プロローグ『享年十九歳』
初めて書きました。読んでいただけたら幸いです。勉強の合間にゆっくり続きを書いていきたいと思っています。
学校のチャイムとともにたくさんの生徒が学校から帰り出したいた。
「零斗バイバーイ」
「じゃあな。」
いつも通りの学校終わりの風景だったが、彼の友達に対する返事にいつもの元気はなかった。ただ彼は家に帰るのが決まりが悪かったのだ。ほんの些細なことで朝から母親と喧嘩して家を出てきたのだった。彼は重いため息を吐きながら腰を上げ帰る決心をした。彼にとってはこれもただの普通通りの「日常」のはずだったのだ。小さなことで喧嘩して仲直りしてそうして普通の日常を送っていく——はずだった。
彼はもう家の前まで来ていた。どんなふうに母親に謝ろうかと思いながら家のドアを開けた。
「ただいま…」
そんな彼の小さな声は暗い家の廊下に飲み込まれていった。おかしい。いつもだと母親が料理を作る音が聞こえてくるか、弟が元気よく迎え入れてくれるはずだった。変だなと思いながらも彼はリビングのドアを開けた。その瞬間彼の鼻を錆びついた鉄の匂いがえぐってきた。むせかえるような臭気とともに、彼の目には血まみれで倒れている母の姿が飛び込んできた。
「母さん?」
彼は何も理解ができていなかった。鼻に入ってくる匂いも母から流れているものも、何も。いや、わかりたくなかったのだ。ただ彼には母親の体が冷たくなっているという現実が冷たく押し付けられていた。
「瑛人は…」
彼は駆け出した。弟の無事を確認するために階段を全速力で登った。
「瑛人!!」
彼は弟の部屋を勢いよく開けたが、そこにいたのは黒い装束の男とその下に転がっている弟の死体だけだった。
「ゲェ…..ッ、オェッ……、えい…と」
彼はその場に倒れ込んだ。限界だったのだ、母も死に弟も死んで。
「だれ..だよ、お前は!!」
彼は全身の力を振る絞って声を上げた、身の前の黒い装束の男に。
「ターゲットを確認しました、殺して連れ帰ります。」
男の言葉を聞くやいなや、彼は背を向けて走り出した。「死にたくない」、頭の中はその一心のだった。母も弟も置き去りにして、ただ生きるために家を飛び出した。
夢中で走った。兎に角夢中で走った。しかし彼の目の前には先ほどの男が立っていた。
「はぁ、はぁ…、お前はなんなんだよ!何がしたいんだよ!なんで俺たちを…!」
ドスッ!!
「……ッ、…..ガハッ!」
体から出てはいけないものが溢れ出していく。彼は必死に、それを体の中に戻そうとした。必死に必死に。
「…………..手に入…..まし….。つく….の……器を。す…….に持ち……..。」
彼は視界がぼやけ、熱が奪われていく中で、死を実感していた。彼の人生はこうして幕を閉じたのだった。
享年十九歳、故人・三島零斗




