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36話目 パーティー

前回投稿から4時間半です。


今回は末の妹が出てきます。


次話以降はそれなりに出てきます。


性格付けがわりとはっきりしているので書いていて楽しいです。











シェフェイールアinガウスレバス邸自室、秋始の月6日、昼





昨日領地に帰ってきた。


お姉さまの病気が治ったと聞いたが、本当は見るまで半信半疑だった。


でも、実際に会ってみると綺麗に治っていた。ビックリだ。


今までお姉さまの肌はただれて、家族以外には見せていなかったのに、それが綺麗になってしかも私よりも肌理(きめ)が細かいみたいだ。


ちょっと嫉妬。


でもお姉さまの病気が治ったが嬉しいのは確かだ。


「これでお姉さまにも求婚者が押しかけるわね、お姉様ってそもそも綺麗なんですから病気が治ったら引く手あまたです」


「え?結婚?私はそんなこと考えてもいなかったわ。でもそういうこともあるのかしら?」


「当然です、お父様にとってお姉さまと私はどこかと縁続きになる一つの駒と考えるのも当然ですわ。愛して下さっているのも間違いないでしょうけど」


「でも、結婚なんて今は考えられない…」


お姉さまに縁談の話をし始めてから、それまでとはちょっと違う雰囲気になった。


どうしたのかしら?


「もしかしてお姉さま、誰か好きな人でも?」


「好きな人?」


でもこれはおかしい、お姉様は今までほとんど人目に触れていないので、男性の知合いなんてまず出来るはずがない。


お姉さまはちょっと不思議そうな顔をして「特には思い当たらないですけど…」そんな言葉が帰ってくる。


そうかしら?私の知らないところで何かあったのかも。


お姉さまの様子を観察しませんと!


私の得意な『人間ウォッチング』です!






















あるパーティー出席者inガウスレバス市、ガウスレバス邸、秋始の月6日、夜、パーティー会場内 






パーティーが始まって少し時間が経つ、そして思ったより多くの人が来ていた。


東隣の領のサシャシェル伯爵とその息子。


ガウスレバス領から南東、サシャシェル領の南にあるトバリオ侯爵家の子息。


他にも爵位は無いが、下級貴族と呼ばれる人たち、そして魔導士と呼ばれる人たち、有力商人も、全部で数十人に上るだろう。


もともとガウスレバス家はパーティーなどはあまり行わない、しかし今回はセフォリアの病気が治ったことと、末の娘シェフェイールアが少しばかり帰ってくると言う事でこの機会に全快祝いとそれを公表するためにパーティーを開くことになったのだ。


