28話目 sirei?
本日3回目の投稿です。
まあ、2回目のは内容なんて無いですからね。
実質的には2回目です。
タスクin野営地
ガウバウセレスが戻ってきた、他の討伐隊の面々もだ。
ドラゴンと言っていたので危険なのではないかと思ったのだが、誰一人欠けることなく怪我をしている者もいなかった。
そして、ことの顛末を聞いた。
ドラゴンがこの地にやってきて、前後不覚になってしまっていた。
それが原因で魔獣が異常行動をしたのだと思われると、そして今夜のうちにドラゴンは離れるので魔獣の問題は解決するんじゃないかと言うことだ。
念のため、衛士を残していくがまずドラゴンの言うことで間違いないので10日ほど様子を見たら引き上げるということだった。
そして『しれい』と呼ばれる者について、出会うことあったら話がしたいと言う伝言だ。
『しれい』と呼ばれる者って俺のことでは?それに湖の邸宅の近くにもドラゴンは居たはずだ。
最初はまったく解らなかったのでかなり警戒していたが、基本的に温厚な生き物とわかったのでその後は調査も何もしていなかった。
確かにドラゴンが湖の対岸で水を飲んだりしているのを、見たことがあるとエリアスが言っていた。
今度戻ったときになんらかの接触をしよう、しかし話の感じだと酔ったような感じだと言っていたが大丈夫だろうか?
ともかく村長との今後の話もすませ、我々はガウバウセレスと一緒にこの村を離れることとなった。
村人からは治療のお礼と、これからも宜しくと声をかけられた。討伐隊も感謝の言葉をかけられ村人からは英雄のようなお見送りを受けた。
その後は順調にガウスレバス市に戻ることができた、ガルバジ殿と話をしドラゴンが原因だったのではないかと話をした。
ガウスレバス領内にドラゴンがいるなどと始めて聞いたのでかなり驚いていた。
そしてドラゴンとは友好的な関係を築きたいので、機会があればゆっくり話がしたいとガルバジは言った。
しかしドラゴンと話をしたいと人間側から言っても、まず了承してくれることは無いそうだ。
古来ドラゴンとの友誼を結んだ者は莫大な利益を得たと言われている。
本来ドラゴンは人間とは関係を持たない、しかしもし関係を持つとその周辺の気候は安定し作物の生育に最適な地域になったり、魔導士の魔術の威力が個人差はあるが強くなったりする。
そしてその個人への恩恵はその地域を離れても数ヶ月は続くと言われている。
以前は戦争などで、ドラゴンの恩恵を受けている地域の魔導士はかなり重宝されたそうだ。
ガルバジはその『しれい』と呼ばれる者を探し出して、ドラゴンとの接点にしたいと考えたようだ。
どうにかならないものだろうか、そもそも自分達の力で豊かにならなければ意味はないのに。
まあ、地球圏の考えを言っても仕方がない、それにドラゴンの恩恵というのもここの自然の一部なのだから。
それにしても、『しれい』って多分俺のことだから、さてどうしたものか…。
タスクinガウスレバス市、討伐隊帰還翌日
屋敷では他の村も魔獣に襲われていた場合に備えて派遣の準備をしていたのだが、結局他の村は何も問題もなく、それにコシロ村に行っていた部隊が帰ってきて原因らしきものも突き止めてきたので他には派遣は無いとわかり、ホットしていた。
後片付けで忙しいが、走り回ってるのは小姓くらいだ。
ガルバジが主だった者を呼び、話はじめた。
「今回の魔獣の件に関する原因がわかったので皆に知らせようと思う」
屋敷にはガウスレバス家の面々と近衛の2番手カベル、家令頭のセバス、筆頭魔導士のマウジリア、それに普段は町にいるお抱え魔導士4人、それに俺だ。
最高齢の魔導士は体長が優れず来ることができない。
「まず、今回の原因はドラゴンの影響によるものだと言うことだ」ガルバジが早速結論を言う。
「「ドラゴン?」」セバスとマウジリア、他の者も同じく声を上げる。
「そうだ、しかも昔からガウスレバス領に住んでいたそうなのだ」
「そんな話は聞いたことがありません!」マウジリアが反論のように声を上げる。
「イヤ、そうとも言えないのではありませんか、マウジリア殿」
「そうなのだ、実は我々も知らなくて当然なのだ、ドラゴンは我が領内の西の端にある湖の近くに住んでいるそうだ」
「西の端?」誰が言ったのか解らないが、みんなが疑問に思うことなのだろう、次の言葉を待っている。
「ここからはセレスが説明しよう、セレスよ頼む」
「わかりました、それでは僭越ながら私からご説明します」
回りを見回し、息を整えて話し始めた。
ドラゴンが『ある理由』により前後不覚になりいつもいる地域からはなれここまできてしまったこと。
魔獣はドラゴンの影響で異常行動をしてしまったらしいということ。
そのドラゴンも今は住処に戻り村は平穏になったということ。
そして最後に、『しれい』と呼ばれる人を探していると言うことを。
「『しれい』ですか?」カベルが確認するように聞いている。
「そうだ、『しれい』だ」
その場にいる人は隣の者とザワザワと話をしている、今回の異常事態は解ったし、解決をしたのもわかるが最後の『しれい』という人を探していると言うのがどうにも解らないのだ。
「ドラゴン殿はその『しれい』と呼ばれる人と会って、話をしたいそうなのだ。そして我がガウスレバス家はその『しれい』と呼ばれる者を介してドラゴン殿と友誼を結べないかと考えている」
「確かにドラゴンと友誼を結ぶことができればこの上なく領地は栄えると思います、しかしその『しれい』なる者がどこに居るかはご存知なのですか?」この場に居る最年長の治癒魔導士が当然のことを聞いてきた。
ガルバジがここで口を挟んだ「そこなのだ、問題はその者がどこにいるかわからん、なので皆でその者を探してもらいたい」
「「「………」」」皆が一瞬沈黙する。当然だろういきなりそう言われてもどう反応していいかわからない。
頭を横にブルブル振るって1人が言う「何か手がかりはあるのですか?」今度は20代の魔導士だ。
「無い!、『しれい』と呼ばれている以外はわからない」ガウバウセレスが言う。
「しかし、『しれい』と言う言い方は古代の言葉でもありました、部下が上司をそう呼んでいたと言う記録があります」カベルが以前聞いたことがあるのだろうことを言う。
これは驚いた、この星でも『しれい』と言う言葉があったなんて、しかも微妙に意味合いも似通っている。
「そうなのか?それは知らなかったが…、しかし今でもそんな呼び方をしているものなど居ないはずだ」
結局、『しれい』と呼ばれる者を探して欲しいと言う事で話は終わった。
近衛の者と衛士の者にも伝えられ、使用人の幾人にも知らされた。
その『しれい』なる者をさがして欲しいと。
明日の朝までにもう一回投稿できるくらい書き進めるか挑戦です。