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プロローグ 2026年4月4日 春の雪痕
2026年 4月4日
春の光は柔らかく、公園の雪はすっかりと溶けていた。
桜の木々に囲まれた公園のベンチに2人並んで腰を下ろしている。
隣に座る彼女の長い銀髪が、太陽に触れて淡く煌めいていた。彼女はそっと指先で払う。
「……あれから、もう3ヶ月が経ったのね。」
つぶやく声は春の空気に溶けそうなほど儚い。
どこか胸の奥に触れる響きだった。
風が頬を撫でる。
桜が舞う。
彼女は少しだけ俺の方へ顔を向け静かに問いかけた。
「ねぇ…初めて会った日のこと、覚えてる?」
その瞬間、
冬の匂いと、あの夜の気配が鮮明によみがえった。




