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23話目 セバスの心境

書き貯めが少しずつできてます。


もう少しできればいいのですが、ここしばらく連休がとれないので今は我慢のとき。




















セバスinガウスレバス邸




今日旦那様がコバタ村でスカウトした治癒魔導士が来ると言っていた。


ガルバジ様(みずか)ら仕官を勧めることがあるとは思ってもいなかった。


しかしセフォリアお嬢様の病気を治されたというのだから、腕は確かなのだろう。


あれほどの年数治すことができなかった病気を、たったの3日で治したのだから。









「タスク殿をお連れしました」カベル殿の声だ。


「はいれ」ガルバジ様が声をかける。


タスク殿と使用人の女性だろうか、2人だった。


「よく来られたタスク殿、まさかこんなに早く来るとは思わなかった」ガルバジ様が話しかける。


「はい、早く出ればそれだけそれぞれの村に行くのが早くできると思いやってきました」


「それは助かる、何年も村を回ってくれる治癒者が居なく困っていたものでな」


「お久しぶりですタスク様」セフォリアお嬢様もタスク殿に挨拶を交わす、別荘から帰ってきてからタスク殿の話を何度も聞かされたので、お嬢様はタスク殿がお気に入りなのだろう。病気も治してもらったので当然といえば当然ともいえる。


「お久しぶりです、と言っても前回から10日ほどしか経ってませんよ」


「そうでしたか?」ずいぶん親しげに聞こえる。


「はい」


「タスク殿、紹介する、こちらがガウスレバス家筆頭魔導士マウジリアと家令頭のセバスだ」


私とマウジリア殿を紹介してくれた、ガルバジ様自らしていただけるとはタスク殿をそれだけ買っているのだろう。


「筆頭魔導士マウジリアと申す、主に攻撃系をあつかっている」マウジリア殿は少し尊大な感じがする、同じ魔導士として対抗意識があるのだろう。


こういった性格じゃなければもう少し人気も出るのに、もったいない。


「家令頭のセバスといいます」続けて私が挨拶をした。


「タスクと言います、よろしくお願いします」特に印象のある方ではないなタスク殿は、どちらかと言うと魔導士には見えない。なんと言うか良く言って手を抜いている軍人、もしくは鍛えている文民の印象を受ける。


「村を回る際に必要な資料をお願いしていましたが、いかがでしょうか?」さっそく本題に入った、実質主義なのだろうか。


「あのような資料が必要だとは聞いたことがない」マウジリア殿が声をはさんだ。私も同じくそう思った、しかしその口調はあまり良くないと思うぞ、しかもガルバジ様の前なのだからもっと遠慮するべきだ。


「たしかに私も聞いたことはありませんが、それだけタスク殿が特殊な魔導士と言うことではありませんか」マウジリア殿をここで少し牽制しないといいけないだろう。あまり好き勝手に言わせるとどうなるかわかったものではない。


「そんなものが必要だとは、タスク殿はどんな治癒を行うのです?」マウジリア殿がさらに言ってくる、いい加減に遠慮してほしい、特殊な魔導士と言うことで引き下がってほしかったのに。


「まあ待て、タスク殿にはセフォリアの病を治してもらった、他にもコバタ村での村人数十人の病気も一晩で治してしまった。腕は確かだ、恩のあるタスク殿にあまり失礼なことは言わぬように」


「…わかりました、出すぎたことを言いました」結局ガルバジ様が直接たしなめるようなことを言うことになってしまった。


「ふむ、解ってくれてうれしく思うぞ、それでタスク殿あれらの資料なのだがもう1日待って欲しい、今家臣等にまとめさせているところなのだ」


「わかりました、それでしたら今日のところは宿でもとって明日またお伺いします」


「ん?宿など取らずともよいぞ、今夜は当屋敷に泊まっていけばよい」


「そうしてくださいタスク様」セフォリアさまは嬉しそうだ、それにタスク殿は思った以上に遠慮深い人のようだ。


「よろしいのですか?」


「当然だろう、タスク殿は我が家臣で普段は他の村にいるに過ぎない、ガウスレバス家のお膝元に来た際、家臣は当主のところで滞在するのは普通のことだ、特別な理由が無い限りは遠慮する必要はない」


「そうなのですか、わかりましたそれでは今夜はここに」勧められたことの返事にも適度な遠慮と感謝の気持ちが感じられる。


「そうしてくれ、セフォリア、タスク殿を部屋に案内してくれ、お前も何か話したいことがあるのだろ?」


「はい、お父様、ありがとうございます」セフォリア様は機嫌よく部屋を出て行った。


残された私たちはそこでそれぞれの感想を話しはじめた。


ガルバジ様はタスク殿を好意的に思っているのは間違いない、ご自分で仕官を勧めたほどなのだから。


「マウジリアはどう感じた、タスク殿を」


「私は身元が調べきれないと言うのがどうにもひっかります。それに本当に腕がたつのか、お嬢様を治せたのはたまたま偶然だったのではありませんか?」


対抗意識がありありとわかる、旦那様も感じてはいるのだろうがそれを(たしな)めることはしない。


もともとこのガウスレバス領には魔導士が少ないため、旦那様から魔導士が他の領地に行きたいと思わせるようなことを言わないようにしているのだ。


マウジリア殿自身は旦那様がそこまで考えているとは思わず、聞かれたことに自分の思ってることを正直に言っているようだ。


頭はいいのだが、人の気持ちというものを察するのがどうにもできないのだ。


ガウスレバス家は中央の権力闘争から離れて30年以上になる、と言うことは傍目にみると低迷している領地に感じられる、魔導士もそんな貴族のところに仕官しようと思う者は少ない。


マウジリア殿は先代の旦那様の知り合いのご子息と言うことで、5年前に亡くなった治癒魔導士として活躍していた筆頭魔導士の後釜になったのだ。


20代前半で筆頭魔導士となった。筆頭魔導士になるにはかなり早いと言える、自分自身では優秀な魔導士と思い込んでいるようだ。


他の魔導士がマウジリア殿より若いか、もしくはかなりの高齢で、筆頭魔導士になるのを辞退したからお鉢が回ってきただけなのだが。


確かに若手の中で腕前は一番だろうが、性格に問題があるのが困ったものだ。


「セバスはどうだ?」


「はい、悪い印象はありません、どちらかと言うと好印象を持っています。若干作法がまだのところはありますが慣れていないためでしょうから。それに慎み深さもあるようですね」


最後の慎み深さについては、マウジリア殿へ聞かせたいと思って付け加えた言葉だ。


「そうか、わしも悪くは思っていない、娘を治してもらったのだから恩義すら感じている。それに巡回してくれる治癒魔導士なのだから大事にしたいとも思っている」


マウジリアは不満そうな顔をしているが、私は旦那様の意見に賛成だ。


恩を感じているのなら、恩で報いるのは当然なのだから。

「もっともだと思います、旦那様」


「うむ、しかしまったく身元がわからないと言うのも事実、カベルには何かあった場合の対応を申し付けている、カベルとの連絡を忘れぬよう」


「「わかりました」」最後の指示についてはマウジリア殿と私の声がトーンは違うが同じ返事だった。





















パソコンが一台壊れてしまいました。

他にもあるので大丈夫なのですが、考えてみると今書き貯めしているものが消えたらどうしよう?


どこかにバックアップとっておかないとダメだな。

USBメモリでもいいかな?

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