。


俺とサワサは中に入っていったが、サワサが小さな声で「なんで?」と繰り返しているのが聞こえた。




   

















外からやってきた人にタスクの力の一端を見せました。


ほんの一端です、これからもこういったことは出てきます。

ちなみに医療に関することとは限りません。




次回投稿、今日中にします。

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