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27/62

27話目 遭遇

今回は今後も出てくるキャラクターの登場です。


正直なところ今までも登場人物は多いかと思っていますが、それでも今回出てくるキャラは大きなウェイトを占めていると思っています。



タスクin北西村、夕方、村の中央広場








応援の部隊は翌日では無くその日の夕方には到着した。


予想は嬉しい方に裏切られた。


馬に似た生き物に騎乗してきたのだ。


以前我々が簡易治療装置を運んだときに使っていた生き物よりは少し小さい感じがする。


足の太さもぜんぜん細い。


「ガウスレバス家のガウバウセレスと言います、以後お見知りおきを。今回の討伐の指揮を執っております」ずいぶん大仰な挨拶をしてきた。


村の中央の広場には隊長と思われるその人と、護衛についてきている2人と全部で3人が来ている、それ以外の部隊員は村の回りにすでに散らばって警備に当たっている。


交代要員も引き連れてそちらは村のすぐ外に野営している状態だ。総勢30人以上いるだろう、しかも完全武装の訓練を受けた兵士達だ。


素人の村人と比べると兵士1人が村人2~4人くらいの戦力がある。


「ガウスレバス家の次期当主です」小さな声でポラスが教えてくれる。


ガルバジさんのご子息か、そう言われれば雰囲気が似ているな。


「村長をしておりますハウジです、それにしてもこんなに早くに来ていただけるとは思ってもいませんでした」


「領民が危機にさらされているのですから当然です」


「タスクと言います、早い到着で助かります」自己紹介と素直に感想を言う。


「あなたがタスク殿ですか、話は聞いております。妹の病気を治していただきありがとうございます。あれの病気は家族でも半ば諦めていたものですから感謝に絶えません」


「タスク殿はセフォリア様の病気も治されたのですか?そんな腕のたつ方とは知りませんでした、ほんとうにすごい」


「そんあことはありませんよ」実際我々の技術力ではそうでもないからな。


「「ご謙遜を」」


「それより魔獣討伐についてはどうするのですか?」


「ははは、大丈夫ですよ、我々が来たからには明日の昼には解決です」


「それは頼もしい」村長が討伐隊を賛美する。


「魔獣の討伐は心配していないのです、ガウバウセレス様たちの実力を疑ってはいません」


「そうだろそうだろ」ウンウンと頷いている。


「心配しているのは今後のことなのです」


「なるほど、タスク殿の言いたいことはわかった、この魔獣どものどこか統率されたような動きをどう見て、それをどう対処するのかということではないか?」


「はい、そうです」


「まずは今後の流れについて説明する」


そう言って話してくれた。


中身としては、まず今夜から討伐隊が警備にあたると言う事、村人は今夜から心配せずに眠ってくれと言うことだった。


そして明日の朝から本格的に討伐隊を森に入れて魔獣を倒していく、その際にも警備のために10人ほどは村に残しておくということだ。


そして討伐が終わった後、魔獣が今回のようにまた徒党を組んで襲ってくるかもしれないということに対しては、根本的な解決策は今のところ無いそうだ。


しかし何もしないわけにはいかないので、対応策として衛士達を今後は常時5人ほど配置するとのことだった。


今までこのようなことが無く、これから調べないと原因がわからないのだそうだ。


なので今回の討伐がすんだ後に、中央から魔獣の研究者などを呼び寄せ調べてもらうということになっている。


魔獣が徒党を組んで襲ってくると言うのは、経済活動の上ではかなり痛手になる。


ガウスレバス家はただでさえ政治的には低迷している、その上魔獣が街道でも襲ってくることがあるなどと話が定着するとガウスレバス領内の経済活動が一気に動かなくなってしまう。


