表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2 料理、それは愛情表現

はーい、皆さんこんばんは!

御岳ナズナのクッキングちゃんねる、今晩も楽しいお料理配信をお届けしますよ!


最近結構冷えてきてますからね、皆さんは風邪とか引いてませんか?

季節の変わり目で寒暖差も激しいですし、くれぐれも体調には気を付けていきましょう。

えっ、わたしですか? わたしはこれまでの17年、一度も風邪にもインフルエンザにも罹ったことがない健康女子ですから! ふふん!


……おや、早速初見さんも見てくれているようですね。はじめまして!

このチャンネルは普段は簡単な料理動画をアップロードしているんですが、その料理を実際に作ってみようという配信を毎月第2土曜・第4土曜の夜9時からやっています。

もしよければ最後まで見ていってくださいね!


ん……?『こんな時間に配信するなんてもしかして飯テロ狙いですか』って?

ふふふ、もちろんですよ! お腹を空かせた視聴者さんたちの胃袋に右ストレートを一発喰らわせるのがわたしの楽しみですからね!


『ナズナちゃん、性格悪い』

『女神かと思ったら悪魔だった、これは詐欺』

『でもナズナ神に罵倒されるならご褒美ですありがとうございます』


こんな美少女を悪魔扱いとかひどいなあ、せっかく美味しいご飯で皆さんの心に栄養を差し上げているのになあ。

あと罵倒待ちの人はなんなんですか。変態ですか。ここは健全な全年齢対象配信ですよ滅んでください。


そうだ、これは初見さんをびっくりさせちゃう裏話ですけど、実はこのチャンネル女性の視聴者さんも多いんですよ!

もちろん料理目当てっていう方もたくさんいるんですが、当チャンネルの超破壊級戦略兵器を拝みたくて来ているという変態淑女の方が一定数いるんです。あっ、変態じゃなかった。可愛いもの好き女子の皆さんですね。違いますよ間違っても罵倒なんてしていません気のせいです。


『女子だけどいつも見てるよ! ナズナちゃんの手捌きに惚れ込んじゃった!』

『友達と一緒に通話しながら見てます』

『変態淑女……呼ばれた気がしたので参上』


ほらね。女子たくさんいる! ネカマじゃなければですけど。

あと最後の方に変態淑女が混ざってた気がするんですが……見なかったことにしましょう。この世には目を瞑った方が良い真実というものもあります。


えーと、配信始めて少し時間も経ったし、そろそろ視聴予定だった人は集まってきたかな。

さて、それでは本日の調理に入っていきましょう! 今日の献立は水曜日にアップした『スタミナたっぷり! 豚バラ肉の回鍋肉仕立て』です!


ではアシスタントさん、どうぞ。


「……アシスタントの、花江サクラ。よろしく」


はーい! 変態淑女……じゃなかった。可愛いもの好き女子の皆さんお待ちかね、サクラちゃんの登場です!

さあ初見さんびっくりしましたか。うちにはこんなキュートなアシスタントがいるんですよ!


『サクラちゃーん! 今日も可愛いよー!』

『存在が癒し』

『初見です、サクラさんって背低いんですか? なんか台に乗ってるような動きに見えたんですが』


おっ、そこの初見さん鋭いですね。

ご慧眼の通りサクラちゃんはなんと身長142センチ! わたしと同い年なのにこの小ささ! 可愛いでしょう? 犯罪級に可愛いでしょう? それが当チャンネルの超破壊級戦略兵器たる所以なのです。


さて、そんな小動物JKのサクラちゃんと一緒に調理していきましょう。

まずは野菜やお肉の下準備から入りますよ。メインで使うのはキャベツとピーマン、そしてエネルギーの源たる豚バラ肉! もうこの時点で食欲が湧いてきますよね! そのままグーと鳴りそうなお腹を何分堪えられるかチャレンジしてみるのも一興ですよ。


