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3話目 本部















タスクon通信





「ずいぶん遠くに飛んだようだな、体に異常はないか?」


指令本部の50才を少し超えたくらいのスキウェル大将が言ってきた。


「はい、先ほどからすべての管理項目と身体チェックを行ってますが、今のところ問題はないようです」


「そうか、それはよかった」


なんともヒトゴトのような言葉である、事実他人事なのだろうが。


なんともハラが立つ。


「よくは無いです!どうしたらいいのですか!!」


「ま~、どこかに腰を据えて気ままに暮らしてくれ」


「・・・はあ?」


「どこかに腰を据えてだな、長期休暇取ったとでも思って生活してくれ」


簡単に言ってきた。


「なにか対策を検討するとかないのですか?」


「ない」


即答だった。しばしの沈黙・・・・














「無いって!、まだ何もしてないじゃないですか!」


「何かしようにも、この事案については前例があるので結論がでている。対応策は無い」


前例がある?どういうことだ、意味がいまひとつ解るようで、でもわかりたくないような。


「実はな、今までにいくつも前例があるのだ」


「は?いくつも?そんな話は聞いてませんよ!?」


初耳でしかもかなり大事なことを当然のように聞かされた。


「4000年以上も前の事例は知っているな」


ある意味確認のような問いかけだった。


「はい」


「あれが最初の事例で、その後の事例は当局が極秘扱いにしてすべて非公開にされた」


「非公開って、どうしてそんな」


理由としてはこうだった、


最初の事例は戻ってこれたから良かったが、次からの事例は帰り着くまでに500年とか600年とかかかり、帰り着くことができないということだった。


人権尊重や人命重視、自然回帰、節約経済、大型公共事業、など色々な主義主張、予算とも考慮した場合、


安定した政治運営を行うために、帰ってこれる距離に飛ばされた事例以外は公開しないと決まったのだそうだ。


そして、帰ってこれなくなってしまった人たちは飛ばされた先でそれぞれ独立となったとのこと。


しかし中には、と言うよりほどんとは丁度良い定住惑星を見つけることができず、今でも宇宙船生活をしているようだ。


そして今までの中で俺は一番遠くまで飛ばされた。












「幸いにも今の君の境遇は他の人たちに比べてかなり良いといえる」


「良いって言えるのですか!、この状況で」


「何を言っている、今までの事例では君ほど充実した装備で飛ばされたのは最初の第3艦隊くらいだぞ。


他のはかろうじて酸素があるくらいで、食料確保にものすごい苦労しているぞ。


最悪なのは、食料もなくなり、空気もなくなって音信不通になったものもあったのだぞ」


逆切れのように言ってきた。


たしかに、そういうのに比べれば良かったのかもしれない。


俺の場合は色々とやることはあるが、艦隊はあるは、惑星改造をすることもできるは、酸素や食料、身の安全の確保については問題無いと言える。


言うことはたくさんあるが最終的には本部にもどうすることもできず、俺も本部に対してどうすることもできず、飛ばされた先で生きていくしかないと言う事になってしまった。


そして、艦隊運営に関するすべての拘束事項をはずされ、俺にすべての決定権が委譲された。


これは2億光年も飛ばされて、もし地球にお伺いを立てなければいけない事態に陥った場合、その時間が命取りになりかねない場合があるかもしれないとの判断からだ。


そしてもうひとつ、これだけ離れていればどんなことをしても、例えば惑星を破壊しようが恒星を破壊しようが地球圏にはまったく影響がないからだ。


俺はこんな飛ばされた宙域で「臨時惑星改造艦隊」と言う名の国家の元首になったようなものだった。ただし元首一人、人民一人他アンドロイド多数だが。


それにしても逆切れはないだろう、こっちは一方的な被災者なのだから。

ごめんなさい


ごめんなさい


ごめんなさい

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