そのため領主のガルバジは、思った以上に今回の魔獣の行動を気にしているのだ。







翌日は朝から討伐隊が森の中に入っていき、順調に魔獣を倒している。


昼頃にはあらかた終わったようで森に入っていた約半数は戻ってきていた。


残りの半数は魔獣を掃討するためにもう少し頑張っている。


ガウバウセレスと村長、それに俺は討伐隊が村から森に入るところに作っている簡単な野営地で話をしている。


ガウバウセレスが状況を話してくる「魔獣討伐も順調に進んでいます、この調子ですと明日の朝にはこの村を発てると思います」


「そうですか、衛士達殿にも怪我が無くてよかったです」村長が言っている。


「その際にはタスク殿もご一緒にいかがか?、村での治療や診療も終わってるようなので我々と共に移動するのが効率も良いと思うのだが」


「そうですね、そうさせてもらいます」


「あいわかった、では部下にもその旨伝えておく!」


「隊長、大物です、来てください」森に残っていた衛士が走って戻ってきた、重い鎧も着ているのにたいした体力だと感心する。


「どうしたんだ?」


「ドラゴンです!」


「なんだと?!わかった行く、案内しろ」


「はい」


「村長とタスク殿はここに居てくだされ」


そういってガウバウセレスは森の中に入っていった。

















ガウバウセレスin森





ドラゴンが出るなどと信じられない、そもそもこの領内に居るなんて聞いたことが無い。


それにしてもドラゴンとは…


「隊長こっちです」部下は先ほどからずっと走りっぱなしで案内してる。


森の中は木こりなどが通っている細い道があるが、それでも走りにくいことこの上ない、しかもかれこれ20分以上走っている。


木々の中を抜けていくと、小さな沼に出た、沼の周りはわずかばかりだが開けている。


空の青さがまぶしいくらいだ。


沼の周りには討伐隊の面々が全員集まっていた、後ろからは後を追ってきたのだろう部下達が追ってきている。


「あそこです」案内していた部下が沼の向こう岸の少し左側を指す、ドラゴンか?飛龍にも見えるが?


「ドラゴンと言えば中には知能の高いものも居ると聞く、近づいて話してみよう」


飛龍だったお構い無しに襲ってくるだろうからかなり危険だが、部下に行けと命じるのでは隊長として部下からの信頼を得られない。


それに騎士として学んできたのだから、ここでこそ騎士道精神を発揮するべきだ。


「お前達はここで待て、危険だと感じたらすぐに引くのだぞ」


部下達は納得しかねるような顔をしているが、それでも言い聞かせドラゴンのもとに近づいていった。


近づいてい見るとそれはかなり大きい、高さだけでも5メートルほどあるのではないだろうか。


尻尾は体を半周りして体全体は丸めているように見える。全長は丸まっているので良く分からないがそれでも数十メートルあるだろうとは予測がつく。


顔と思われる箇所に向かって話しかける。


「ドラゴンよ、聞こえるか?」


「…」何かまぶたが動いたようだ。


「ドラゴンよ」


「…むぅ、なんだ人の子」返事が返ってきた、飛龍ではなく間違いなくドラゴンだ、それに知能も高いようだ。


咽喉の形状が違うので聞きにくいが、それでも人語だと理解できる。


「なぜこんなところに居るのかお聞きしたい」


「ん?こんなところだと?」


「はい」


「こんなところとは、ここはどこなのだ?」


「ここはガウスレバス領内コシロ村の森の奥に入ったところです」


少し考えているようだ、そもそも人間の地域名でわかるのだろうか?