ではピーマンは縦半分に切ってヘタと種を除きます。その後はもう一回斜めに切る。これでキャベツと大体似たサイズになるのでオススメの切り方です。

キャベツは手で千切るだけなので楽勝です。サクラちゃんにやってもらいましょうか。


「……わかった。キャベツ、千切る」


この無口で静かなところもサクラちゃんの魅力の一つなんですよね! 皆さんならわかってくれるはずです! あっ、わたしは変態じゃないですよ。


『小さい手で千切ってるの、なんか癒される』

『サクラちゃんは応援したくなる謎の魔力があるよな』

『ナズナちゃんも華麗にピーマン処理してるぞ、やっぱ手先器用だな』


ありゃ、ピーマンがあっという間に終わってしまった。まあ今から作るのは一人前ですからね。

じゃあ今のうちに豚バラ肉も切っちゃいましょうか、こっちも野菜と近いサイズにするのがポイントです。完成時の見栄えがよくなりますよ。


……よいしょっと。今のうちに皆さんは視聴者同士の交流タイムにでも入ってください。美少女二人をバックに繰り広げる雑談、贅沢ですねえ。


『雑談もいいけどナズナちゃんの手捌きを見てるのも楽しいよ』

『料理上手い人の手元って見ていて飽きないんだよな』

『サクラちゃんまだキャベツやってる。ちょっとゆっくりなのも可愛い』

…………

…………

『豚肉もう切り終わりそうじゃん、早っ』

『ナズナ神の調理速度を舐めてはならんぞ >初見各位』


ふー、これで下準備オッケーですね。サクラちゃんも作業終わったみたいですし。よしよし、よく頑張りましたー


「……ナズナ、またわたしのこと、子供扱い」


えー! サクラちゃんは可愛いから仕方ないですよー! ねえ変態淑女あーんど紳士の皆さん!


『視聴者が変態であることを認め始めたぞ』

『ワイは調理配信を見に来たはずが……』

『この配信はロリコンの集合体と化した』


視聴者層についてはもう気にするだけ無駄です。

さあ後は炒めるだけですよ! ガツーンといっちゃいましょうガツーンと!


「……がつーん」


サクラちゃんも乗り気です! ではサラダ油を流し込んだら即野菜投入!ゴーゴー!

……この段階ではまだ中火にするのがコツです。均一に火が通るように心掛けていきましょうね。


おっ、良い感じですね。本来ならここで一旦野菜を引き上げて豚肉を炒めるんですが……よおおおおしこのままいっちゃえーーー!!!


『おい!!』

『手順無視する料理家がどこにあるか!!』

『サクラちゃん唖然としてる』

『またナズナ神がやりやがった……コイツはやべえ』


あはははは!! 料理なんて勢いですよ!! 食べられれば全部オッケーです!!

……あっ、豆鼓醤入れるの忘れてました。サクラちゃん入れてください。


「……りょーかい。たくさんどばーっ」


いい感じにドバーッといきましたね。 え?分量? そんなの感覚で何とかしてください。

じゃないや。動画の方を見てくださいそっちでちゃんと説明してます。


さてお肉に焦げ色が付いてきたら最後の調味料タイム! 紹興酒、醤油、砂糖を加えてラストスパート!


「……がんばって、ナズナ」


キャー! サクラちゃんに応援されちゃった!

皆さんどうですか羨ましいでしょうこんな可愛い美少女に横で応援してもらえるんですよ。

ナズナ先生、フルパワーで完成させちゃうもんね!


……よし、出来た! 最後はお皿に盛って整えて……完成! 完成です!


『おいしそー!!』

『なんだかんだ美味そうになるのはミステリー』

『結局最後は飯テロになる……恐ろしい配信ですこと』


さあでは早速コメントを頂きたいと思います。

はい、サクラちゃん。あーん。


「……あーん」


ぱくり。もぐもぐ。ごくっ。


どうですか? サクラちゃん


「……おいしい。ナズナの料理、好き」


『尊い』

『美少女同士のあーん食べさせ、普通に尊いが?』

『尊さと飯テロのダブルパンチ』

『てぇてぇ……そして食いてぇ……』


はーい! そういうわけで今日もサクラちゃんからの”おいしい”を頂けましたので無事終了です!

では皆さん次回の動画や配信でお会いしましょう!


『待って! 終わるの早いよ!』

『その尊いシーンと美味そうな料理をもう少し見せてくれ! 頼む!』

『サクラちゃんとナズナちゃんの絡みがぁ……』


変態の視聴者さんたちにこれ以上見せる絵はありませーん!

ではさよーならー!





…………


「ふぅ、今日も終わりました」

「ナズナ、もっと食べさせて」


ああ、サクラちゃんがおねだりしてくれてます。可愛いですねえ。


「はい、あーん」

「あーん…………ん、ナズナ、もうひとくち」

「そんなに急いで食べたら詰まっちゃいますよ」

「だめ、もっとたべたい、早く」

「しょうがないですねえ……」


こうやってサクラちゃんを独り占めできる時間、たまりません。

合法ロリ美少女を独占してわたしのものにするこの悦楽と幸福感は何にも代えがたいです。

画面の向こうの変態ロリコン共はこんなことできません。優越感に満たされます。


サクラちゃん、早く本当にわたしのものになればいいのに。


「ナズナ、もうひとくち……」

「はいはい。サクラちゃんは食いしん坊ですねえ」

「ちがう。でも、ナズナの料理はがまんできない」


そりゃあそうですよね。料理の中に依存性のあるお薬を混ぜてますから。

だから、サクラちゃんがわたしから離れられなくなるのも時間の問題です。


ああ。あとどれくらい経てばわたしの所有物になるのかな、サクラちゃん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