第2章 11月29日 突然の来訪
2025年11月29日
その日はいつもの疲れもあって、昼までぐっすり眠り続けていた。
ぼんやりとしていたところへ、突然インターホンが鳴った。
宅配……?
いや、頼んだ覚えもない。
そう思いながら玄関へ向かい、ドアを開くと…
「おはようございます!いや、お昼だからこんにちは……かな…?」
ドアを開けた瞬間、眠気が一気に吹き飛んだ。
そこには、絵に描いたような美少女が立っていた。
白いコートに赤いリブニット。
赤と白のチェック柄スカート。
肩にかかる長い銀髪が、冬の光を受けて淡く輝く。
透き通るような白い肌に、服の上からでも目立つ大きい胸元。
何か見覚えのある紙袋を大きなキャリーバッグに積んで横に置き、俺の部屋の前で少し上から見つめて微笑んでいた。
現実離れした光景に、言葉が出なかった。
「初めまして…雪村聖也様」
「……え、どうして、俺の名前を?」
そして彼女は、ひどく当たり前のように言った。
「どうしてって?昨日のこと覚えてないの?
Switch2が欲しいって…書いてたじゃない…」
「あれですか…」
「私はノエル・セイン。今日から1ヶ月間同居していいかな?」
理解が追いつかない。
「ダメ…かな?」
彼女のあざとく真っ直ぐな視線に押されるように答えた。
「……部屋汚いですよ。それでも良ければ」
胸元が柔らかく揺れて、彼女は微笑んだ。
「ありがとう!2時間もここで待ってたんだよ?」
「2時間も!?」
少し頬を膨らませながらも彼女は微笑み、
「寒いんだから……早く入れて?」
そのやり取りを境に、俺の部屋に“ノエル”という謎の美少女が足を踏み入れた。
彼女の微笑みは、冬の冷たさとは違う理由で胸をざわつかせた。
――これが、特別な冬の始まりだった。