そして、めったにパーティーなど開くことのないガウスレバス家と言う事で、近隣の侯爵家や伯爵家では珍しいと言うこともあって出席してきた。


それに多くの人は、全快祝いと言うことはあの『タダレ皮膚のセフォリア』の病気が治ったということ。あの病気を治した治癒士をぜひとも見てみたいということもあったのだ。


「これはこれはコルレニウム様、ご無沙汰しております」サシャシェル伯爵だ、隣の領地を治めているがあまり良い噂を聞かない。


「これは丁寧にありがとうございます」たしかに私の家は侯爵家でサシャシェル家より格上だが、私自身が爵位を持っているわけではない。

なので私自身は爵位を持たないただの若造と言ってもいいだろう。


しかしサシャシェル氏は私の心象を良くしようと必要以上に丁寧なのだろう。


私自身は『年長者らしい堂々とした態度』を見せて欲しかった。


「コルレニウム様が来られるとは知りませんでした。もしかして治癒士が気になったので?」


「そうですね、私もどんな治癒士なのか気にはなりますが、セフォリア嬢の病気が治ってよかったと言う気持ちが大きいですよ」


これは事実だ、以前からセフォリア嬢は綺麗だとの評判だ。病気でタダレ皮膚になっているが、治ったとなれば一目会いたいと思うのが男のサガだ。


「そうですか、いや、私も病気が治ったことは喜ばしいと思います」


「コルレニウム殿、サシャシェル卿、よくおいでくださいました、ガウスレバス家一同歓迎いたします」ガルバジ殿が声をかけてきた。

後ろから来たので気がつかなかった。


「丁寧な言葉ありがとうございます」「ありがとうございます」私の声のあとにサシャシェル殿も返事を返す。


「それにしても、セフォリア嬢の病気が治ったと聞きましたが、そろそろお見えになられるのですか?」


私が見当たらないセフォリア嬢について聞いてみた。


「はい、そろそろ来るはずです」


そう言った直後にセフォリア嬢がドアを開けてパーティー会場に入ってきた。


話には聞いていたが綺麗な方だ、背中の肌が大胆に見えるドレスを着ている。思わず見とれてしまう。


そしてまっすぐこちらに向かってくる。


「お父様、遅れまして申し訳ありません」


「セフォリア、コルレニウム殿とサシャシェル卿にご挨拶を」


こちらに視線を向けると一層綺麗に見える。


「はじめまして、セフォリアと言います、よろしくお願いいたします」


いままでこのような席には出たことが無いと聞いていたが、少しはにかんだ感じでなんとも見目麗しく感じる。


「これは綺麗なお嬢様ですな、はじめましてホリス・フォン・サシャシェルといいます、以後お見知りおきを」


「コルレニウム・トバリオと言います。よろしくお願いします」


その後はとりとめも無い話で盛り上がり、ガルバジ殿とサシャシェル卿は途中で用事があると言って離れていった。


「こんばんわ」見たことの無い男性に声をかけられた。


私より少し年上だろうか、あまり歳は変わらないだろう。


「タスク様、どこに行ってらしたのですか」セフォリア嬢が少し強めに言っているが咎めているようにも聞こえない。


「すみません、慣れない席で気後れしていました」


「そうだったんですか」


この男性は誰だ?セフォリア嬢に丁寧に接しているところから見て使用人だろうか、しかしそれでは会場に入ってこれないはずだ。


使用人で入ってこれるのは、給仕役に限られるはずだ。


もしくは警護の者だけで、この男性は警護にしては少々体格が心もとない。小さくは無いが屈強には見えない。


まあ、人は見かけによらないが。


「セフォリア嬢、こちらの男性はどなたで?」


「申し訳ありません、紹介が遅れまして。こちらは私の病気の治療をしていただいたタスク様です」


「タスクと言います」男性が頭を下げて挨拶をしてきた。


「そうでしたか、これは思った以上に若い方で驚きました」


多分、今の私の顔は驚いているのがすぐにわかるだろう、自分の顔の筋肉が強張るのがわかる。


思った以上に若い感じだ。


確かに治癒士なら、特にセフォリア嬢を治療した者なら会場に普通に居ても不思議はないな。


それからは治癒士にどういった治療をしたか聞いてみたが、詳しくは教えてくれなかった。


教えてくれなかったと言うのは正確ではないかもしれない、もしかしたら私の理解力が追いついていないのかもしれない。


私も一応は中央の学院で学んだのだが、魔術については一般教養程度だ。


それでも学院の一般教養なので、そんじょそこらの学校に比べればかなりレベルは高いはずだ。


なんと言うか、『遺伝子がどうの』とか『調整槽がどう』とかよくわからなかったのだ。




その後は、『今度我が領地にも遊びに来てください』と社交辞令のような会話で締めくくった。



次話投稿はもう少し書き溜めできてから投稿しようと思っています。


今のところ1話分しかないですから。




次話投稿予定ですが、活動報告に書いておきます。

最近の近況も。まぁ近況は自分の仕事や私生活のことなので活動ってこともないのでしょうけど。


それでは感想などがあればよろしくお願いします。







それにしても、読み返してみて村や町の名前をどうにかしたいとつくづく思ってしまいます。


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