「なるほど、人の子よお前が言うように確かに『こんなところ』だな」


「ガウスレバス領内にドラゴンが居るなどと聞いたことがないのですが、あなた様はどこからいらしたのですか?」


「なるほど、確かにそなた達は知らないのであろうが、我はそなたら人の言うガウスレバス領とやらにはるか昔から住んでおる」


「?そんなことは聞いたことがありませんが」


「そうかもしれぬな、そなたら人間が言うガウスレバス領だが、西に向かってのびているだろう、その行き着く先は三角形のような陸地になっているが、その先端までそなたら人間は足を踏み入れたことは無いであろう?」


「たしかにそうです」


「我はその先端に近い湖の近くにはるか昔から住んでおる」


「先端に近いところに湖があるのですか?」


「そうだ、我はその湖から少し離れた山腹に住んでおる」


「しかし、ではなぜこんなところに居るので?」


「ふむ、思い当たることがある…、少し聞きたいのだが、そなたらの中に『しれい』と呼ばれている者はいるか?」


「いえ、そのような者はいませんが」


「いや、居るはずだ、そなたにはその『しれい』と呼ばれるものと同じ臭いがかすかに残っている」


「そうは言われても私にはわかりません」


「そうだな、そなたは嘘は言っていないようだ、これでもドラゴンなのでな人間が嘘を言っているかどうかくらいは分かるのだ」


「そうなのですか、それよりドラゴン様にお聞きしたいことがあるのですが」


「ん?なんだ?」


「はい、実は最近魔獣どもが徒党を組んで人間の村を襲っているのです、それでドラゴン様にはその原因はわかりませんか?」


「なるほど、それはたしかに人間にとっては一大事であろう」


「そうなのです」


「多分それは我の存在が影響していると思う、我が多分あれが原因だと思うが、前後不覚になりここに来た為に周辺の魔獣が我を避けるために、それでも住み慣れたこの地を離れきれないため近くにいた人間にその不満のようなものをぶつけてしまったのではないだろうかな。我を避けるためその一点で魔獣どもが徒党を組むことがあるからな、それほどまでに魔獣にとってのドラゴンとは脅威なのだろう」


「そのようなことがあるので?」


「うむ、何にしろ我の存在は魔獣にとってはプレッシャーになることは確かだ。あれに当てられることが無ければそのようなことも無かったのだろうがな」


「『あれ』とか言っていますがそれはなんなのですか?」


「ああ、そうだな、あの者らのことを話してもいいかもしれんな、あの者らは人間のようだが、その実かなりの力を持った者たちだ」


「ドラゴンのあなたがそのようなことを」


「そうなのだ、あの者らは『しれい』と呼ばれる者を筆頭に秩序だった動きをしている、危害を加えない限りあの者等から攻撃してくることは無いが、ひとたび危害が加えられるとその反撃の苛烈さは信じられないほどだ。そしてあの者等が何か大きなことをするたびに我は、そうだな人間が酒に酔うような感じになるのだ」


「そのような者が?もしかしてその酔ってしまってこのような場所に?」


「そうだ、しかしその酔ってしまってというのは正確ではない、我は何かを飲んだり食べたりしたわけではないのだから」


「そうですか」


「そして、そなたからはあの者等の『しれい』と呼ばれる者と同じ臭いがするのだ」


「そこのところはわかりません、私の知る限り『しれい』と呼ばれる者はおりません」


その後、話は好意的に進んだ。


ドラゴンは回りに『ドラゴンの祝福』を与え、魔獣が予想外にドラゴンを恐れないようにした。


しかし回りの魔獣は、すでにだいたい討伐されてしまってほとんど数は居ないのだが。


それにしても、魔獣の行動がドラゴンの影響によるものだとは思わなかった。


念のため、数日間は村に衛士を配備したほうが良いだろうが、ドラゴン殿の言うのがまず間違いないだろう。


最後にドラゴンから、『しれい』と呼ばれる者がいたら話がしたいと伝えて欲しいとの伝言を受けた。


『しれい』なんて人は知らないのだが、それでも私からその人の臭いがするのだから周りに居るはずだと言うのだ。


分からないことだが、その人がいたら必ず伝えると約束をした。


そして、ドラゴンも今夜のうちにここを離れると言ってくれた。







キャラを整理したものを載せようと思いますので、気が向いたら見てください。


今まではそんなの載せるの考えてもいなかったのですが、自分自身のキャラ整理をここで載せてもいいかなと思ってです。

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